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リワーク(復職支援プログラム)って何? 取組内容や効果について徹底解説

更新日:2020年02月07日

うつ病などの病気やその他の精神的な不調により、仕事を休職している人の中には、復職することに不安を覚えている人も少なからずいることと思います。「本当に復職できるのか?」、「復職しても以前のように働くことができるのか?」、「また調子が悪くなって再び休職してしまうのではないか?」など、その不安の内容はさまざまです。そのような不安を抱えながら休職している人におすすめなのがリワーク(復職支援プログラム)です。このリワークとは、「Return to Work」を略した言葉で、精神的な病気や不調により就職している人がスムーズに復職することを目的としたプログラムのことを言います。ここでは、リワークとはどのようなものか、どのような流れで行われるのかといった点について解説していきます。

リワーク(復職支援プログラム)とは

リワークとは、精神的な不調により休職した人がスムーズに復職できるようにするためのプログラムのことです。

ストレスへの対処法を学ぶために、決まった日にち・時間に決められた施設へ通い、演習や対人コミュニケーションのロールプレイなどを行います。

リワークプログラムの種類や、実施している機関によっては、復職後のフォローまで行ってくれる機関もあります。

 

リワークの目的は仕事への復帰だけではありません。休職の原因となった症状やストレスの根源と、リワークのプログラムを通じて向き合うことで、仕事への復帰後の再休職や精神面の不調を防ぐことも目的としています。

現にリワークプログラムを受けてから仕事に復帰した人のほうが、再休職率が低下するという研究報告も挙げられています。

 

リワークには病院で行う「医療リワーク」、地域障害者職業センターが行う「職リハリワーク」、各企業が独自に行う「職場リワーク」三つの種類があります。

この3つの機関でリワークを受けることができますが、対象となる人や費用、プログラムの内容は異なります。

 

具体的な費用は、利用を希望する機関やその規模によって変わりますが、1日800円程度が目安となっています。自立支援医療の人は、月の上限以上の負担は必要ありません。

リワークは、プログラムが進むにつれて通所回数も増えてきます。そのため利用料金も高額になってしまうので、リワークを利用する際には自立支援医療の申請をしておくとよいでしょう。

 

また、基本的にリワークを行っている機関までの交通費は自費であることが多いのですが、自治体によっては交通費を助成してくれるところもあります。

ですので、一度お住いの自治体の窓口に相談してみることをおすすめします。

 

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基本的なリワークの取り組み内容とは

基本的なリワークの内容とは、まず会社に勤務しているときと同様に午前中にリワークプログラムを行う施設に通所し、昼休みを挟んで午後もプログラムに取り組みます。

具体的なプログラムの内容には、以下のようなものがあります。

 

・グループミーティング

同じように精神的な不調により休職している人同士が集まり、自分の症状や生活リズムについてなど、さまざまなテーマについて話し合うプログラムです。同じような悩みを持つ他の参加者と交流することによって、自分では思いつかなかった精神の不調への気付きや発見を得ることを目的とします。

 

・オフィスワーク(作業課題)

これはオフィスワークと呼ばれていますが、実際に仕事をするわけではありません。復職時に行うと想定される仕事と似た作業を行い、仕事に対する集中力を高めます。オフィスワークの初期にまだ仕事を想定した作業を行うのが難しい場合は、読書などを行い集中力の維持を図るケースもあります。

 

・ストレス対処

自分がストレスをどのような原因や場面で感じるかというストレスに関する問題を、支援者の力を借りながら分析していきます。また、このプログラムを行う過程で自分が無意識に陥ってしまう思考パターンや、考え方の癖に気づくことで、ストレスに対する対処法を学びます。

 

・対人技能訓練

この対人技能訓練は、ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)とも呼ばれます。「上司」や「部下」、「同僚」といった役割をリワーク参加者に割り振り、自分が苦手とする場面における他人とのコミュニケーションの練習を行う、いわばロールプレイのことです。この対人技能訓練を行うことにより、職場での対人コミュニケーションにおける問題解決能力を向上させる狙いがあります。

 

・キャリアデザイン

休職期間を、自分の仕事におけるキャリアに対する見方を見直すチャンスと捉え、自分にどのような能力が備わっているかなどを、今までのキャリアを振り返りながら新たに発見していきます。

 

このようなプログラム以外にも、認知行動療法などの精神療法、休職の原因を振り返り発見する「内省」、生活リズムの管理や軽い運動、朝のミーティングで活動記録について報告するといったこともリワークのプログラムです。

このようなプログラムの内容は、実施している機関によって異なるため、自分が利用を検討している機関でどのようなリワークプログラムが行われているか、事前に調べておきましょう。

また、費用もリワークを実施している機関によって異なるため、こちらも事前に調べておくと安心です。

 

プログラムの内容や復職へのプロセスはリワークを実施している機関によって大きく異なるため、リワークを利用したい場合には主治医などに相談してからどの機関を利用するか決めることをおすすめします。

リワークを進めていく流れ

リワークプログラムは、まず自分の体調を整えることから始まります。主治医と相談し、病状が安定または回復していると判断されて初めてリワークプログラムに参加することができます。

 

リワークプログラムの参加初期の段階では、生活リズムを整えることから始まり、それから集中力や持続力、注意力、コミュニケーション能力など、復職に必要な能力を回復していくためのトレーニングを行います。

このようなリワークプログラムを経て仕事に復帰した後も、病気の再発や再休職予防のために、さまざまなプログラムを通して自分が健康で働き続けるための知識の習得や、ストレス源への対応法を学びます。

 

このような流れでリワークが行われるのですが、プログラムを行っている間は常にリワークを行っている機関のスタッフが付いてくれるため、一人で気負い過ぎたり焦ったりすることなくリワークのプログラムをこなし、仕事への復帰に役立てることができます。

リワークの効果

リワークの効果はスムーズな仕事への復帰だけではありません。休職の原因となったストレス源や精神的な症状の原因にリワークプログラムを通して向き合うことで、病状の再発や再度の休職を防ぐ効果もあります。

 

リワークプログラムを行う過程で、精神保健衛生士や臨床心理士の助けを借りながら、なぜ精神的な不調に陥ってしまったかを把握することが可能です。

このプロセスを経ることで、仕事復帰を果たした後も同じ原因で再び精神的な不調を起こしてしまうことが少なくなります。

 

さらに、「認知(物の見方や考え方)」にアプローチする認知行動療法を行うことによって、自分が無意識のうちに陥ってしまいがちな思考パターン・行動パターンを理解することができるので、ストレスや不安感を軽減する狙いもあります。

 

また、チェック表を用いるなどの方法で自分の生活リズムを整え、規則正しい生活を続けていきながら、自身の疲れの度合いや気分の波を把握できるようにし、自己管理ができるように訓練していきます。

このように自己管理能力を高めることで、仕事に復帰した後も自分の体調を整えられるようになり、再休職を防ぐことにつながります。

 

また、職場に似た環境の中でリワークプログラムを行うことで、仕事復帰時に想定されている業務に必要とされるスキルの維持または向上、コミュニケーション能力など業務スキル以外の向上、業務時間や複数の人と行う業務など復職後を想定した環境に慣れるといった仕事復帰に向けた準備を行います。

 

リワークには、実際の職場で役に立つ能力や技術を向上させることで、仕事を滞りなく行い、自分に負担がない状態での仕事復帰を実現する効果があります。

 

 

リワークを受けるには?

リワークは、医療機関、地域障害者職業センター、就労移行支援事業所などで受けることができます。それぞれ特徴や利用方法に違いがありますので、細かい条件などは各施設を利用する前に確認しましょう。

 

医療リワーク

医療機関で実施される医療リワークは、病状の回復・再発による再度の休職の予防を目的としたプログラムを中心に実施されることが多いです。健康保険制度や自立支援医療制度を利用できます。

 

地域障害者職業センターでのリワーク

各都道府県に設置されている地域障害者職業センターが実施主体となるリワークプログラムです。地域障害者職業センターのコーディネーターが利用者本人・雇用主・主治医とともにプランを作成し、実施されます。利用料は、雇用保険から支払われるため費用は無料です。

 

就労移行支援事業所でのリワーク

就労移行支援事業所で実施されるリワークは、事業所ごとに内容や対象となる障害の方は変わります。就労移行支援事業所は、障害のある人の就職を支援する事業所ですが、リワークプログラムを提供する事業所も増えてきています。前年度の世帯収入状況に応じて自己負担額は異なります。

 

atGPの就労移行支援事業所「atGPジョブトレ」では、それぞれの障害に特化した障害理解・対処スキルを身に着けつつ、復職を目指すリワークプログラムを受けることができます。

 

リワークプログラムが合わない人もいる

リワークのプログラムのほとんどは、集団で行います。そのため、自分ひとりだとやる気が起こらずボーっとしてしまう人、さまざまな人の意見や考え方を知りたいと思う人、生活リズムが乱れているためそれを整えたい人、実際に人とかかわってその上手な方法を練習したい人などには非常に向いていると言えます。

 

また、多くのリワークプログラムはうつ病やそれに類似した症状を発症している人に向けてプログラムが作られています。

このような理由から、強迫性障害やパニック障害、社交不安障害のような不安障害系の病状のある人には必ずしもリワークが向いているとは言い難いのが現状です。

 

不安障害系の病気のある人は、しっかりと不安への対処スキルを身につけるだけで仕事への復帰が可能な人が多いため、まずはそちらのスキルの習得を目指すことをおすすめします。

まとめ

ここまで、リワークについて解説してきました。リワークとはどのようなものか、リワークのプログラムの内容、リワークに向いていないのはどのような人かといった点についてお分かりいただけたと思います。

 

リワークは、基本的にうつ病やそれに準ずる症状を持つ人のための仕事復帰をサポートするシステムです。

このような症状で休職をしている人の仕事復帰や、再休職を防ぐためには非常に有効なシステムですが、それ以外の精神的な不調で休職している場合には、必ずしも有効な方法であるとは限らないという点に気を付ける必要があります。

 

もし、リワークを利用して仕事復帰に役立てたいと思った場合には、まず主治医に相談することから始めましょう。

atGPエージェント

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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