障害者雇用状況報告書とは?書き方や提出先、期限を解説
更新日:2026年10月27日

障害者雇用状況報告書は、常時雇用労働者37.5人以上の企業に提出が義務づけられた書類です。2026年7月から法定雇用率は2.7%に引き上げられており、未提出や虚偽報告には30万円以下の罰金が科されることもあります。本記事では、障害者雇用状況報告書の書き方や提出先、提出期限について分かりやすく解説します。
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目次
障害者雇用状況報告書とは
一定数(常時雇用労働者37.5人)以上の従業員を雇用する企業は、「障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)」の第43条第7項によって、毎年障害者の雇用状況を報告することが義務づけられています。
報告は障害者の雇用状況および法定雇用率の達成状況を把握して、今後の障害者雇用の施策検討に役立てるとともに、必要に応じて各企業に対しハローワークが助言・指導・調査などを行うための情報として使用されます。
この報告をする書類が「障害者雇用状況報告書」で、毎年6月1日現在の状況を管轄の公共職業安定所(ハローワーク)に提出しなければなりません。毎年6月1日時点の状況を報告することから「ロクイチ報告」や「6/1報告」ともいわれています。
障害者雇用状況報告書の提出対象企業

民間企業の法定雇用率は、2026年7月1日より2.7%となっています。これにより、常用労働者を37.5人以上雇用している企業は、障害者を1人以上雇用しなければなりません。
「障害者雇用状況報告書」の提出義務がある企業は、常用労働者を37.5人以上雇用している企業です。報告書は、雇用している障害者が0人の場合でも、必ず提出しなければなりません。
「常用労働者」とは、契約社員やアルバイトなど雇用契約の形式を問わず、1週間の所定労働時間が20時間以上で、1年を超えて雇用される者(見込みを含む)をいいます。週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者は、0.5人として計算します。
報告の対象となる障害者は、身体障害者、重度身体障害者、知的障害者、重度知的障害者、精神障害者で、下記の表の通り雇用障害者数としてカウントされます。
「障害者雇用状況報告書」の提出を怠ったり、虚偽の報告をした場合には、障害者雇用促進法第86条第1号の規定により30万円以下の罰金が科せられます。
障害者雇用状況報告書の提出方法・期限

提出期限
「障害者雇用状況報告書」は、7月15日までに提出します。
提出対象の企業には5月下旬~6月初旬頃に書類一式が郵送されるため、届き次第準備を開始しましょう。
提出先
本社の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)へ提出します。
支社や支店等の分は、指定や指示がない限り本社が一括で取りまとめて報告します。
提出方法(電子申請・郵送・持参)
提出方法は、電子申請・郵送・持参の3つから選べます。
● 電子申請の場合
e-Govからダウンロードした専用のExcel様式を使用します(PDF形式での提出は不可)。
● 紙(郵送・持参)の場合
厚生労働省のホームページ等で取得できるPDF・Excel様式、または郵送されてくる用紙を使用します。
電子申請と紙提出では報告様式が異なるため、作成前に必ず「障害者雇用状況報告書の提出義務と提出方法等について」を確認してください。
障害者雇用状況報告書の記入方法
「障害者雇用状況報告書」に記入する内容は、大きく分けて以下の6つの項目です。記入する際の注意事項も説明します。
A. 事業主情報
事業主の法人名称・代表者氏名・住所・電話番号・事業の種類・事業所の数・法人番号
● 事業主の法人名称
紙で提出する場合に、法人名称および代表者氏名にスタンプやゴム印を使用する時には、2枚目以降にも忘れずに押印してください。社印や代表取締役印などは押印不要です。
● 法人番号
13桁の法人番号を記入します。法人番号は国税庁法人番号公表サイトで確認できます。
※国税庁法人番号公表サイト:https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
B. 雇用の状況
常用雇用労働者の数・常用雇用身体障害者、知的障害者および精神障害者の数・実雇用率・身体障害者、知的障害者または精神障害者の不足数
● 常用雇用労働者の数
※「常用雇用労働者」とは、1年を超えて雇用されている、または1年を超えて雇用される見込みのある労働者を指します。
(イ)常用雇用労働者の数(短時間労働者を除く)
1週間の所定労働時間が30時間以上の人数
(ロ)短時間労働者の数
1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の人数
(ハ)常用雇用労働者の数
イ欄で記入した数と、ロ欄で記入した数を0.5倍した数を合算した数を記入する(四捨五入などはせず、小数点以下第1位までそのまま記入)
(ニ)法定雇用障害者の算定の基礎となる労働者の数
各支店、営業所等ごとに「法定雇用障害者の算定の基礎となる労働者の数」を算出し、得られた数を加算し記入(小数点以下第1位まで)
● 労働者数のカウントルール
障害者雇用状況報告書における雇用障害者数の算定では、障害の種類や程度、週所定労働時間に応じてカウント方法が異なります。
【週30時間以上】
・身体障害者(重度以外):1人
・重度身体障害者:2人(ダブルカウント)
・知的障害者(重度以外):1人
・重度知的障害者:2人(ダブルカウント)
・精神障害者:1人
【週20時間以上30時間未満(短時間労働者)】
・身体障害者(重度以外):0.5人
・重度身体障害者:1人
・知的障害者(重度以外):0.5人
・重度知的障害者:1人
・精神障害者:1人(※週所定労働時間20時間以上30時間未満の精神障害者は、当分の間の特例措置により「1人」としてカウント)
【週10時間以上20時間未満(特定短時間労働者)】
原則として法定雇用率の算定対象外ですが、2024年4月1日の法改正により、以下の対象者に限り「0.5人」として算定可能です。
・重度身体障害者:0.5人
・重度知的障害者:0.5人
・精神障害者:0.5人
● 実雇用率の計算方法
企業における障害者雇用の現状(達成状況)を算出したものが「実雇用率」です。
実雇用率は、報告書内の「法定雇用障害者の算定の基礎となる労働者の数」を分母とし、「実雇用率の計算基礎となる障害者数(計)」を分子として計算します。
【計算式】
実雇用率(%)= 実雇用率の計算基礎となる障害者数(分子) ÷ 法定雇用障害者の算定の基礎となる労働者の数(分母) × 100
※算出された数値は、小数点第2位まで(小数点第3位以下は切り捨て)記入します。この実雇用率が、自社に適用される法定雇用率を上回っているかを確認します。
● 除外率の確認
除外率とは、障害者の就業が一般的に困難とされる業種に対して設定された軽減制度です。事業所ごとに主たる事業が除外率設定業種に該当するかを確認します。
※法改正により、2025年4月1日から除外率が一律10ポイント引き下げられました。これに伴い、もともと除外率が10%以下だった業種(非鉄金属製造業や医療業など)は、除外率制度の対象外(0%)となっていますのでご留意ください
除外率設定業種に該当する場合、算定の基礎となる労働者数を計算する際に常用雇用労働者数(ハ)から「除外率に相当する労働者数(端数切り捨て)」を控除して(ニ)を算出します。除外率がない事業所の場合は、(ハ)の人数をそのまま記入します。
C. 事業所別の内訳
適用事業所番号・事業所の名称・事業所の区分・事業所の所在地・事業の内容・除外率
● 事業所の区分
特例子会社に含まれる事業所に該当する場合は「1」、指定就労継続支援A型に該当する場合は「2」、それ以外の場合は「3」を記入
● 事業の内容
各事業所の主たる事業の種類が除外率設定業種に該当する場合のみ事業の内容を記入するとともに率を記入
● 除外率
各事業所の主たる事業が除外率設定業種に該当する場合、定められた除外率(%)を記入(非該当の場合は空欄または「0」)
D. 障害者の雇用の促進等に関する法律別表に掲げる種類別の身体障害者数
視覚障害者(第1号に該当する者)・聴覚または平衡機能障害者(第2号に該当する者)・音声機能、言語機能またはそしゃく機能障害者(第3号に該当する者)・肢体不自由者(第4号に該当する者)・内部障害者(第5号に該当する者)
※D欄には、短時間労働者や重度ダブルカウント等の算定係数は適用せず、実際に雇用している身体障害者の実人数を記入します(重複障害がある場合は、最も程度の重い主要な障害区分に計上)。
● 重度身体障害者
身体障害者手帳の等級が原則1級または2級の方(※肢体不自由の一部で3級の重複等を含む)
● 重度身体障害者以外の身体障害者
原則として身体障害者手帳の等級が3級から6級の方
● 重度知的障害者
児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、障害者職業センター等により「重度」と判定された方(療育手帳の区分が「A」等の方)
● 重度知的障害者以外の知的障害者
児童相談所、障害者職業センター等により知的障害者と判定された方のうち、知的障害の程度が重いと判定された方以外の方
● 精神障害者
精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方(手帳の等級は1級〜3級を問いません)
E. 障害者雇用推進者
役職名・氏名
F. 記入担当者
所属部課名・氏名
障害者雇用状況報告書を提出しない場合・基準未達成の場合のペナルティ
未提出・虚偽報告の場合の罰則
障害者雇用状況報告書は、法律に基づく提出義務がある書類です。報告の提出を怠ったり、虚偽の報告を行ったりした場合には、障害者雇用促進法第86条第1号の規定により、30万円以下の罰金が科せられます。
高年齢者雇用状況報告書には直接の罰則規定がありませんが、障害者雇用状況報告書には罰金刑が明記されています。また、雇用義務を果たしていない企業には行政指導も行われるため、対象企業は障害者雇用の有無にかかわらず期日までの確実な提出が必須です。
法定雇用率未達成の場合のペナルティ
民間企業の法定雇用率は2026年7月1日より2.7%へ引き上げられ、対象規模も「常用労働者37.5人以上」へ拡大しました。自社の対象人数や基準の把握不足から意図せず未達成となるケースも見られます。障害者雇用状況報告書で法定雇用率を満たしていない場合、以下のような行政指導や金銭的負担、社会的信用の失墜につながるペナルティが科されます。
● 雇入れ計画作成命令の発出
法定雇用率が未達成で一定の基準を下回る企業に対しては、ハローワーク(公共職業安定所)から「障害者雇入れ計画作成命令」が出されます。企業は今後2年間で雇用率を達成するための具体的な計画書を作成・提出しなければなりません。提出後も計画の進捗状況について定期的なチェックと指導が行われます。
<障害者雇入れ計画作成命令の発出基準例>
・実雇用率が全国平均実雇用率未満であり、かつ不足数が5人以上の場合
・実雇用率にかかわらず、不足数が10人以上の場合
・法定雇用障害者数が3〜4人の企業で、雇用障害者数が0人の場合
● 雇入れ計画の適正実施勧告・特別指導・企業名公表
作成した雇入れ計画の達成状況が悪く、適切な改善が見られない場合は「適正実施勧告」や厚生労働省・労働局による「特別指導」が実施されます。度重なる指導を経てもなお改善が図られない場合、厚生労働省によって企業名が公表されます。企業名公表は企業の社会的信用低下や採用活動・取引関係への重大な悪影響をもたらすリスクがあります。
● 障害者雇用納付金の徴収
法定雇用率が未達成の企業(常用労働者100人超の事業主)には、社会全体での雇用義務の連帯を目的として「障害者雇用納付金」の納付義務が発生します。
徴収額: 法定雇用人数の不足1名につき 月額5万円(年間60万円)
納付金を納めたとしても雇用義務そのものが免除されるわけではありません。不足数が多いほど高額な費用負担が続くうえ、行政指導の対象にもなるため、早期に雇用体制を整えて計画的な採用を進めることが不可欠です。
atGPについて
まとめ
常用労働者数が37.5人以上の企業は、毎年6月1日時点の障害者雇用の状況を「障害者雇用状況報告書」に記入して報告することが「障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)」によって義務づけられています(※2.7%基準による報告は2027年6月1日時点の報告から適用)。
報告書は7月15日までに所轄のハローワークへ提出しなければなりません。提出を怠ったり、虚偽の報告をした場合には30万円以下の罰金が科せられるため、対象となる企業は確実に手続きを行いましょう。
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