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特例子会社を設立したときのメリットとデメリットをわかりやすく解説!

更新日:2022年03月31日

特例子会社のメリット・デメリット

特例子会社をご存じでしょうか。障害者雇用促進法において一定の条件を満たす子会社を設立すると、子会社の障害者雇用率を親会社の障害者雇用率に算定できる制度です。何らかの理由で親会社での障害者雇用が困難な場合や、グループ会社が複数ある状態で障害者雇用を始める時などに非常に有効な制度ですが、果たして特例子会社はいいことづくめなのでしょうか。ここでは特例子会社の制度をわかりやすく説明していくとともに、そのメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。これから本格的に障害者雇用を始めようとする事業主の方や、なかなか法定雇用率を達成できない事業主の方などの参考になれば幸いです。

特例子会社とは

障害者雇用において特別な配慮をする子会社

障害者雇用促進法の第44条において、「子会社に雇用される労働者に関する特例」において、事業主が申請することによって同条の掲げる基準を満たす場合に、特例子会社で雇用された障害者は親会社やグループ会社全体の雇用と見なされ、実雇用率に算定されます。

 

実際の運用として、特例子会社は親会社やグループ内での実雇用率を大きく増やす用途で設立されます。後ほど、設立要件のところで詳述しますが、特例子会社はそうでない会社よりも多くの障害者を雇用することを制度上求められるため、子会社を1件設立すると、グループ全体の実雇用率をカバーできることもあります。

 

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特例子会社による障害者雇用のメリット

 特例子会社は最初から障害者を多く雇用する目的で設立することから、既存の会社で障害者雇用をするよりも多くのメリットがあります。

 

最初から障害者雇用に合わせた制度設計ができる

一つめのメリットは、始めから雇用しようとする障害者に合わせた仕事を用意したり、それぞれの障害に対応する適切な配慮がしやすいということです。例えば、通勤に困難のある身体障害者や精神障害者などを雇用する場合、出退勤時間の調整をしたり、通院が必要な障害者に対して特別休暇を付与するなどを想定して社内の制度を作ることができます。 

 

設備投資や雇用管理の効率性が高まる

障害者雇用を想定していない会社では、建物が古くバリアフリーデザインではなかったり、後からバリアフリーに改築したり、その他の物理的な配慮のための工事が困難だったり、大掛かりになったりします。それに比べて、特例子会社を設立する場合、建物を立てる際に、障害者雇用を想定したデザインや工夫を組み込むことができ、設備投資や雇用管理の効率性が高くなるというメリットもあります。

 

職場定着率の向上

このように、障害者雇用への配慮が行き届いた特例子会社では、雇用した障害者の定着率が通常の事業所より向上することが望めます。障害者を雇用したものの、定着率が低いというのが障害者雇用における課題でもありますので、特例子会社をなるべく多くの障害種別に合わせたデザインにしたり、障害者に適した働き方を多く創出することで、その定着率を飛躍的に高めることができます。

 

障害者雇用のノウハウ蓄積

また特例子会社ではこのように障害者雇用に特化した会社だけに、障害者雇用に関して多種多様な事例を持つことができ、自社グループ内での障害者雇用に役立つノウハウを蓄積できるというメリットも持っています。特例子会社の設立はグループ全体に大きな利益をもたらすと言ってよいでしょう。

特例子会社による障害者雇用のデメリット

では、特例子会社を設立することによるデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。いくつか見ていきましょう。

 

すべての障害者雇用の問題が解決するわけではない

このように、非常にメリットの多い特例子会社ですが、障害者雇用におけるすべての問題が解決されるわけではありません。解決が難しい問題の多くは、特例子会社そのものではなく、人が原因で起きます。たとえば、いくらハード面や制度が充実していても、雇用する側や同僚となる従業員の障害者への偏見や無理解などは、その人の育ちや考え方にもよるため、均一なレベルでの教育や啓蒙は難しい場合があり、その手のトラブルは特例子会社でもあり得ます。また、障害の多様性や個々の障害特性すべてに合理的配慮ができるわけでもありません。ある程度の障害者本人によるトレーニングや服薬などによる特性のコントロールも必要と言えます。

 

障害者同士ゆえのトラブルが発生する可能性がある

また障害特性により感情や言動のコントロールが難しい場合、他者への受容や共感ができないことがあり、そうしたことがきっかけでトラブルになることもあり得ます。障害者同士のトラブルは、特例子会社だからといって避けることはできません。

 

特例子会社といっても経営し利益を上げなければならない

特例子会社も企業が経営する会社であることには変わりません。いくら障害者を雇用するためといっても利益が出ず、採算がとれなければグループ内でのお荷物になってしまいますし、障害者の雇用が継続できなくなれば意味はありません。特例子会社には、障害者の雇用とともに健康な経営が求められるのです。

 

どのような企業が特例子会社の設立に向いているか

雇用すべき人数が多く、安定就業・定着化を目指す必要がある企業

ある一定の規模があり、障害者を多く雇用する必要がある企業なら特例子会社の設立を視野に入れましょう。また、雇用した障害者の定着化に課題がある企業も、特例子会社なら根本的な課題を解決できる可能性が高くなります。

 

特定の障害だけでなく、多様な障害者を雇用していく必要がある企業

すでに自社やグループ内で雇用している障害者が適応できていない場合や、多くの障害種別に広く対応するような方針を持っている場合も、特例子会社なら可能性は高くなるでしょう。

 

一般部署への配属がこれ以上増やすことが難しい企業

また、会社のバリアフリー化や仕事の切り出し等の問題で、一般部署への配属がこれ以上は難しいという企業でも、特例子会社なら行き詰まりを解消できるでしょう。

 

外部にアウトソースしている業務がある企業

業務量が多く、外部に委託するような業務がある場合は、障害者雇用をしていなかったり、法定雇用率を達成していないのであれば、それは特例子会社の業務にできないか考えてみる必要があります。

特例子会社の設立要件

続いて、特例子会社の設立の要件を確認していきましょう。特例子会社の設立には親会社、子会社について、以下の要件が課せられています。

 

  1. 親会社が子会社の意思決定機関(株主総会等)を支配していること
  2. 親会社から子会社への役員派遣、従業員の出向など、人的交流が密であること
  3. 子会社は株式会社であること
  4. 子会社に雇用する障害者が5人以上で、かつ全従業員の20%以上を占めること。また、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の合計数割合が30%以上であること
  5. 障害者の雇用管理を適正に行うに足る能力を有していること(障害者のための施設改善ができる、障害者職業生活相談員の配置など)
  6. その他、障害者雇用の促進および雇用の安定が確実に達成されると認められること

特例子会社を設立するための準備

自社の雇用方針と戦略を再確認

特例子会社を設立する際、まず必要となるのは綿密な計画です。現在ある子会社を特例子会社にすることも、新設することもできます。新設する場合、どのような規模の会社にし、親会社や、グループの障害者雇用率を基に、どれくらいの障害者を雇用するのか、そしてどのような業務を創出し、利益や継続性、戦略も考える必要があります。

 

設立要件の整理

続いて、先に述べました設立要件を確認し、役員会で設立の承認を得ます。

 

申請書類の準備、手続き

承認を得たら、会社設立登記の準備をします。就業規則の作成や事業所設置届、障害者募集の求人提出などをハローワークに対して行います。

 

ハローワークや支援機関などに相談

準備が整ったら、以降はハローワークとやり取りをしながら設立準備を進め、 設立によって受けられる助成金等の確認をしましょう。助成金には多様な種類があり、申請条件や申請期日などを厳守する必要があります。せっかく特例子会社を設立し、法定雇用率を達成できても助成金の申請にミスがあれば経営に大きな影響を与えるかもしれません。

 

まとめ

特例子会社の設立はある一定の規模を持つ企業であれば是非視野に入れるべき制度です。特に現状では法定雇用率を達成できない、障害者を雇用しているが安定就業や定着率に課題がある場合などの課題がある場合は検討してみるというのも一つとの手です。少子高齢化で人材の確保が困難になりつつある現代では、障害者雇用は社会貢献にもなり、自社のメリットにもなります。ただし、特例子会社が万全の策であるとは言えませんので、メリット、デメリットを理解して慎重に実現を目指しましょう。

 

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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