ASD(自閉スペクトラム症)に向いている仕事10選!適職と選び方を解説
更新日:2026年01月20日

以前は知られていなかったASD(自閉症スペクトラム)。今ではメディアに取り上げられることも多くなってきました。ASD(自閉症スペクトラム)の方は仕事や人間関係などで悩みやストレスを抱えている方も多く、中には「仕事を続けられない…」という悩みを持つ方もいらっしゃいます。そこで、この記事では、ASD(自閉症スペクトラム)にあった仕事の仕方や選び方について説明します。
目次
ASD(自閉スペクトラム症)とは

ASD(自閉スペクトラム症)は、対人関係の構築やコミュニケーションの不得意さ、特定の物事への強いこだわりを特徴とする発達障害の一種です。
相手の意図や抽象的な表現の理解が難しい一方で、高い集中力や細部への注意力、ルールを厳守する誠実さといった強みも持っています。感覚過敏を伴うこともありますが、自身の特性を理解し、向いている環境を選ぶことで、仕事や社会生活において能力を最大限に発揮できるのが特徴です。
ASD(自閉スペクトラム症)の長所・短所
合う仕事を見つけるためには強みと弱みを理解することが必要です。
● ASD(自閉スペクトラム症)の方が仕事に活かせる長所
・集中力が高い、持続できる
・几帳面さを備えている
・視覚情報に強い
● ASD(自閉スペクトラム症)の方が仕事で不利になる短所
・「もっと自分で考えて」や「真面目にやって」等の誤解を受ける
・暗黙の了解を推し量ることが苦手
・仕事に対し「協力的でない」と誤解を受ける
・自分に合った仕事や職場環境がわからない
・マルチタスクや割り込み業務が苦手
ASD(自閉スペクトラム症)の方が仕事で抱えやすい悩みと対策
ASDの方が仕事で抱えやすい悩みとしては以下のものがあります。
| 悩み① 仕事のゴールイメージを描きづらい。仕事の依頼者のゴールイメージとズレやすい
悩み② 暗黙の了解を推し量ることが苦手で、曖昧な表現がわからない 悩み③ 共同作業や分担をする場面で、自身がどう行動すると良いかを察することが苦手で、「協力的でない」と誤解を受ける 悩み④ 自分に合った仕事や職場環境がわからない 悩み⑤ マルチタスクや割り込み業務への対応が苦手 |
下記では、それぞれの悩みにあった解決方法についてまとめます。
悩み① 仕事のゴールイメージを描きづらいもしくは仕事の依頼者のゴールイメージとズレやすい
そのため、「もっと自分で考えて」や「真面目にやって」等と言われてしまい誤解を受けることがある。
【対策】
・自分が立てた仕事の計画と進捗状況を小まめに報告する
・小まめな報告を通じ、仕事の依頼者のゴールイメージとズレが無いかを確認、ズレが生じている場合にはストレートに指摘してもらえるように相手に頼んでおく
悩み② 暗黙の了解を推し量ることが苦手で、曖昧な表現がわからない
【対策】
・指示はわかりやすくストレートに伝えてもらえるように相手にあらかじめ伝えておく
悩み③ 共同作業や分担をする場面で、自身がどう行動すると良いかを察することが苦手で、「協力的でない」と誤解を受ける
【対策】
・その苦手さを周囲にあらかじめ共有し、具体的な指示を出してもらえる様に会社や上司に頼んでおく
・自ら積極的に指示をもらいにいくと更に対策となる
悩み④ 自分に合った仕事や職場環境がわからない
【対策】
・自己分析等を行うだけではなく、実際に業務を行う等の体験から学びを得る
・体験だけでなく体験後に周囲からのフィードバックを得ると更に対策となる
悩み⑤ マルチタスクや割り込み業務への対応が苦手
【対策】
・頭の中だけで処理せずにメモを取ると良い
・頼まれた仕事について相手と認識の相違が無いかを確認するため、メモを取った内容を声に出して読み上げて相手に確認を取ると更に対策となる
これらがポイントと解決方法になります。
ASD(自閉症スペクトラム障害)の方は上記ポイントで挙げた弱みの部分で仕事での失敗を繰り返し、自己肯定感が低くなっていることがあります。
仕事をするのが怖い、と思うようになる方もいます。
ですが、自分の弱みを理解し対策をすることで、ASD(自閉症スペクトラム障害)の方も充分に活躍ができます。
この記事を参考に、仕事をして充実した生活を送ってくださいね。
ASDの方を採用した実績のある企業様も多数いらっしゃいますので、是非求人を見てみてくださいね。
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ASD(自閉スペクトラム症)に向いている仕事10選
データアナリスト
情報収集やデータ分析を行う仕事で、パソコンと向き合う時間が多い職種です。数字から仮説を立て、売上データなどを分析する作業を繰り返し行います。細かな数値を正確に扱う必要があり、ASDの方の高い集中力と正確性が活きる仕事です。
プログラマー
仕様書に基づいてプログラミングを行う仕事です。論理的な思考と正確性が求められ、一つの作業に集中して取り組む必要があります。また、イレギュラーな対応が少なく、手順が明確なため、ASDの特性と相性が良い職種です。
経理事務
会社の収支やデータを管理するルーティンワークが中心です。業務がパターン化されており、決まりに従って正確に作業を進める必要があるため、ASDの方の几帳面さと集中力が活かせます。
Webデザイナー
視覚情報の処理が得意なASDの方に向いている職種です。デザインの細部にこだわれる特性を活かすことができ、また一人で黙々と作業を進められる環境も多いです。
コーダー
Webデザインをコーディングする仕事です。決められたルールに従って正確に作業を進める必要があり、ASDの方の特性が活きます。また、対人コミュニケーションが比較的少ない環境で働くことができます。
品質管理(テスター)
ソフトウェアやゲームが仕様通りに動くか確認し、不具合を見つける仕事です。同じ操作を根気強く繰り返す作業や、些細な違和感を見逃さない注意力が必要なため、ASDの方の「細部へのこだわり」や「高い集中力」が大きな強みになります。
研究員・専門職
特定の分野を深く掘り下げる仕事です。興味のある対象に対して非常に高い探究心と知識の習得能力を発揮する特性があるため、一つの事柄を突き詰める研究職や、特定の技術に特化した専門職では、周囲が驚くような成果を出すことがあります。
翻訳家・校正者
文章を翻訳したり、誤字脱字や論理的な矛盾をチェックしたりする仕事です。文法という厳格なルールに基づいた論理的な作業であり、かつ「間違いを見逃さない」という高い正確性が求められるため、几帳面で論理的思考が得意な方に適しています。
CADオペレーター
設計図面を専用ソフトで作成・修正する仕事です。視覚的な情報の処理能力に優れ、かつ厳密な規格や数値に基づいて緻密に作業を進めることが得意なASDの方にとって、一人で黙々と取り組める点でも非常に相性の良い職種です。
物流・検品作業員
倉庫内での仕分けや商品の状態をチェックする仕事です。作業工程が明確にマニュアル化されており、決まった手順でルーティンワークを正確にこなすことが求められるため、変化が少なく見通しの立ちやすい環境で安定して力を発揮できます。
仕事選びの際には参考にしてみてください。
ASD(自閉スペクトラム症)と診断されてから就職・転職した方の成功事例
ASDと診断されたことを転機に、自身の特性を「武器」として捉え直すことで、多くの方が自分に合った働き方を実現しています。
| 【事例1】 マルチタスクの限界から、専門職の「Web制作」へ「以前は接客業をしていましたが、電話対応をしながら注文を受けるようなマルチタスクが重なるとパニックになり、適応障害を経験しました。診断後、支援機関で『一つのことに没頭できる』特性を強みだと再定義し、Webデザインとコーディングを習得しました。現在は障害を開示して働いています。指示をチャットなどの書面でもらう配慮を受けることで、指示の取り違えがなくなり、持ち前の『過集中』を武器に細部までこだわった制作ができるようになりました。自分の成果が目に見える今の仕事に、大きなやりがいを感じています。」 |
| 【事例2】 人間関係の不安を解消し、強みの「正確性」を活かす事務職へ「職場の空気を読むことが苦手で、周囲とのコミュニケーションに常に怯えていました。診断を受けたことで、『見通しの立たない対人関係』よりも『ルールが決まった作業』が自分には向いていると納得できました。転職活動では、マニュアルが完備され、一人で完結する業務が多い事務職を選びました。現在は静かな環境で、データ入力や書類チェックを行っています。一つひとつの作業をミスなく丁寧に進める姿勢が『職場に欠かせない力』として評価され、初めて安心して長く働き続けられる実感を持てています。」 |
ASD(自閉スペクトラム症)の仕事探しのポイント
ASDの方が仕事を探す際は、以下のポイントに注目することが重要です。
1.業務内容と特性のマッチング
● ルールやマニュアルが明確に定められているか
● 自分の得意分野や興味のある仕事か
● 視覚的・聴覚的な処理能力を活かせる仕事か
● 臨機応変な対応をあまり求められない仕事か
2.職場環境の確認
● 対人コミュニケーションの頻度と量
● 業務の進め方(チーム作業か個人作業か)
● 勤務時間の柔軟性
● 障害特性への理解度
3.支援体制の整備
● 障害者雇用枠の有無
● 職場での合理的配慮の実施状況
● メンター制度などのサポート体制
● 研修制度の充実度
ASD(自閉スペクトラム症)の仕事探しに利用できる就労支援機関
ASDの方の就労を支援する主な機関と制度をご紹介します。
就労移行支援
就職に必要な知識やスキルを習得するための訓練を提供します。期間は2年間で、一般企業への就職を目指す18歳~65歳の方が対象です。職場実習や面接訓練なども行います。
就労継続支援A型
雇用契約を結んで働きながら、職業訓練を受けることができます。最低賃金が保障され、より実践的な職業能力を身につけることができます。
就労継続支援B型
雇用契約を結ばずに、自分のペースで働きながら訓練を受けることができます。作業に応じた工賃が支給され、職業能力の向上を目指すことができます。
就労定着支援
就職後の職場定着をサポートする制度です。職場での困りごとや悩みについて相談でき、必要に応じて職場との調整も行います。定着支援員が継続的にサポートを提供します。
よくある質問
Q.ASDの適職はありますか?
A.ASDの「集中力が高く維持できる」「几帳面」「視覚情報に強い」の特徴を活かせる職業が向いています。具体的には、プログラマー、WEBデザイナー、経理事務、データアナリスト、研究職などがあります。
Q.ASDの方が職場で困ることはどんなことですか?
A.ASDの方は、その特徴から「依頼された仕事の完成イメージが湧きづらく、依頼者の意向とずれる。」「曖昧な表現の説明では指示内容を理解しづらい。」「マルチタスクが苦手で対応が遅れる。」などで困ることがあります。
Q. 職場でどのような配慮をお願いすれば働きやすくなりますか?
A.自分の苦手な部分を補う「合理的配慮」を企業に相談することが有効です。
・指示の出し方:「適宜やっておいて」などの曖昧な表現を避け、書面やメールで具体的に指示してもらう。
・環境調整:集中力を維持するため、パーテーションの設置や耳栓・ノイズキャンセリングヘッドホンの使用許可を得る。
・業務範囲:突発的な電話対応やマルチタスクを減らし、一つの業務に集中できる時間を確保してもらう。
Q.ASDの方が仕事探しに利用できる支援制度はありますか?
A.ASDの方が仕事をするために利用できる支援制度は、「就労移行支援」「就労継続支援A型・B型」「就労定着支援」があります。仕事に必要なスキルを得るための支援と、継続勤務のための支援を受けることができます。
ライター:atGPジョブトレ
全国的にも珍しい障害特化型、ジョブ特化型就労移行支援事業所を運営しています。各障害に特化するからこそ効果のある就労支援プログラム、業種に特化するからこそ身につく実力。これまでに培ったノウハウから就職に役立つ選りすぐりの情報を日々発信して行きます。










