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感音性難聴とは?その症状や治療法と仕事をする際の注意点について解説

更新日:2021年08月18日

難聴という言葉がありますが、どのような病気なのかご存じでしょうか?まず気になるのは、”難聴”と”聴覚障害”は同じ意味なのかということですが、難聴とは一般的に耳が聞こえにくい状態のことを指しており、実際は自分が難聴であることに気が付いていない人もたくさんいると考えられています。難聴は原因により、感音性難聴、伝音性難聴、混合性難聴がありますが、いわゆる身体障害等級表における聴覚障害に該当するかは、両方の耳の聴力の度合いによりますので必ずしも難聴=手帳を交付されるような聴覚障害とは違います。また、難聴だけが聴覚障害ではありません。今回は主に、3種類の難聴の中でも、感音性難聴の症状や治療法、仕事をするときの注意点などを取り上げ、解説していきます。

感音性難聴とは?

難聴の種類は「伝音性難聴」、「感音性難聴」、「混合性難聴」の3種類があります。

これらの難聴の種別は音が聞き取りにくい原因によって分けられていて、3種類の難聴の特徴は以下のとおりです。

 

 

感音性難聴

感音性難聴は主にその原因が内耳の機能に問題があるために音が聞き取りにくいもので、またその奥の聴神経(蝸牛神経)や脳に問題があることもあることから、以前は神経性難聴と呼ばれていました。

 

 

伝音性難聴

伝音性難聴は主にその原因が外耳、中耳が物理的に閉塞しているために起こる難聴です。主に耳あか、中耳炎などによる分泌液が耳の穴を塞いだり、鼓膜の損傷、腫瘍や中耳、外耳の奇形などにより起こります。

 

 

混合性難聴

感音性難聴と伝音性難聴の両方の症状が見られるものです。両耳が混合性難聴の場合、音が大きくても聞こえにくく、片耳の場合、音がどこから聞こえているのかわかりにくくなります。

 

 

感音性難聴の主な症状

感音性難聴では内耳から音を信号として脳に伝える神経部分の障害があり、音が大きくても理解が困難になります。これ以外にも以下の様な症状が見られます。

 

・音がどこから聞こえているのかかわらない

 

・騒がしい場所では聞きたい音(相手の話声など)が聞き取りづらい

 

・相手に何と言ったのか聞き返すことが多くなる

 

・耳鳴りがする

 

・テレビ、映画、音楽などの音声が重要な娯楽が楽しくなくなる

 

また、このような症状の結果として、会議、授業、会話などで聞き取れなかったことを相手に聞き返すことが頻繁になると、自分でも聞き返すことが億劫になったり、一方的に音声を聞くようなメディアでは内容が理解できないまま終わってしまい、そのことについて他者と話し合うことができず、やることを間違えていたり、友達との話題についていけないなど社会的な問題を抱えることになります。

 

深刻なケースでは、これらが原因でうつなどの精神疾患になったり、高齢者では認知症に発展することもあります。

感音性難聴の原因は?

感音性難聴の原因を詳しく述べますと、音を感じ取る内耳を構成する蝸牛(かぎゅう)と有毛細胞の障害によるものです。このような障害が起こる原因は大きく分けて先天性感音性難聴と後天性感音性難聴があります。

 

 

先天性感音性難聴

母親の胎内にいる時から、遺伝的要因や発達の障害が起き、内耳に障害があるために起きます。薬物やウイルスが原因となることもあり、母親が風疹にかかると赤ちゃんが先天性難聴になることが多くあったようですが、ワクチン摂取により防げるようになりました。

 

 

後天性感音性難聴

出生後の傷病などが原因で起こる感音性難聴です。後天性感音性難聴には様々なものがありますので、ここでは主なものをご紹介します。

 

 

騒音性難聴

大きな音が出る場所に日常的にいたり、大きな音に長時間にわたって曝されることによって蝸牛の有毛細胞が障害を起こすによって起こる難聴です。騒音下で長時間仕事をするような職業などで発症します。

 

 

老人性難聴

加齢により、内耳や聴神経の機能が低下するために起きます。高齢者の実に1/3は難聴を抱えているといわれます。人と会話することが煩わしくなり、人づきあいが悪くなり、うつや認知症の原因となることがあります。

 

 

突発性難聴

ある日、前触れもなく急に発症する難聴で、原因はよくわかっていませんが、ウイルス説、内耳の血管の障害、ストレスからくる血管収縮により内耳が機能障害を起こすなど様々な説があります。治療法が確立されておらず、1/3程度は治らないといわれています。

 

 

急性低音型感音難聴

突発性難聴同様に、ある日、突然発症しますが、低音域だけが聞き取りにくくなる難聴です。他に耳に水が溜まったような感覚、低い音の耳鳴り、声が響いて聞こえるなどの特徴があります。睡眠不足、慢性的な疲れ、風邪などが原因で起きます。比較的若年層に多い難聴ですが、最近では中高年にも多く見られるようになってきています。

 

 

感音性難聴の治療法

感音性難聴では、原因が内耳の何らかの障害であるため、薬物等での治療は行いません。軽度から中度では補聴器を使用します。しかし、重度になると音は聞こえますが、音声が不明瞭に聞こえるため補聴器は役に立ちません。そのため、重度の感音性難聴では人工内耳をインプラントで側頭部に埋め込む手術が必要となります。

 

インプラントの電極を蝸牛に挿入することで人工的に電気信号を聴神経に送り込み音を伝えることができます。

 

また、片耳が重度の難聴の場合、補聴器で改善されなければ、こちらは骨導聴力活用型インプラントシステムという、聞こえている側の耳からの音を骨伝導で聞こえない方の耳の内耳に伝える装置を埋め込む手術をおこないます。

感音性難聴を発症したら仕事はどうする?

感音性難聴には急に発症するものもあります。若い世代や働き盛りの年齢での発症もあります。では、在職中に感音性難聴と診断された場合の仕事をする上での注意事項や考えられる行動をいくつかご紹介いたします。

 

難聴になった時の注意事項

・相手の話や音を聞くことが大事な仕事は補聴器や人工内耳を使っても元のとおりに聞こえるとは限らない。

 

・騒音が常時するような職場では、さらに症状が悪化する可能性がある。

 

・聞こえないことや聞き直すことができないストレス、配慮を受けることに抵抗があるなど精神面へのリスクもある。

 

・内耳の機能は聴覚だけでなく、平衡機能を司るため、運動面での能力低下に注意する必要がある。めまいがする、バランスがとりにくい、転びやすくなるなど。

 

 

難聴になった時の考え方

・まず、難聴の症状によって現在の仕事が影響を受けるか考え、影響がある場合は、補聴器

や人工内耳などを使用する。また、文字など視覚的に理解できる方がよい場合、音声をテキストに換えるツールやスマホアプリなどを試すなど自己努力をおこなう。

 

・自己努力をしたうえで、聞こえ方やその他、職務遂行に問題が残る場合、職場へ理解と配慮を求める。視覚的にわかりやすい案内、会議内容の資料化、マニュアルなどの文章化されたものの提供や、聞こえにくいことからくるストレス、内耳の障害からくるめまいや疲れ、体の平衡感覚の問題などがある場合、肉体労働や高所での作業は危険であることも知らせておく。

雇用主は合理的配慮をすることが求められる。

 

・職務内容的に会話での瞬時の理解ができないと危険な仕事を無理して継続することは、自信の健康や会社にとってもよいことはなく、現在の職務が困難な場合、配置転換等の余地があるか上司に相談する。

 

・自己努力や合理的配慮を受けても仕事を継続するのが困難な場合、障害者手帳を取得し、障害者雇用枠の仕事を探すなど転職を視野に入れる。

 

聴覚障害の方の職探しに利用したいサービス

ハローワーク

感音性聴覚障害で身体障害等級表上の聴覚障害に当たる場合、身体障害者手帳の交付の対象となります。身体障害者手帳を持って就職や転職活動をするとき、まず訪れるべき場所はハローワークでしょう。ハローワークは正式には公共職業安定所という名称の厚生労働省が設置し、都道府県により運営される就労希望者に求人紹介やその他の就労支援を行う機関で、全国に500ヶ所以上あります。

 

ハローワークには一般用の窓口と障害者用の窓口がありますので、まず訪れたらこちらの障害者用窓口の方へ行って相談します。障害者手帳を持っている場合、国の障害者雇用促進制度における障害者枠での求人に応募することができます。

 

障害者枠の求人は障害者が労働しやすいような環境や仕事内容などのいわゆる”合理的配慮”がなされていて、こちらでは専門の職員が求人を紹介するだけでなく、採用に結び付くように様々な支援をしてくれます。

 

 

障害者専用転職サービス

ハローワーク以外にも障害者の就労を支援する公的機関やサービスは充実していますが、障害者の就職、転職には障害者の就職・転職サービスを専門的に行なうエージェントの利用もおすすめです。

 

障害者専用の就職・転職エージェントは厚生労働省の認可を得て、障害者枠の求人を取り扱い、総合的な就職・転職の支援を無料で行う民間の事業所です。これらの事業所では障害者の就職・転職支援に特化したスタッフが親身に相談に乗り、希望や適性に応じて、最適な仕事を紹介し、採用後のアフターケアも行なってくれます。

 

アットジーピー(atGP)は障害者の就職・転職をサポートして10年以上の実績を誇るエージェントです。障害者の就職・転職に精通したキャリアプランナーが、一人一人の要望や障害特性に応じた仕事探しを支援し、成功に導きます。障害者の就職・転職支援は是非アットジーピーをご利用ください。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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