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うつ病から復職する5ステップ!復帰が怖い時の対処法や支援制度を紹介

更新日:2026年01月29日

うつ病から復職のとき不安をうまくコントロールする方法・心構え

うつ病によって休職した後の復職についてはいろいろと不安や怖さが伴うのも当然です。そのような不安や怖さを解消し、復職後も安心、安定して働くためにどうすればよいのか?復職に失敗しないための方法や心構えを整理していきます。

うつ病からの復職が怖い時の対処法

不安があるのは自然なこと

復職を前に「職場に受け入れてもらえるか」「仕事についていけるか」と不安になるのは、心身の防衛反応として極めて自然なことです。決してあなたが弱いわけではありません。

 

こうした不安は一人で抱え込まず、主治医や信頼できる人に相談しましょう。全てを一気に解決するのは難しくても、復職の一般例を知り、今後の進め方を一緒に考えることで安心感に繋がります。また、自分の考え方のクセやストレス時の悪循環を振り返り、事前に対策を練ることも再発防止には非常に有効です。不安を抱えたままの自分を認め、周囲の助けを借りながら一歩ずつ準備を進めていきましょう。

 

焦らずにゆっくり進める

復職後の目標は、すぐに以前と同じように働くことではなく「職場に慣れること」に置きましょう。短時間勤務などの「試し出勤」から始め、主治医や会社と相談しつつ段階的に負荷を増やすことが大切です。

 

最初から100%のパフォーマンスを目指すと、疲れが溜まり再発リスクが高まるため、「決まった時間に通勤できれば合格」と目標を低く設定し、自分のペースで着実に進めていきましょう。

うつ病から復職までの5ステップ

① 復職に向けて生活リズムを整える

休職期間が長くなれば長くなるほど、寝たり、起きたりするのが遅くなる、昼寝の癖がついてしまった、朝ごはんを食べなくなる、外出するのが面倒になる、歯磨きや洗顔もしなくなるなど、仕事をしている時とはまったく違った乱れた生活リズムになっているのではないでしょうか。

 

ずっと家で横になることが多い生活を続けていると、外出するだけですぐ疲れたり、気力が湧かなくなっていることがあります。朝は定時に起きて、外出し、夜は少なくとも6時間は眠れる時間に就寝できるよう体を慣らしていくことはとても大事です。規則正しい生活をすることによって自律神経のバランスもよくなり、心身の健康も保たれます。

 

眠くなる、お腹が減るなども体を動かすことによって一層増幅されますので、復職が視野に入ってきたら、散歩やドライブ、買い物など外出する目的を作り、慣れてきたら外出時間を長くしていき、さらに実際に職場まで行ってみるのも不安を少なくするのに効果的です。

 

このようにして生活リズムを整え、復職へのリハビリを計画的に進めていきます。

② 心身を整える

うつの症状で、

・寝つきが悪く、疲れがとれない
・気持ちが落ち込むことが多く、気が晴れない
・倦怠感が強い
・集中力低下で、ミスを繰り返す

 

などの問題が続き、十分に回復していない場合、復職しても再発するリスクが高くなります。心身の休養がしっかりとれるように環境を整え、仕事ができるレベルで症状が改善していることが重要です。

 

③ 仕事ができる体力と集中力を取り戻す

休職を経て、症状が改善してきた場合には、

・図書館で集中して本が読める
・買い物、散歩などの身体活動ができる
・家では簡単な家事ができる
・食事がおいしいと感じる
・睡眠も取れて、朝の目覚めもよい

 

など、仕事ができる体力と集中力を取り戻すことが大事です。
特に、休職中に体を動かす機会が減って体力が落ちてしまうことがあるため、まずは15分くらいの散歩など軽めの運動からはじめて、体力を元に戻していくことをお勧めします。

 

④復職のタイミングは必ず主治医に相談する

復職するための準備の第1段階です。復職するかどうかは、何をきっかけに考えるべきでしょうか。

 

休職が長引いて、これ以上職場に迷惑をかけられないという責任感や、経済的な面や居場所がなくなるのではないか?などの焦りは当然、復職を考えるきっかけにはなるでしょう。

 

休職期間中の通院、服薬などの治療や休養によって、症状が軽くなった、治ったと感じる場合も復職を考えるタイミングとなります。

 

しかし、うつ病などの気分障害は短期間で完治することは難しく、過半数の患者で再発するというデータがあります。焦りや自己判断は禁物です。職場復帰を果たしたものの、仕事上のストレスに耐えきれず、症状が重くなり、場合によっては再発して休職、ともすれば以前より悪くなり退職になるというケースもあります。つまり、復職のタイミングは主治医と相談し、そのアドバイスの下に慎重に、適切に判断していくべきなのです。

 

当然、自分で判断するよりも、専門家である医者の判断の方が的確であり、その分、自分の復職に関わる不安や怖さは軽減されますし、また職場側にとっても、復職が医者の判断やアドバイスに従っておこなわれるとなれば、話が進めやすくなります。

 

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⑤復職に向けて職場と話し合う

生活リズムが順調に仕事をしていた時と同様に戻ってきたら、次は職場に復職の意思を伝えましょう。その際、いきなり復職の時期を電話で決めてしまうようなことはせず、必ず職場の上司や担当者と会って話し合う機会を設けてもらいましょう。

 

話し合いの場では、復職の意思を告げ、現在の病状を話し、生活リズムも整えていることも伝えます。また、その際、復職をしてもよい状態であることを示す医者の診断書や一筆があるとより話がしやすいでしょう。場合によっては、主治医と職場側の担当者が電話などで話し合うことも可能です。

 

もし復職することに不安がある場合は、それも正直に伝えるのもよいでしょう。一足飛びに元の職務に戻っても今までどおりにできるとは限りません。そういう場合は、職務内容や量の見直し、配置換えなども考えられますし、労働時間の短縮や在宅勤務などの可能性もあります。

 

徐々に職場や仕事に慣れていくことで、仕事を継続していくことに不安がなくなれば元の職務に戻してもらえるように職場側に理解を求めていくことが復職を成功させる上で重要なのです。

心の不調で休職した人が復職した割合

復職への心理的ハードルは高いものの、実際には多くの方が職場復帰を果たしています。

 

障害者職業総合センターが企業457社を対象に行った調査によると、過去3年間の復職率が「7〜8割」と回答した企業が24.1%で最多でした。次いで「9割以上」が22.6%となっており、半数近い企業で高い復職率を維持しています。

出典:職場復帰支援の実態等に関する調査研究 障害者職業総合センター

 

こうした具体的な実績があることは、復職への一歩をためらっている方にとって心強い根拠となるでしょう。

 

厚生労働省が定める復職の判断基準

厚生労働省の指針では、本人の復職意欲に加え、生活リズムの安定や、業務に必要な体力・集中力の回復が判断基準となります。主治医の診断書を参考にしつつ、産業医や会社側が安全に就業可能かを総合的に検討し、最終的な可否を決定します。

リワークプログラム(復職支援)を活用する

厚生労働省は各事業所での職場復帰支援の体制を作ることを推進しており、大きな事業所であれば、独自に休業していた従業員が無理なくスムーズに復帰できるためのリワーク(復職支援プログラム)制度がある可能性もあります。

 

ない場合も就労移行支援事業所などの民間事業者や、ハローワーク、通院している病院などでサービスとして提供しているところもありますので気軽に問い合わせてみましょう。

 

また、復職ではなく転職したいという際には、うつ病の方を採用した実績のある企業の求人を見てどんな仕事が向いているのか見てみるのもおすすめです。

リワークプログラム(復職支援)実施事例

出典:職場復帰支援の手引き 厚生労働省

 

◎30 代、男性、営業職

私は30代の営業職で、転勤に伴う環境変化とうつ病の発症により休職を余儀なくされました。当時は成果を出そうと焦るばかりで心身ともに限界でしたが、休職を経て「リワークプログラム」に出会えたことが、私にとって大きな転機となりました。

 

休業して3ヶ月が経ち、体調が安定し始めた頃、産業医の勧めで地域障害者職業センターの支援を利用し始めました。12週間のプログラムでは、認知行動療法を通じて自分のストレスの傾向を客観的に学び、同じ悩みを持つ仲間と交流することで「自分だけではない」と深く救われました。規則正しい生活習慣を取り戻せたことも、復職への自信に繋がりました。

 

復職の準備段階では、主治医や産業医、会社の上司や人事担当者と一堂に会し、詳細な「職場復帰支援プラン」を策定しました。復職後6ヶ月間は短時間勤務とし、上司や保健師との定期面談を組み込むことで、無理なく段階的に業務負荷を調整できる環境を整えてもらいました。

 

現在は、このプランに基づいた手厚いフォローアップを経て通常勤務に戻っています。プログラムを通じて得た気づきのおかげで、今は仕事以外の人生にも目を向け、心に余裕を持って業務に向き合えています。

うつ病後、復職に失敗しないための心構え

うつ病に無理は禁物

うつ病は非常に再発率の高い精神疾患です。その上、その症状は不安を感じやすい、疲れやすい、集中できない、何をやっても楽しくないなど、おおよそ仕事をする上で負担に感じるものばかりです。

 

職場に復帰することがゴールではありませんので、復帰後の仕事が辛いと感じる場合は無理をせず、主治医や職場の上司に相談してください。

 

うつ病になると感情の起伏が乏しくなり、周囲に「辛い」「しんどい」といった状態が伝わりにくくなります。そのため、自分から発信するだけでなく、それが難しい場合には、職場の適応状態を定期的に把握して声をかけてくれる担当者がいることが望ましいでしょう。

試し出勤を活用して無理なく復職する

復職をスムーズに進めるために、試し出勤の活用をお勧めします。試し出勤とは、病気などで休職していた従業員がスムーズに職場復帰できるよう、正式な復職前に、本来の職場などに試験的に一定期間継続して出勤する制度です。

 

時間をかけて出勤時間や日数を段階的に増やし、勤務や業務負担に慣れていくやり方が一般的です。

 

ただし、試し出勤制度は法定の制度ではなく、導入するか否か、どのような運用にするかは、会社が任意に決定できます。また、試し出勤中は基本的に無給であることにも注意しましょう。

 

体調管理を意識する

うつ病の身体的症状には食欲不振や不眠などがあります。このような症状が続けば身体的にも仕事に耐えられなくなり、欠勤や再度の休職にいたる深刻な事態にもなり得ます。そのため、体調管理は意識する必要があります。

 

調子がすぐれないときに風邪などをひくと、治るまでに時間がかかったり、生活リズムを崩すきっかけにもなり、ますます仕事を続けていくことを困難にしかねません。

 

できれば毎日の体温や起床・就寝時刻、食事の内容や量などを記録してみましょう。記録をつけることで、ご自身で体調の変化に気づきやすくなるだけでなく、主治医にも状況をより具体的に伝えられるようになります。

 

通院している心療内科や精神科以外にも体調不良に応じた科を受診し体調の維持を心掛けましょう。

 

治療は継続する

症状がよくなったと感じたり、仕事が忙しくなったりすると、ついつい通院を怠ってしまうことがあります。その後、間が空いてしまうと自然と病院に足が向かなくなり、医者の治療計画は途中で終わってしまい、それでは完治は見込めません。

 

服薬も同様に調子がよくなったと思ってやめると治療効果が十分に発揮されません。薬は医師の指示に従って、適量を適時、最後まで飲み続けるようにしましょう。

 

治療が終了した後も、主治医の指示に従ってしばらくは定期的な通院を継続し、再発予防を心掛ければ、余計な不安を軽減し、安心して仕事を続けていくことができます。

 

ストレスをためないコツ

職場復帰を果たした後は、仕事を続けていくことに目標をシフトしていきます。その上で、うまくストレスをコントロールすることは非常に重要です。人によって、日々、ストレスを感じる人もいれば、さほどストレスを感じず仕事を続けていても身体的な症状として現れる人もいます。

 

ストレスを溜めないコツはいろいろあります。

・仕事を頑張りすぎない
・手を抜けるところでは手を抜く
・適度に休む
・気分転換をこまめにはさむ

 

うつ病になりやすい人は性格的に真面目過ぎたり、他者の評価が気になるものです。そういう場合は心療内科などで治療の一環として行われる行動療法が有効です。

 

休日の過ごし方も大事です。休みの日に一日中ベッドで横になっているような状態が続くと返ってストレスを溜めてしまいますので、休日は友人や家族と過ごしたり、買い物や趣味、スポーツをするなど極力、ストレスを発散できるような楽しい活動をすることを意識しましょう。

うつ病からの復職は焦らずステップ・バイ・ステップで

うつ病を含む精神疾患は短期間では治らないという共通点があります。うつ病から回復したり、症状が軽くなり復職する場合も、無理は禁物です。

 

「石橋を叩いて渡る」ほどの慎重さを持ち、不安を一つずつ解消しながら、段階的に(ステップ・バイ・ステップで)準備を進めることが大切です。もちろん、自分一人でこうした準備を行い、焦りや不安をなくしていくことは容易ではありません。

 

うつ病と向き合いながら復職するには、主治医や職場、そして同居家族がいる場合にはその家族など、周囲の理解と協力が不可欠です。また、精神保健福祉手帳を取得した場合は、復職支援サービス以外にもさまざまな障害者支援サービスを利用できます。主治医や福祉事務所などに相談してみるのもよいでしょう。

 

また、復職ではなく転職したいという際には、うつ病の方を採用した実績のある企業の求人を見てどんな仕事が向いているのか見てみるのもおすすめです。

 

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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