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療育手帳を持つメリットは? ~受けられるサービスや割引について~

更新日:2022年07月19日

療育手帳に限らず、障害者手帳を持つということは所持する人が障害者であることを社会的に証明することになります。障害の種類によっては一見障害があるのかないのかわからない場合もありますので、障害者手帳は障害者であることを証明したい場合も、したくない場合も社会に対してはっきりと障害者であることを伝えるものです。果たしてそうまでして取得するメリットが療育手帳にはあるのでしょうか?療育手帳取得は義務ではありません。取得の判断は本人や家族に委ねられているのです。療育手帳を取得する前に、しっかりとそれによって受けられるサービスなどのメリットについて理解することが重要です。

療育手帳とは

知的障害のある方が、障害者総合支援法による障害福祉サービスなどを受けやすくなることを目的としてつくられたものです。身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳は法律で定められた制度ですが、療育手帳はそうではないため、支援内容などは各自治体によって少しずつ異なるのです。その自治体の療育手帳で受けられるサービスや割引についてはお住まいの市町村の障害福祉担当窓口等に問い合わせてみましょう。

療育手帳の主な取得対象者は、知的障害があり、その状態が続いている18歳未満(未成年)の児童です知的障害は原則として成長発達過程において生じるものとされているため18歳未満で取得する方が多いのですが、18歳以上でも審査によって認定を受けられれば交付対象となります。実際に成人になってから療育手帳を取得する人もいます。

 

療育手帳の取得は、知能検査等の判定を必要としますが、自治体ごとに判断基準は少しずつ異なるため、取得したい場合はまず市町村の障害福祉担当窓口に問い合わせてみましょう。

療育手帳取得のメリット

療育手帳を取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか?療育手帳を発行してもらうことに抵抗やわずらわしさを感じる方もいます。それだけの利用価値があるものなのか、主に療育手帳を取得していることで得られるメリットについて取り上げます。

 

まず療育手帳を取得すると税金の控除が受けられます。税金の控除の際、障害の重さによって特別障害者と障害者に区分され、減免額も変わってきます。

所得税

 障害者:27万円

 特別障害者:40万円

 

相続税(障害者が相続人であると85歳に達するまでの年数1年につき)

 障害者:10万円

 特別障害者:20万円

 

その他、NHK受信料、水道料金、郵便料金等の障害者割引やさまざまな障害福祉サービスを受けることができます。なお、障害年金や障害者総合支援法下のサービスは療育手帳を取得していることが要件ではありませんが、あると手続きがスムーズに進みます。

 

また幼稚園や保育園を利用している児童が療育手帳を取得している場合は、障害を持つ児童への加配申請がスムーズになります。

障害者割引を受けられる交通機関の一例

鉄道会社による料金の割引

療育手帳には「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」という欄があります。そこに「第1種」「第2種」の記載がある場合、運賃の割引サービスを受けることができます。JR各社においては、下記の条件で障害者割引を実施しています。

 

・第1種障害者とその介護者について普通乗車券、回数乗車券、普通急行券を50%割引(回収乗車券以外は他の鉄道会社線とまたがってもよい)

 

・第1種障害者と12歳以下の障害児についてはその介護者とともに定期乗車券を50%割引

 

・第1種障害者と第2種障害者が単独で利用する場合に普通乗車券を50%割引

 片道の営業キロが100キロを超える場合に限る(他の鉄道会社線にまたがってもよい)

 

上記はあくまでJRの割引率や要件であって、多くの鉄道会社が同様の割引をおこなっていますが、他の鉄道会社が必ず同じ割引をおこなっているわけではありません。鉄道利用の際は必ず該当会社の障害者割引について事前に電話やホームページ等で確認するようにしましょう。

 

航空会社による料金の割引

以前は飛行機の利用料金は身体障害者手帳および療育手帳において障害の等級に応じて割引が実施されていました。しかし、令和2年より、満12歳以上の障害者が単独、または介護者1人と共に飛行機を利用する場合に、障害の等級に関係なく、手帳を取得していれば割引が適用される改正がなされました。またその際、それまで対象外だった精神障害者についても同様の割引が適用されるようになりました。

 

バス運賃の割引

バスについては地域内での主要な移動手段という性格から、各自治体運営のバスおよび市町村内に路線を持つバス会社は障害者割引を実施しています。条件は市町村やバス会社によって違いますので要件を確認する必要があります。市町村で福祉乗車券などが発行されることで割引が適用される方式が多いようです。

 

タクシーの割引

原則、全国共通で障害者手帳(身体・療育)の提示で1割引になります。精神障害者については会社によってまだ対象となっていない場合がありますので、注意したいところです。

 

高速道路の割引

療育手帳において第1種障害者と区分されている重度の知的障害者は、当人が乗車する乗用車を介護者が運転し、高速道路を利用する場合に50%割引が適用されます。

 

障害者割引を受けられる施設・サービスの一例

ホテル

ホテルなどの宿泊施設の障害者への割引は各施設ごとに設定、対応しています。中には、割引がない宿泊施設もあります。自治体が運営する公設の宿泊施設やそれに準じる宿泊施設などは障害者割引が設定されていることが多いようです。

 

テーマパーク(USJ、ディズニー)

ほとんどの遊園地、テーマパークでは障害者割引を実施しています。例として、関東、関西の大手人気テーマパークの割引料金を見てみます。東京ディズニーランド・ディズニーシーでは、療育手帳、もしくは障害福祉サービス受給者証をお持ちの場合は以下の料金が適用されます。

 

東京ディズニーランド・ディズニーシーの障害者割引料金

大人:7400円(通常料金9400円)18歳以上

中人:6200円(通常料金7800円)12~17歳

小人:4400円(通常料金5600円)  4~11歳

 

こちらは関西の人気テーマパーク、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)の割引料金です。USJでは療育手帳またはミライロIDの提示で以下の料金が適用されます。

 

大 人:平日4600円(通常料金8400円) 土日祝繁忙期4600円(通常料金8900円) 

子ども:平日2900円(通常料金5400円) 土日祝繁忙期2900円(通常料金5700円)

 

映画

大手映画館チェーン、TOHOシネマズの例を見てみると、療育手帳、ミライロIDの提示で割引料金が適用されます。TOHOシネマズ以外の他の多くの映画館でも同様の割引が行われています。

 

本人と介護者1人まで大人通常料金を1000円に割引

 

美術館、博物館

国立の美術館、博物館などでは、療育手帳の提示で障害者本人と介護者1人が無料となります。また、国立劇場での観劇は療育手帳の提示により、本人と介護者1人につき2割引、新国立劇場のみ、本人2割引、第1種で介護が必要な場合は介護者1人は無料となります。

 

カラオケ

大手カラオケチェーンの障害者割引は以下のとおりです。

 

ジャンカラ:各種障害者手帳提示で本人と介護者2名までシニア会員料金を適用

 

ビッグエコー:各種障害者手帳またはミライロID(障害者手帳アプリ)提示で室料50%割引(グループ全員に適用)

 

NHK受信料金

NHKの放送受信料の減免:身体・知的・精神障害者がいる、構成員全員が町村民税非課税の世帯は全額免除。視覚・聴覚障害者が世帯主、重度身体障害者、重度知的障害者が世帯主の場合は半額免除となっています。

 

水道料金

各自治体にて療育手帳を含む障害者手帳や、特別児童扶養手当法の手当証書等により重度の障害者がいる世帯は上下水道の料金が減免となります。

 

郵便料金

点字郵便物、特定録音物等郵便物は3kgまで無料、心身障害者団体が発行する第三種郵便物の承認を受けた定期刊行物(1kgまで)は毎月3回以上発行の新聞紙50gまで8円、その他50gまで15円となります。

 

携帯電話料金

NTTドコモ、ソフトバンク、auの3大キャリアではそれぞれに障害者用の割引プランを用意しており、療育手帳も対象となります。

 

ドコモ:ハーティ割引

au:スマイルハート割引

ソフトバンク:ハートフレンド割引

 

各社ごとに割引率や条件などは違いますので、詳細は各社のホームページやショップで確認してください。

療育手帳の取得方法

療育手帳の取得方法は児童か成人かによって違います。18歳未満の児童であれば、児童相談所に、成人であれば市町村役場の障害福祉窓口に相談、申請することになります。それぞれ、児童相談所、知的障害者更生相談所で専門家による知能検査(ウェクスラー、ビネーなど)と、そこに身体障害などの生活を困難にする要素があるかないかを総合的に判断し、その程度によりA、Bの判定をおこないます。

 

療育手帳の程度区分はおおむね以下のとおりです

A:重度

B:軽~中度

 

それぞれの自治体により、AやBでもA1~2、B1~2などに区分されていることもあります。

療育手帳の更新頻度は自治体によって違いますが、18歳未満の児童の場合、おおむね2~4年で再判定、更新となります。成人(18歳)になって判定を受けた場合、その後の再判定は不要となっています。再判定が必要な場合は療育手帳に記載されますので早めに申請するように心掛けます。申請から発行までは約2か月程度かかることも覚えておきましょう。

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まとめ

療育手帳取得は必要か必要でないか、その判断は特に児童の場合、保護者の判断は難しいところだと思います。障害者手帳制度自体が国際社会の中でも珍しいものであり、特に療育手帳は法律で定められた制度ではありません。しかし、今回、手帳を取得した際のサービスや割引について詳しくお伝えしましたが、これらのサービスや割引は他の障害者手帳とほとんど変わりありません。療育手帳取得が条件ではないサービスや給付金などもしっかり踏まえた上で、療育手帳が必要かどうか判断してもよいでしょう。今後、さらに療育手帳で利用できるサービスや割引などが充実する可能性も否めないのです。療育手帳で受けられるサービスを理解して活用し、より豊かな社会参加を実現してください。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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