障害者雇用助成金一覧(早見表)!いくら支給される?受給条件を解説
更新日:2026年09月08日

障害の有無にかかわらず誰もが平等に社会参加できるよう、障害者雇用促進法などを通じて障害者の雇用の安定や機会の確保が図られています。特に2026年7月には法定雇用率が2.7%へ引き上げられ、障害者雇用を推進する企業はさらに増加しています。そこで本記事では、企業をバックアップする障害者雇用の助成金を目的別に「5つの種類」に分けてわかりやすく解説します。最大受給額や申請の5ステップ、個人事業主の対象可否に加え、助成金だけではない「障害者を雇用する本質的なメリット」まで、専門家の視点で詳しくご紹介します。
障害者雇用の専門チームによる監修記事
本記事は、国内最大級の障害者転職支援サービスを運営するatGP(アットジーピー)が監修しています。2,000社以上の支援実績に基づいた実務情報を提供します。
目次
障害者雇用助成金とは
日本では、障害者の一般就労を促進するための法制度が定められています。その中心となる法律が「障害者の雇用促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」です。
事業者にとっては障害者雇用率制度の根拠法として知られていますが、雇用促進に向けた施策の一つとして、同法(障害者雇用納付金制度)に基づき各種助成金が規定されています。これらの助成金は、法定雇用率が未達成の企業から徴収される「障害者雇用納付金」などを財源として運用されています。
2014年の「障害者権利条約」批准以降、日本において労働を含む障害者の社会参加への機運は一層の高まりを見せています。そうした中、障害者雇用助成金は、事業主が障害者を雇い入れる際や職場環境を整える際にかかる費用負担を軽減する、必要不可欠な制度となっています。
なお、助成金には採用時に支給されるものから、施設・設備の整備、定着支援に対して支給されるものまで多様な種類が存在します。対象となる障害者は、原則として身体障害者手帳、療育手帳(知的障害)、精神障害者保健福祉手帳を所持している方ですが、助成金の種類によっては発達障害のある方なども対象に含まれます。
2026年7月の法定雇用率引き上げ(2.7%)に伴い企業が対応すべきこと
2026年7月より、民間企業における障害者の法定雇用率が2.7%へ引き上げられ、対象となる企業範囲も従業員37.5人以上へと拡大されました。すでに新基準が適用されている現在、企業には継続的な雇用達成と定着に向けた積極的な取り組みが求められています。
制度変更に伴い、企業が優先して進めるべき対応は大きく3つあります。
1. 必要雇用数の再計算と自社状況の再確認
新基準(2.7%)に基づき、自社の必要雇用数を正確に算出します。従業員数の変動によって新たに雇用義務が生じる場合もあるため、常に最新の状況を把握しておくことが不可欠です。
2. 切り出し可能な「業務の整理・棚卸し」
データ入力や軽作業、書類整理など社内業務の棚卸しを行い、障害のある方が能力を発揮しやすい職務を明確に切り出します。
3. 定着に向けた社内環境の整備と支援機関の活用
指導担当者の配置やマニュアル整備を進めるほか、ハローワークや地域の就労支援機関との連携を強化し、長期的な定着支援態勢を整えます。
雇用と定着には一定の準備期間を要するため、自社で活用できる助成金もスムーズに組み合わせながら、計画的な運用を進めていきましょう。
障害者雇用にまつわるメリット・デメリットをはじめ、最低限知っておきたい基礎知識をご紹介する資料がダウンロードできます。
企業が受け取れる障害者雇用の助成金一覧(早見表)
障害者雇用で企業が活用できる助成金を、目的別の早見表にまとめました。詳細を見る前に、まずは以下の重要なポイント3つを押さえておきましょう。
● 最大支給額:条件を満たせば、1人あたり最大240万円を受給可能
● 制度の併用:「採用→試行→正社員化→定着支援」と段階的な併用が原則可能
● 最大の注意点:「雇用前」の申請手続きを漏らすと、不支給になるケースがある
雇用の「入口(採用)」から「定着」「正社員化」「環境整備」までフェーズごとに制度が用意されています。まずは自社の採用フェーズや目的に合うものを、表から見つけてみてください。

助成金の支給パターン(毎月支給・一括支給)
障害者雇用の助成金は、大きく「毎月一定額を受け取るタイプ」と「雇用や正社員転換などのタイミングで一括して受け取るタイプ」の支給パターンに分かれます。自社の採用方針や目的に応じて選ぶことが大切です。

一見「どれか1つしか選べない」と思われがちですが、実際は「試行(トライアル雇用)→ 正社員化(キャリアアップ助成金)」のように複数の制度を段階的に組み合わせる運用が主流です。
そこでポイントとなるのが、単なる制度の知識ではなく「自社の雇用フローに即したプランニングができているか」という点です。受給できる時期や要件を正確に捉え、採用・試行・定着・正規雇用化までの流れを逆算した仕組みづくりが欠かせません。
もし自社のみで最適なスキームを構築・判断するのが難しければ、障害者雇用と定着支援に精通した専門の支援機関にアドバイスを求めるのも有効な選択肢となります。
障害者雇用助成金の5つの種類と支給条件
障害者雇用に関連する助成金の制度には様々な種類があります。
それぞれ確認していきましょう。
1.障害のある方を雇い入れた場合
<特定求職者雇用開発助成金>
【特定就職困難者コース】
特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースは、障害者を含む特定の就職困難者(高齢者や母子家庭の母等)を継続して雇用する労働者として雇い入れる場合に助成されます。
● 支給条件
公共職業安定所(ハローワーク)、地方運輸局、または許可・届出を得ている職業紹介事業者等を通して雇用すること、および雇用保険の一般被保険者として継続して雇用することが確実であること。
● 対象障害者・支給額

※申請窓口:ハローワーク
【発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース】
特定求職者雇用開発助成金の発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースはコース名のとおり、発達障害者や難治性疾患患者を継続して雇用する労働者として雇い入れる場合に助成されます。
● 支給条件
特定就職困難者コースと同様に、ハローワーク等の適正な紹介機関を通して雇用し、雇用保険の一般被保険者として継続雇用すること。
● 支給額
※申請窓口:ハローワーク
【障害者トライアルコース】
就職が困難な障害者を一定期間(原則3ヶ月)お試し雇用(トライアル雇用)することで、適性や業務遂行可能性を見極める場合に支給されます。
● 支給条件
ハローワークや民間の職業紹介事業所などを通して雇用し、トライアル雇用期間中に雇用保険加入手続きを行うこと。
● 対象障害者
障害者トライアルコースの対象となる障害者は、継続的な雇用を希望し、かつ、このトライアル制度の趣旨を理解し、その制度での受け入れを希望するものとされています。そして障害者雇用促進法の対象者で以下のいずれかの条件に該当しなければなりません。
| ア 就労の経験のない職業に就くことを希望している
イ 2年以内に離職、または転職が2回以上ある ウ 離職期間が6か月を超えている エ 重度身体障害者、重度知的障害者、または精神障害者 |
● 支給額

※精神障害者の支給額は、最初の3ヶ月:最大8万円/月、次の3ヶ月:最大4万円/月となります。
※申請窓口:ハローワーク
【障害者短期トライアルコース】
障害者短期トライアルコースは障害者の継続雇用を目的としている点では前述の障害者トライアルコースと同じですが、こちらはまずは短時間(週10~20時間未満)から始め、雇用期間中に20時間以上の労働時間に増やしていくトライアル雇用に助成金が支給されるものです。
このコースの対象者は継続的な雇用を希望する障害者(発達障害者もしくは精神障害者)で、かつこのトライアルコースの趣旨を理解し、この制度での受け入れを希望している必要があります。
また、助成要件としては、対象者は公共職業安定所または民間の職業紹介事業所を通して雇用することと、そして3~12か月のトライアル雇用を実施することが挙げられています。

※申請窓口:ハローワーク
<職場適応援助者(ジョブコーチ)助成金>
職場適応援助者助成金は、職場適応や定着に困難のある障害者に対して職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援を実施する事業主に助成金を支給するものです。
訪問型職場適応援助者助成金と、企業在籍型職場適応援助者助成金の2種類がありますが、本稿では主に障害者を雇用する企業の従業員が、養成研修を受講して社内の障害者に対して支援を行う場合に支給される、企業在籍型職場適応援助者助成金について解説します。
● 支給条件
企業在籍型職場適応援助者助成金の支給条件は以下の通りです。
| 1.障害者を雇用するに伴い必要となる援助を行う、企業在籍型職場適応援助者を置く事業主であること
2.企業在籍型職場適応援助者の援助に関する計画に基づき、適切に援助を実施できると認めるもの 3.同一の企業在籍型職場適応援助者が行う職場適応援助について、過去にこの助成金を受給していないこと 4.労働関係法令違反など、支給できない事業主でないこと |
● 対象障害者
企業在籍型職場適応援助者助成金の対象となるのは身体・知的・精神・発達障害の方、および難治性疾患、高次脳機能障害のある方、また地域障害者職業センターが作成する職業リハビリテーション計画で企業在籍型職場適応援助者による支援が必要であると認められる方です。
【企業在籍型職場適応援助者の条件】
企業在籍型職場適応援助者助成金の対象となる企業在籍型職場適応援助者は、以下の条件に当てはまる者である必要があります。
| 1.企業在籍型職場適応援助者養成研修等を修了した者
2.企業在籍型職場適応援助者養成研修修了後に初めて支援を行う場合は、地域障害者職業センターが指定する、センターに配置された職場適応援助者とともに支援する者 3.支給の対象期間中に、職場支援員の配置助成金などの支給対象障害者として支援している者の人数が三人以下である者 |
● 支給額

※支給総額は「上記月額 × 支援実施月数」+「養成研修受講料の1/2(条件を満たした場合)」となります。
※申請窓口:JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
2.施設等の整備や適切な雇用管理の措置を行なった場合
<障害者雇用納付金制度に基づく助成金>
障害者雇用納付金に基づく助成金は、事業主が障害者を雇用するにあたって、施設や設備等の整備、および適切な雇用管理をするために特別な措置を取らなければ、新規の雇用や継続した雇用が困難と認められる場合に予算の範囲内で支給されるものです。
介助や、通勤を容易にするための措置、ICTの利用(遠隔手話サービス、遠隔文書朗読や作成等)も対象となります。
3.能力開発をした場合
<障害者能力開発助成金(旧:人材開発支援助成金 障害者職業能力開発コース)>
障害者の職業能力の開発・向上のために、教育訓練を継続的に行う施設の設置や運営などを行う事業主(または事業主団体)に対して、その費用の一部を助成します。
● 対象障害者
障害者能力開発助成金の対象者は身体・知的・精神・発達障害者、および難治性疾患、高次脳機能障害のある方で、ハローワークに求職の申し込みをし、ハローワーク所長に職業訓練を受ける必要があると認められた方です。
● 支給条件
障害者能力開発助成金は、障害者職業能力開発訓練事業を行なう場合、または障害者職業能力開発訓練事業を行うために必要な訓練の施設、設備の設置、整備、更新をする場合に支給されます。
4.職場定着のための措置を実施した場合
<キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)>
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)は、障害者の雇用を促進し、職場に定着することを目的にした助成金です。
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)の支給条件は、下記2種類の措置のいずれかを継続的におこなった場合に受けられます。
| ● 有期雇用を正規雇用または無期雇用に転換
● 無期雇用を正規雇用に転換 |
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)の支給額は、障害の種類及び重度、措置の内容によって変わります。

※申請窓口:都道府県労働局
5.障害者雇用に関して相談先や援助を受けたい場合
<障害者雇用相談援助助成金>
この助成金は、法定雇用率が未達成で、かつ障害者雇用のノウハウが不足している企業を対象とした制度です。
実質的な費用負担を抑えながら、採用から定着までの体制構築を障害者雇用推進のパートナーとして、プロの伴走とともに進めることができます。
● 支給条件
本助成金を受給するためには、大きく分けて以下の4つの条件を満たす必要があります。
① 法定雇用率が未達成であること
申請時点において、障害者雇用率が法定雇用率を下回っている事業主が対象です。
② 事前に計画書の認定を受けること
相談支援を受ける前に、管轄の高齢・障害・求職者雇用支援機構における都道府県支部に計画書を提出し、認定を受ける必要があります。この計画書は認定を受けた事業者(ゼネラルパートナーズなど)とともに作成します。
③ 一定の支援項目を実施すること
以下に掲げる、雇入れ前から採用後にわたる一連の全項目に関する支援(※)を受ける必要があります。
| イ:経営陣の理解促進
ロ:障害者雇用推進体制の構築 ハ:企業内での障害者雇用の理解促進 ニ:当該企業内における職務の創出・選定 ホ:採用・雇用方針の決定 ヘ:求人の申込みに向けた準備や採用活動の準備 ト:企業内の支援体制等の環境整備 チ:採用後の雇用管理や職場定着等 |
※イ〜ハのうち、既に企業にノウハウがある項目は支援を省略可能ですが、全ての項目の支援を省略することはできません。
※出典:厚生労働省・独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「障害者雇用相談援助助成金のご案内」
④ 当該相談援助事業により、ハローワークへの求人の申込みにつながっていること
※民間の職業紹介事業者にも求人を申し込むことは可能ですが、その場合でも公共職業安定所(ハローワーク)への求人の申込みは必須です。
● 支給金額
受給できる金額は、「基本的な支援(基本措置)」への助成と、実際の「雇入れ(上乗せ)」の2段階に分かれています。
① 基本措置(体制整備)への支給
支援期間終了後、計画した措置が適切に実施された場合に支給されます。
・中小企業事業主:80万円
・中小企業以外の事業主:60万円
※一の利用事業主につき、1回限りの支給となります。
※基本措置分は、相談支援を実施した事業者に支払われる費用を補填・補助する趣旨の助成金です。
② 雇入れ・継続雇用による上乗せ
支援期間中、または支援終了後3ヶ月以内に、新たに対象障害者を雇い入れ、6ヶ月以上継続して雇用した場合に加算されます。
・中小企業事業主:1人につき 10万円
・中小企業以外の事業主:1人につき 7.5万円
※最大4名分まで加算可能です(最大40万円の上乗せ)。
【助成額のポイント】
中小企業がこの助成金を活用して支援を受け、1名を雇用した場合は最大90万円分、4名を雇用した場合は最大120万円分の助成対象となります。
個人事業主も障害者雇用助成金の対象になる?
障害者雇用に関する助成金は、個人事業主も対象となります。これは、助成金の制度が、株式会社や合同会社といった法人に限定されていないためです。
助成金は、一定の要件を満たす従業員を雇用する「事業主」を対象としており、事業を営む者として、個人事業主もこの「事業主」に含まれるため、障害者を雇用する際に助成金を申請することが可能です。
助成金の種類ごとに要件は異なりますが、個人事業主がハローワークなどの紹介で障害者を雇用し、雇用保険の適用事業主であることや継続雇用が確実であることなどの要件を満たせば、各種助成金を活用できます。
利用できる助成金
| ● キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース) ● トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース) ● 障害者能力開発助成金(旧:人材開発支援助成金 障害者職業能力開発コース) ● 障害者作業施設設置等助成金 ● 障害者介助等助成金 |
ただし、各助成金にはそれぞれ定められた要件があるため、具体的な助成金の種類や詳細な要件については、管轄のハローワークや高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)などに相談することをおすすめします。
助成金以外で企業が受け取れる支援金・調整金
障害者雇用を進める企業が受け取れる給付制度には、用途が定められた「助成金」だけでなく、法定雇用率の達成状況等に応じて支給される「調整金」や「報奨金」などの支援制度があります。これらは主に、未達成の企業から徴収された「障害者雇用納付金」を財源として運用されています。
企業規模や雇用の形態に応じた主な支給金は以下の通りです。
障害者雇用調整金
常用労働者数100人を超える企業が対象です。法定雇用率を超えて障害者を雇用している場合、超えた人数に応じて支給されます。
報奨金
常用労働者数100人以下の企業が対象です。一定数以上の障害者を雇用している場合、その実績に応じて支給されます。
特例給付金(超短時間労働等に関する給付)
週10時間以上20時間未満で働く重度障害者などを雇用している場合に、雇用人数や一定の条件を満たすことで支給されます。
在宅就業障害者特例調整金・報奨金
雇用関係を結ばず、自宅などで働く障害者や支援団体へ直接業務を発注(発注金額等の条件あり)した企業に対して支給されます。企業規模により調整金(100人超)と報奨金(100人以下)に分かれます。
助成金とは異なり、日頃の雇用実績や業務発注そのものが評価されて受給できるため、自社の雇用状況に合わせて申請を検討することが重要です。
障害者雇用の助成金を申請する5つのステップ

「助成金の申請って具体的にどんな流れで進むの?」「いつまでに何をすればいいの?」という疑問は、初めて助成金を活用する企業の多くが抱えるものです。
障害者雇用で活用できる助成金は10種類以上あり、申請先や要件も多岐にわたります。雇用前の計画段階から雇用後の支給申請まで、おおむね5つのステップで進行しますが、不備による不支給や申請遅れを防ぎ、確実に助成金を受給するためには、各ステップで必要な書類・提出先・タイミングを正しく把握して準備を進めることが最大のポイントです。
ここでは、申請から受給までの基本的な流れを5つのステップで詳しく解説します。
STEP1 活用できる助成金を特定する
最初のステップは自社に適した助成金の特定です。多様な制度の中から対象者や受給要件を比較し、適切な選択をしないと後の手続きが無駄になってしまいます。
助成金特定のための確認項目
| ● 障害種別:身体・知的・精神・発達・難病など
● 労働時間:週10時間以上20時間未満 / 20時間以上30時間未満 / 30時間以上 ● 雇用形態:正社員・無期雇用・有期契約社員・トライアル雇用 ● 事業規模:中小企業または大企業 ● 環境整備:設備投資や職場環境整備、指導員の配置などの予定の有無 |
複数の助成金を組み合わせるケース
一人の障害者雇用に対して制度を組み合わせることで、受給額や支援の手厚さを高められます。
代表的な例として、「トライアル雇用助成金」 → 「特定求職者雇用開発助成金(特雇金)」 → 「キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)」 の段階的な活用があります。試行雇用で適性を見極め、本採用で継続雇用支援を受け、最終的に正社員化を果たすことで、費用負担を抑えつつ定着を促進できます。
ただし、同一人物に対して同一期間に重複して受給できない組み合わせや、移行時に支給額が調整されるケースがあるため注意が必要です。
判断に迷う場合は、ハローワークや専門の支援機関(JEED等)に相談し、最適な組み合わせの提案を受けるのが確実です。
STEP2 申請窓口に相談する
助成金の種類ごとに相談窓口が異なるため確認が必要です。
活用する助成金が決まったら、対象の申請窓口で事前相談を行います。助成金によってハローワーク、都道府県労働局、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)に窓口が分かれているため、自社が満たすべき要件や必要書類、スケジュールをあらかじめ確認しておきます。
助成金別の申請窓口

事前相談で確認すべき項目
|
● 自社および雇用予定者が受給要件を満たしているか
● 提出が必要な書類の様式や具体的な記載方法
● 計画書や支給申請書の提出タイミングと締切日
● 記載不備や添付漏れがあった場合のリカバリー方法
● 過去の不支給事例と予防対策
|
丁寧な事前相談を行っておくことで、書類不備による受付拒否や不支給のリスクを大幅に減らせます。
STEP3 計画書・認定申請書を提出する
雇用や設備整備を実施する前に、計画書や認定申請書を提出する必要があります。多くの助成金では「実施後の後出し申請」が認められていないため、非常に重要な工程です。
主な事前提出書類とタイミング

よくある申請ミスとして、工事着工後の認定申請書提出による対象外や、正社員化当日のキャリアアップ計画書提出による不支給などが挙げられます。特定求職者雇用開発助成金などを除き、多くの助成金では事前手続きが必須となるため、申請遅れを防ぐためにも念入りなスケジュール管理が欠かせません。
STEP4 雇用・措置の実施と記録保管
計画書等の承認・提出完了後、計画に沿って雇用や環境整備を実施します。受給審査では客観的な証拠書類の提出が求められるため、日頃からの記録管理が欠かせません。
雇用・措置中に保管すべき書類
| ● 雇用契約書・労働条件通知書
● 出勤簿・タイムカード ● 賃金台帳・給与明細 ● 労働者名簿・業務日報 ● 支援記録簿(ジョブコーチや介助者の支援を実施した場合) ● 領収書・施工前後写真(施設整備を実施した場合) |
記録保管のポイント
| ● 書類やデータは雇用開始(または措置実施)から最低5年間保管する
● デジタルデータと紙媒体の双方でバックアップを保存する ● 後からの改ざんや不自然な修正を行わない |
特に支援記録は、「誰に対して、いつ、どのような支援を行ったか」を時系列で残しておくことが求められます。
STEP5 支給申請書の提出と受給
実施対象期間が満了したら、支給申請書と実績書類を提出します。申請期限を一日でも過ぎると受給権が消滅するため、厳格な期日管理が必要です。

支給決定までの流れと入金時期
|
● 審査期間:申請完了から約2ヶ月~4ヶ月
● 支給方法:指定された企業口座への直接振込(一括または半年ごとの分割)
|
助成金は「実績に対する後払い」が原則であるため、雇用開始から口座入金までに半年〜1年以上かかります。資金繰りには余裕を持った計画を立てましょう。
なお、電子申請システム(GビズID等)を活用すれば、郵送の手間を削減でき、申請期限直前の提出にも柔軟に対応できます。デジタルツールの活用も並行して検討することをおすすめします。
障害者雇用の助成金制度の注意点
障害者の特性に応じた環境整備が必要
働きやすさは事業の利益につながるものです。特に障害者の新規、継続的雇用においては非常に重要といえるでしょう。
障害者に対する環境面での配慮は身体、知的、精神、発達など障害の種別によって変わってきます。同じ種別の障害、同じ障害名、疾患名でも障害の症状や困りごとが違う可能性があることもあります。
環境整備は必ずしも施設や設備のハード面に大きく費用をかけるものとは限りません。ちょっとした声かけの意識や、相談体制を整えるだけで済むケースもあり、ひとりひとりの障害者にあった環境整備を心掛けることが大切です。
実雇用率のカウントの方法に注意
障害者雇用促進法の実雇用率のカウント方法については注意が必要です。カウント方法は労働時間や障害の程度などによって変わってきます。
● いずれの障害についても、週所定労働時間が30時間以上での雇用の場合は1(重度身体障害・知的障害は2)、20時間以上30時間未満の場合は0.5(重度身体障害・重度知的障害は1)とカウントします。
また、以下の特例措置にも注意が必要です。
● 新規雇入れから3年以内、または精神障害者保健福祉手帳取得から3年以内の精神障害者について、週20時間以上30時間未満で雇用する場合は1とカウントする特例があります。
● 2024年4月1日より、週10時間以上20時間未満で働く精神障害者、重度身体障害者、重度知的障害者についても0.5人でカウントする制度が運用されています。

2024年~2026年に実施された助成金の廃止・名称変更(移管)一覧
近年の障害者雇用関連助成金は、制度の再編や機能の明確化に伴い、「廃止」「名称変更」「管轄の移管」が行われました。過去の情報のまま申請手続きを進めると、不支給や申請先の誤りにつながるため注意が必要です。主な変更点は以下の通りです。

古い情報を参考にせず、実施前には最新の要件や管轄窓口(労働局またはJEED)を必ず確認して申請計画を立てることが重要です。
助成金目的の採用が招くミスマッチ・早期離職のリスク
障害者雇用において「受給条件の達成」や「金銭的メリット」のみを目的に採用を進めると、職場環境と求職者のミスマッチを引き起こし、早期離職へつながる重大なリスクが生じます。
助成金目的の採用が招く3つのリスク
● 業務内容・環境の不一致
受給金額や雇用人数の要件を満たすことを優先するあまり、本人のスキルや障害特性に応じた業務設計がおろそかになりがちです。配慮不足や業務過多・過少が発生し、現場で安定して働き続けることが困難になります。
● サポート体制の不備
助成金の受給申請手続きに意識が偏ると、雇用後の定期面談や職場定着支援などのフォローアップが形骸化し、受入れ部署や本人の不満が解消されないまま離職に至ります。
● 採用・育成コストの無駄遣い
早期離職が発生した場合、支給された助成金以上の採用・教育コストが失われるだけでなく、助成金の返還を求められるケースや、一定期間の受給資格停止などの不利益を被るリスクもあります。
助成金活用を成功させる3つのポイント
● 業務の明確化
採用前にスキルや障害特性に合った具体的な業務設計を行い、ミスマッチを防ぐ。
● 社内研修の実施
受け入れ部署へ障害理解や配慮方法を共有し、安心できる職場環境を作る。
● 定期フォロー
1on1や面談の体制を整え、課題の早期発見と定着支援につなげる。
助成金はあくまで職場環境整備や定着支援のための補助手段です。目的と手段を履き違えず、長期的な戦力化と適切な雇用環境の構築を目指した採用計画を策定することが不可欠です。
「障害者雇用の基礎知識」資料が無料ダウンロードできます
障害者雇用については、「障害者雇用促進法」という法律で義務付けられていますが、障害者雇用促進法には、他にも障害者差別の禁止や合理的配慮の提供の義務などが定められています。
障害者雇用にまつわるメリット・デメリットをはじめ、最低限知っておきたい基礎知識をご紹介します。
この資料でわかること
・障害者雇用とは?
・障害者を雇用するメリット
・障害者を雇用しないデメリット
・障害者雇用が進まない企業が抱える課題
・課題を解消するポイント
・押さえておくべき障害者雇用の法律・制度
▼サンプル
助成金だけではない!障害者を雇用する企業側の「本質的なメリット」
障害者雇用は単なる助成金の受給や義務の履行にとどまらず、企業経営や組織の成長において次のような本質的なメリットをもたらします。
業務の効率化・生産性向上
切り出し業務の整理や手順の標準化を進めることで、マニュアル化や業務プロセスの見直しが進み、組織全体の業務効率が向上します。
人材定着率の改善と採用コスト削減
定着率が高く長期就労が期待できるため、新規の採用コストや教育コストを大幅に抑制できます。
組織風土の改革と離職防止
多様な人材を受け入れ配慮し合う文化が根付くことで、社内コミュニケーションが活性化し、既存社員の職場環境改善や離職防止にもつながります。
企業価値(ESG・SDGs)の向上
ダイバーシティ推進や社会的責任(CSR)への真摯な取り組みが評価され、取引先や求職者からの信頼獲得に寄与します。
障害者雇用の助成金・採用に関するよくある質問
Q. 障害者を新たに雇用した際、助成金は最大いくら受給できますか?
A. 条件や対象者によりますが、特定求職者雇用開発助成金などを活用した場合、1人あたり最大240万円受給できます。
Q. 助成金の支給対象となる「障害者」の範囲・条件を教えてください。
A. 身体・知的・精神障害者に加え、発達障害や難病(指定難病等)のある方も対象となります。
Q. 助成金の支給期間はどのくらいですか?
A. 対象者の障害種別や就労時間(短時間など)により異なりますが、一般的に1年〜最長3年間支給されます。
Q. パートやアルバイト等の短時間労働者でも助成金の対象になりますか?
A. はい。週の所定労働時間が20時間以上であれば対象となります。また、障害者短期トライアルコースなどを活用する場合は、週10時間以上20時間未満の超短時間雇用からスタートする場合でも対象となります。
Q. ハローワーク以外の「民間人材紹介会社」経由でも受給できますか?
A. はい。atGPなど、厚生労働大臣の許可(または届出)を受けた職業紹介事業者(民間人材紹介会社等)を経由した雇用であれば受給対象となります。
障害者雇用助成金を正しく理解して障害者雇用を推進
障害者雇用助成金は、雇入れ時をはじめ、施設整備や雇用管理の措置、能力開発、職場定着支援など、目的に応じて多様な制度が用意されています。
法定雇用率の達成に向けて、これらの助成金の要件を正しく理解し、自社に合わせて賢く活用していくことが大切です。
障害者雇用を「制度上の義務」と捉えることもできますが、日本は少子高齢化に伴い労働人口の減少が進んでおり、企業における労働力の確保は今後ますます大きな課題となります。一方で、就労を希望する障害者の方々の社会参加ニーズも高まっています。
助成金を有効に活用しながら障害者雇用を推進し、共生社会の実現とともに、企業と求職者の双方がメリットを得られる「ウィン・ウィン」の関係を築いていきましょう。
OUR PHILOSOPHY
「誰もが自分らしくワクワクする人生」を目指して。
私たちゼネラルパートナーズは、2003年の創業から20年以上にわたり、2,000社を超える企業様と向き合い、1万件以上の障害者雇用を支援してきました。
障害を「よく知らない」ことから生まれる差別や偏見の壁を壊していくことで、活躍の機会が生まれ、人材不足の解消やDE&Iの浸透にもつながると信じています。
人材紹介・求人サイト・スカウト・面接会・総合コンサルティングなど、幅広いサービスの提供を通して、新たな価値や機会を創造することに挑戦し続けます。
株式会社ゼネラルパートナーズ











