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てんかんの人の症状や日常生活での注意点について

更新日:2023年04月19日

てんかんという病名を聞いたことがないという人はあまりいないでしょう。てんかんの人は日常生活を送るにあたって、さまざまな点に注意しなければなりません。例えば運転中にてんかんの発作が起こってしまうと、重大な事故につながってしまうことも考えられるからです。では、てんかんとはどのような病気で、発作が起こらないようにするためにはどのような工夫が必要で、もし発作が起こってしまった場合にはどのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、てんかんという病気の解説とともにてんかんの人に困りごとが生じた場合に相談できる機関を紹介していきます。
 

てんかんとは

数百億あると言われている脳の神経細胞(ニューロン)は、基本的に電気的な活動を行って情報伝達を行っています。

そのため、強い電気刺激によって過剰な電気活動を起こしてしまうことがあります。

てんかんとは、この脳の神経細胞が外部からの刺激なしに自発的に起こる症状のことをいい、さまざまな発作の症状を起こします。

てんかんは、このてんかんの発作を繰り返し起こすことを特徴とする脳の病気であると定義されています。

てんかんは、生まれた時の低酸素脳症、脳の先天性形成異常などの先天的なもの以外にも、頭部外傷、脳卒中、脳腫瘍、アルツハイマー病、脳炎などがあり、これらの原因が明らかなものを「症候性てんかん」と呼び、てんかんになりやすい体質を持つことにより発症するてんかんを「特発性てんかん」と呼びます。

乳幼児から成人、高齢者など年齢を問わず発症する可能性があり、特に小児や高齢者の発症が多いと言われています。

てんかんの症状の重さはケースバイケースで、小児期に数年に一度程度発作を起こしていても成人になれば完治してしまう良性のてんかんがある一方、頻繁に発作を繰り返しさまざまな脳機能障害が進行する難治の症候性てんかんもあります。

しかし、全体の六割から七割のてんかん患者は抗てんかん薬の服用で発作が止まるため、多くのてんかんの人は通常の社会生活を支障なくおくることができます。

薬で発作を抑制できない場合であっても、外科手術で発作が完治したり軽くなったりすることもあります。

てんかん発作のよくある症状

てんかんの発作は、運動障害、視覚・聴覚の障害、自律神経の三つに分けられます。

運動機能の障害は、手足や顔がつっぱる、体全体が片方に引かれる、回転するなどのものがあります。

視覚・聴覚の障害は、チカチカと輝く点や光が見える、音が響いたり聞こえにくくなったりする、幻聴が聞こえるなどがあります。

自律神経の異常には、頭痛、吐き気、めまいなどがあります。

このように症状の出かたが異なるのは、脳の神経細胞が過剰な活動をする部分が異なるためです。

てんかん発作のきっかけとなる要因

てんかんの発作のきっかけとなる要因には、以下のようなものがあります。

 

体温の上昇

暑さで体温が上昇すると、てんかんの発作が起こりやすくなることがあります。

日傘などで直射日光を避ける工夫をしたり、保冷剤で身体を冷やしたりして体温が上がらないようにしましょう。

 

睡眠不足や睡眠リズムの乱れ

てんかんの発作を防ぐためには、生活リズムを整えることが重要です。

睡眠不足を避けるために、携帯電話やスマートフォンを寝室に持ち込まないなどの工夫をして、睡眠環境を整えましょう。

 

ストレス

ストレスの蓄積により、発作が起こることもあります。

そのため、自身のストレスを軽くする方法を知っておくことも大切です。

ストレスを軽減しながら心地よい生活を送ることで、てんかんの発作のきっかけを減らしていきましょう。

 

光の点滅や縞模様

強い光や光の点滅が、てんかんの発作のきっかけになることがあります。

サングラスを着用するなどの方法で、光を避けるようにしましょう。

また、木漏れ日やブラインドなどの縞模様でも発作が起こることがあるため、そのような縞模様から目をそらすことで発作を避けることができる可能性があります。

 

計算や読書

計算や読書などの特定の刺激や行為がしばらく続いた後に、発作が起こることがあります。

計算や読書などは、長時間行うのを避けて適切に休息をとることが大切です。

 

月経

月経にあわせて、てんかんの発作が起こりやすくなることもあります。

そのような場合には、迷わず医師に相談しましょう。

月経の周期にあわせて薬の変更を行ったり、治療を追加したりすることもあります。

 

てんかんがある方が日常生活で気を付けるべきこと

てんかんがある方が日常生活で気を付けるべきことには、以下のようなものがあります。

 

生活リズムを整える

てんかんの方の多くは、睡眠不足により発作を起こしやすくなります。

成人の場合は6〜8時間、子どもの場合は8〜10時間程度は睡眠をとるようにしましょう。

仕事や、その他のやむを得ない事情で十分な睡眠をとることができなかった場合には、翌日に十分な睡眠を取り、睡眠不足が継続しないよう心がけてください。

発作が十分に抑制されていない場合は、夜勤のない仕事に就くことをおすすめします。

昼間に活発に活動し、夜はぐっすりと眠るという生活を送るのが理想です。

 

長時間の作業をする場合は適度な休憩を取る

長い時間同じ作業を集中して行うと、発作が起こる可能性が高くなります。

長時間作業を行う必要がある場合には、適切に休憩時間を設けましょう。

 

服薬を忘れないようにする

てんかんを治療していく上で、適切な服薬を行い発作を抑制することは一番重要なことです。

抗てんかん薬は鎮痛剤や風邪薬のように一時的に使用する薬とは異なり、毎日決められた量をきちんと飲むことによって効果を保つことができます。

もし飲み忘れた場合には、飲み忘れに気付いた時点で一回分を飲み、次に薬を飲む時間が近い場合には1〜数時間遅らせて飲むようにしましょう。

飲み忘れた分をとばしてしまうと、発作が起こりやすくなってしまいます。

 

バランスの良い食生活を心がける

食事については、食事療法を行っている場合を除けば特に制限はありません。

ただし、アルコールは発作を起こしやすくなるので飲まないほうが良いでしょう。

そして、バランスの良い食生活を心がけましょう。

 

入浴中の発作に注意する

てんかんの中でも特に小児てんかんに関係した死因で最も多いのが「溺死」で、さらにその中でも入浴中の事故が一番多いという報告があります。

入浴中に発作が起こると浴槽の中で溺れる危険性があるため、湯量を少なくし転倒しても怪我をしないようにマットを敷いておくなどの工夫をしておきましょう。

 

外出時にも注意が必要

旅行やレジャーなどでの外出は、気分転換になるため積極的に出かけることをおすすめします。

しかし、無理のないスケジュールで、一人での旅行は避け、いつもと同じように服薬を行うことを忘れないようにしましょう。

てんかん発作が起きた時の対処法とは

てんかんが起こった際には、どのように対処すればよいのでしょうか。

てんかんの人が発作を起こしたときに、周囲の人が落ち着いて行動することが最も大切です。

驚いて名前を呼んだり、強く揺さぶったりしてはいけません。

道路や階段など危険な場所に倒れた場合には安全な場所に移動させ、呼吸がしやすいように服のボタンを緩め、嘔吐した場合に備えて横を向かせることが大切です。

そして発作が起こった時刻、てんかん中の様子、発作が治まるまでの時間を確認しましょう。

発作が治まった後に眠っている場合には、無理に起こさずにそのまま休ませます。

てんかんの人は、発作が始まったときの状況と発作が始まった時刻、時刻と治まった時刻、発作中の様子、発作への対応、最近の状況について必ず記録しておくようにしましょう。

てんかんのある方を支える社会制度

てんかんを持つ方を支える社会制度には、以下のようなものがあります。

 

【生活・医療に関する支援】

 

自立支援医療制度

通常の医療費は原則として3割負担ですが、自立支援医療制度を利用すると原則1割負担となります。

自立支援医療制度の対象となるのは、継続した治療が必要な疾患なのでてんかんも対象となります。

 

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、一定の精神障害の状態にあることを認定する物です。

精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳の交付を受けた方は公共料金等の割引を受けることができます。

 

障害年金

障害年金は、病気やけがなどで生活や仕事が制限されるようになった場合に、現役世代も含めて受け取ることができる年金です。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があり、病気や怪我で初めて医師の診療を受けた時に加入していた年金の種類によって、受け取ることができる障害年金の種類が異なります。

 

【仕事に関する相談先】

 

障害者就労・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、障害者雇用促進法改正により創設されたしくみで、働きたいと思った障害がある方の、何から始めたらいいか、どのような支援を受けることができるのかといった課題を解決するための相談に乗ってくれる機関です。

 

障害者職業センター

障害者職業センターとは、障害者の雇用に関する事業主のニーズや雇用管理上の課題を分析し、専門的な助言や援助を実施する機関です。

障害者就業・生活支援センター、障害者雇用支援センターなどからの依頼に応じ、技術的・専門的な事項についての援助を実施します。

 

ハローワーク

ハローワークでは、個々の障害の状況や適正、希望職種に応じて職業相談、職業紹介、職場適応のためのアドバイスを行っています。

また、障害者に限定した求人以外にも一般の求人に応募することも可能です。

 

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、国からの補助を受けて障害のある方や難病を抱えている方の就職をサポートするサービスです。

就労するためのスキルや労働習慣を身に付けたり、働き続けるための自己管理を身に付けることができます。

 

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atGPとは、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する各種障害者就職および転職支援サービスの総合ブランドです。

20年以上障害者の就職や転職の支援を行ってきた日本の障害者雇用のパイオニアともいえる存在が、このatGPです。

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障害や難病を抱える人の将来のビジョンや金銭的な課題も含めて、ひとりひとり異なる不安や悩みに関して専属のエージェントが二人三脚で寄り添い、サポートを行ってくれます。

てんかんの人が生活や就労に関する困りごとを抱えている場合には、atGPに相談することを念頭に置いておくことをおすすめします。
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まとめ

ここまで、てんかんとは何かといったことや発作を起こさないための注意点、困りごとが起こった際に受けることができる支援や、相談できる機関について解説してきました。

てんかんは日常生活を送る際にさまざまな工夫を行い正しく服薬を続けることで、ほとんどの場合発作を防ぐことができます。

仕事や日常生活を支障なく過ごすために、自分がどのような時に発作を起こしやすいかということを把握しておき、また発作が起きた時の対処法を周囲の人に知っておいてもらうようにしましょう。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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