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障害者の自立とは何か?~自立を支える制度やサポートについて~

更新日:2022年12月26日

障害がある方にとって「自立」とはどういう響きがあるもので、またなにを持って「自立」しているというのでしょうか。そしてそれは可能なのか・・・障害があれば誰かの助けがなければ生活できない、でも自分でできるならそれに越したことはないとお考えの方も多いのではないでしょうか。そんな障害者の自立の問題に真っ向から挑んだのがエド・ロバーツでした。障害者の自立生活運動の礎となった人物です。それから約半世紀、障害者の自立は実現可能となったのでしょうか。今回は日本の障害者の自立を支える制度やサポートがどれぐらいあるのか、そしてどのような内容なのかをご紹介していきます。
 

障害者にとっての「自立」とは

「自立」という概念がいつごろからあったかは別として、障害を持つ人が障害のない人と同じように社会参加することを表す”障害者の自立”という考え方は、第二次世界大戦後の北欧から始まったノーマライゼーションの思想の普及と、重度の身体障害者であったエド・ロバーツがカルフォルニア大学バークレー校に入学したことに端を発した、障害者の自立生活運動という二つの出来事により促進されたと言えます。

 

「自立」自体の言葉の意味としては「他の援助を受けずに自分の力で身を立てること」ですが、福祉分野においては、人権意識の高まりやノーマライゼーションの思想の普及を背景として、「自己決定に基づいて主体的な生活を営むこと」「障害を持っていてもその能力を活用して社会活動に参加すること」の意味としても用いられています。

 

障害者の自立といっても、何にも頼らず、誰の支援も受けず生活することは困難です。しかし、ただ障害があるというだけで保護されるだけの存在ではなく、自分で選択し、自分で決定し、そして自分の行為に自分で責任を取るという行為の主体になることが自立とも考えられています。民主主義社会では、自立し、その主体性が尊重されることは基本的人権といってよいでしょう。

 

 参考:厚労省「自立の概念等について」

 2 自立の概念等について

障害者の自立生活

一般的に「自立」というのは、普段の日常動作を含めて、一人で社会生活ができることをイメージしますが、障害者の自立生活では、「自立=一人でできる」ではなく、福祉サービスの消費者として、援助を受けながら主体的に生きる権利が認められ、 “自ら決定”することを最大限尊重されることが自立生活につながるのです。

 

いち早く民主主義が封建制度に取って代わった欧米では、多くの戦禍により、児童、女性、高齢者、女性、障害者などのいわゆる社会的弱者の人権擁護が進み、”法の下の平等”が確立されていきました。国連でも様々な人権に関する条約が締結され、先進諸国では、これらの人々の人権は飛躍的に向上しました。

 

一方、日本はどうでしょうか。戦前戦後の日本では障害者は親元あるいは施設で過ごすしかなく、長らく、主体ではなく保護される存在でした。自ら何かを決めたりすることができなかったのが、ノーマライゼーションや自立生活運動の影響を受け、その人権的地位が少しずつ改善されていきました。日本での転換期は一つは「国連障害者年」、「国連障害者の10年」など1980年代の動き、そしてもう一つは2006年に国連で採択された「障害者権利条約」で、これらの前後に日本の障害者観や制度は大きく変化しており、現在は地域で介助を受けながら自立生活を送ることが出来るようになっています。

 

ヘルパー不足や、障害者への知識や理解不足などまだ社会的な課題はあるものの、障害者の雇用促進や支援活動などは少しずつ進んでいる状況です。

「3大自立」を支える制度やサポート

【身体的自立(生活の自立)】

障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは障害者雇用促進法に基づいて、障害者の身近にある相談窓口、支援機関として全国に300カ所以上設置されています。対象者は18歳以上の精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、身体障害者手帳のいずれかを取得していて、一般就労を希望する、もしくは一般就労している障害者の方やその家族、支援者、または障害者を雇用している事業所などで、障害者の就業や生活面に関して広く相談に応じ、その就労を支援します。

 

地域活動支援センター

地域活動支援センターは、名称上は障害者就業・生活支援センターと似ていますが、実際には障害者総合支援法上の地域生活支援事業(市町村事業部分)における具体的な障害福祉サービスをおこなう事業所です。同法では、地域生活支援センターの基礎的事業として、創作的活動、生産活動、社会との交流の促進等の事業を挙げています。

 

具体的には創作活動、パソコン教室、ボランティアなどをはじめとした各種プログラムを通して地域の方達や他者との交流を図るための活動を提供し、日常生活に関する相談も可能です。

 

自立生活援助サービス

自立生活援助サービスは障害者総合福祉法上の訓練給付のサービスの一つです。このサービスでは、一人暮らしをしている障害者、もしくは入院や入所施設、グループホームなどからの一人暮らしに移行する障害者の自立生活を支援するものです。具体的には、一人暮らしをする障害者に対して1年の利用期間で課題を把握し、必要な助言や情報の提供をおこない、関連機関と連携し、その課題を解決に導いていきます。

 

【経済的自立】

障害年金

国民年金または厚生年金の被保険者がある一定の障害状態になった時、年金事務所等に申請することで国民年金加入の場合は障害基礎年金、厚生年金加入の場合は障害厚生年金が受け取れます。

 

自立支援医療制度

自立支援医療は障害児・者の医療費負担を軽減するための公費負担をおこなう制度です。対象者は以下のとおりです。

 

精神通院医療:統合失調症などの精神疾患を持つ人が通院によってその治療を継続的におこなう場合

 

更生医療:身体障害者手帳を交付された障害者がその障害の除去、軽減のための治療を受ける場合(効果が確実に期待できること)

 

育成医療:身体障害がある児童がその障害の除去、軽減のための治療を受ける場合(効果が確実に期待できること)

 

生活保護 

日本の公的扶助制度で、経済的に困難な状態となった人(世帯単位)に対して、生活(衣食)、住宅、教育、生業、医療、出産、葬祭の各扶助がおこなわれます。他の社会保障制度、社会福祉制度、自身の財産や親類などの援助など最善の努力をしたうえで、各種扶助や救護施設が利用できます。

特別障害者手当

特別児童扶養手当法における障害者への手当の一種です。20歳以上の精神または身体に重度の障害があって日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の者に月額27,300円(所得制限あり、令和4年現在)が支給されます。

 

障害者手帳による税金の控除や公共料金の割引

各種障害者手帳があると、その手帳の等級や自治体によってサービス内容が変わってくるものの、公共交通機関(JRおよびその他の鉄道、飛行機、バスなど)の障害者本人と介助者の交通費、水道等の料金、NHK受信料の割引、所得税や相続税などの控除があります。

 

【社会的自立】

ハローワーク

公共職業安定所のことです。就労を希望する人に対して求人を紹介したり、就労に必要なノウハウや技術の習得を支援してくれる公的機関です。障害者専用の求人を取り扱い、就労の支援とともに一般事業所に障害者雇用促進法に基づく雇用率に関するアドバイスや事務をおこないます。

 

就労移行支援事業所

障害者総合支援法上の訓練等給付のサービスです。具体的な支援内容としては、通常の事業所に雇用されることを希望していてかつ、可能と見込まれる障害者に対して、以下の支援をおこないます。

 

①生産活動、職場体験等の活動の機会の提供、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練

②求職活動に関する支援

③その適性に応じた職場の開拓

④就職後における職場への定着のために必要な相談等の支援を行う

 

地域障害者職業センター

独立行政法人高齢障害求職者支援機構が運営する障害者の就労に関わる相談や支援(専門的職業リハビリテーション)をおこなう機関です。具体的には職業評価、職業指導、職業準備訓練及び職場適応援助を提供しますが、事業所側に対しても、雇用管理上の課題の分析、雇用管理に関する専門的な助言、ジョブコーチの派遣、その他の支援をおこないます。

 

障害者特化の転職サイト・転職エージェント

民間事業所等が開設する、障害者用の求人を紹介するなどして、就職や転職を支援するインターネットサイトやエージェントサービスです。事業所によってサービス内容や得意な求人分野が違うなどがありますが、障害者雇用枠での求人紹介や企業とのマッチング、転職、就職活動のノウハウや就職後のフォローなどもおこないます。

 

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atGPについて

atGPは障害者の転職サポート実績ナンバーワンの障害者専門の転職・就職支援エージェントです。atGPには障害者の皆さまを転職・就職成功に導く3つのサービスがあります。

 

①atGPエージェント

障害者の就職・転職に精通したキャリアプランナーが、転職相談を通してあなたと求人とをマッチングさせます。

 

②atGP転職

障害者の求人募集をしている企業から依頼を受けた当社スタッフが求人情報をお届けするサービスです。

 

③atGPジョブトレ

就労移行支援事業所ジョブトレでは、それぞれの障害に適した支援をおこなうため、障害別のコースを用意しています。

まとめ

障害者の自立がなんであるかを理解する前に人権に対する理解を深める必要があるというのが日本社会の現状だと言えます。まだまだ多くのハラスメントや偏見・差別など他者への人権侵害が多い社会なのです。そんな中、障害者の自立は、国際社会での障害者の人権に関するムーブメントが追い風となり、制度やサービスとしては、整ってきています。戦後間もないころに比べると格段の進歩といえるでしょう。現在では、障害者の方が自立しようと思うと、昔よりはるかに環境は充実してきていますので、是非、今回取り上げた制度やサポートを知り、活用していただきたいと思います。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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