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身体障害者のための就労移行支援とは

更新日:2021年06月17日

就労移行支援は、「障害者総合支援法」によって定められた障害福祉サービスのひとつです。一般就労を目指す障害者の方に対し、就職に必要な知識や能力を習得するための研修や就職活動のサポートを行います。今回は、就労移行支援事業所で受けられるサービスの内容や利用の流れ、身体障害者の方が就労移行支援事業所を利用するメリットなどについて解説します。

就労移行支援事業所とは

「就労移行支援事業所」は、一般企業への就職を目指す障害者の方が、働くために必要な知識やスキルの習得をサポートする通所型の福祉サービスです。

 

 就労移行支援事業所で受けられるサービス

就労移行支援事業所では、大きく分けて「職業訓練」「就職活動のサポート」「職場定着支援」の3つのサービスが受けられます。

 

・職業訓練

就労移行支援事業所に通うことで、企業で働くために必要となる知識や能力、ビジネスマナー、日常生活の管理や健康管理などを身につけるための研修や職場実習などを受けることができます。

 

・就職活動のサポート

選考試験に向けた応募書類の作成や面接試験の対策、キャリアカウンセリングなど就職活動のサポートを行います。また、ハローワークや障害者就業・生活支援センター、障害者職業センターと連携して、適性に合った職場探しのサポートも行います。

 

・職場定着支援

就労移行支援事業所では、入社後から原則6か月は職場定着支援が行われます。定期的に職場を訪問・面談して、就職した障害者の方から仕事や人間関係の相談を受けたり、企業へ環境調整を依頼したりします。

 

 就労移行支援事業所を利用できる対象

就労移行支援事業所を利用できるのは、次の条件を満たす方です。

 

・企業などへの就職を希望する方

・身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、障害者総合支援法の対象となる難病などがある方(障害者手帳を持っていなくても、医師や自治体の判断によって利用可能です)

・18歳以上65歳未満(ただし、65 歳に達する前の5年間障害福祉サービスの支給決定を受けていて、かつ 65 歳に達する前日まで就労移行支援の支給決定を受けた 65 歳以上の方は利用可能です)

 

身体障害者の方が就労移行支援を利用するメリット

身体障害者の方が、就労移行支援事業所を利用するメリットには、次のようなものがあげられます。

 

 健康管理能力を身につけることができる

就職して働き続けるためには、健康管理が重要です。就労移行支援事業所では日常生活の管理や健康管理に関するアドバイスも行っています。また、就労移行支援事業所に通う習慣をつけることで、一般就労に向けて生活のリズムを整えることができます。

 

 

 障害への対策を身につけることができる

一般企業で働く際には、身体の障害のため不自由に感じることや出来ないことがたくさんあります。就労移行支援事業所で職業訓練や職場実習を体験することで、これらの対策を身につけることができます。

 

また、「どのような配慮をして欲しいのか」「どのような環境だと働きやすいのか」や「どのような工夫があればスムーズに仕事ができるのか」といった自身の障害理解も深まり、企業に対して希望する配慮等を的確に伝えることができるようになります。

 

 

 職場定着サポートもうけることができる

身体障害の部位や程度によっては、職場での配慮や支援が必要となるケースがあります。このような時には、障害者本人が周囲の人に理解や助けを求めたり、企業に対して職場環境の改善をお願いすることが大切です。しかし、本人の努力だけでは難しい場合もあります。就労移行支援事業所では、職場定着サポートも行っているので、働きにくいと感じた時には相談して支援を受けることができます。

身体障害者の方が就労移行支援事業所を選ぶポイント

就労移行支援事業所を利用できるのは、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、障害者総合支援法の対象となる難病のある方です。全国には約3,300か所もの就労移行支援事業所がありますが、就労移行支援事業所を選ぶ際には、自身に合った事業所を選ぶことが大切です。ここでは、身体障害者の方が就労移行支援事業所を選ぶ際のポイントを紹介します。

 

 身体障害者向けのコースがあること

身体障害、知的障害、精神障害、発達障害では、障害の特性が異なるため、それぞれに合った職業訓練やサポートが必要です。また、身体障害者と一言でいっても、障害の部位や程度は人によって異なります。身体障害者福祉法では、「視覚障害」「聴覚・平衡機能障害」「音声・言語・そしゃく機能障害」「肢体不自由」「内臓機能などの疾患による内部障害」の5種類に分類されています。

 

就労移行支援事業所の中には、特定の障害に特化した事業所もあります。支援やサポートの内容は、事業所によって異なることがあるため、自身が必要とする支援やサポートを受けられるかどうか確認しましょう。また、車いすを利用している人は、事業所のバリアフリーの状況などもチェックしておきましょう。

 

 身体障害者の方の就労移行支援実績があるか

就労移行支援事業所を選ぶ際には、実際に身体障害者の方の就職実績や職場定着支援の実績があるかどうかも重要です。実績が豊富な事業所は、より就職に向けた実践的なプログラムを組んでいたり、職場定着支援のノウハウを持っています。

 

なお、就労移行支援事業所では、就職活動のサポートも受けられますが、直接企業を紹介するなどのサービスは行えません。就労移行支援事業所と合わせて、障害者の就職や転職に特化してサポートしている「atGP」などのサービスも利用してみましょう。

就職成功事例

就労移行支援事業所を利用して就職に成功した事例を紹介します。

 

採用のキーポイント。面接での志望動機、どう答えればいい?のタイトル画像

【20代、聴覚障害・下肢機能障害IT・通信企業に事務職(人事・総務系)として入社、通所1年4か月】

就労移行支援事業所を利用するまで:仕事を探すことにしようかなと思って、区役所に行き、色々な就労移行支援事業所や就労継続支援事業所を紹介されて問い合わせをしてみました。その中で、聴覚障害専門のコースがある就労移行支援事業所があること知りました。

 

見学・体験でUDトーク(コミュニケーション支援・会話の見える化アプリ)をはじめとするさまざまな支援ツールを使用していること、聴覚障害向けのトレーニングプログラムがあること、私と同じように聴覚障害のある利用者の人たちが通所していることがわかり利用を開始しました。

 

就労移行支援事業所を利用して良かったところ:最初のころは、体調不良で休むことが多かったため、スタッフからアドバイスを受けながら、まずは休まず通所することを心掛けました。グループワークが苦手で、話し合いや企画など何も思いつかなくて苦労しましたが、就職に向けてトレーニングしなければならない事が分かり、サポートを受けながら取り組むことができました。

 

トレーニングでは、ストレスマネジメントのプログラムが多くのことを勉強できて良かったです。初めて取り組んだのですが、何度もプログラムに参加するうちに、何か辛いことや、問題があれば、解決できるようになりました。

 

また、企業実習は2社経験しました。軽作業や体を動かすことが好きで、仕事が合っているか、長く働いていけるか、をチェックしました。実際に検品などの仕事をしてみましたが、大変良い経験になりました。

 

就労移行支援事業所を利用する方法

就労移行支援事業所を利用する時の流れやポイントについて説明します。

 

問い合わせ

就労移行支援事業所を利用する際には、まず自身が必要とする支援やサポートをしてくれる事業所を探しましょう。居住している地域の役場の障害福祉課などの部署に相談すると、通所可能な場所にある事業所を紹介してくれます。

 

就労移行支援事業所を探したら、電話やメールなどで問い合わせしてみましょう。

 

見学・体験

就労移行支援事業所を選ぶ際には、プログラムの内容や事業所の雰囲気、支援員との相性が自分に合うかどうかが大切なポイントとなります。利用したい就労移行支援事業所が決まったら、見学に行ってみましょう。ほとんどの施設は見学可能で、スタッフの人からの説明を聞きながら、実際の職業訓練の様子などを見ることができます。

見学して自分に合っていると感じたら、体験通所してみましょう。体験通所の内容や期間は事業所によって異なりますが、いずれも無料で利用することができます。

 

受給者証申請・契約

就労移行支援事業所を利用するには「障害福祉サービス受給者証」が必要となります。利用したい就労移行支援事業所と利用時期、月の利用回数などが決まったら、居住している地域の行政窓口に就労移行支援を利用したいことを伝えて、「障害福祉サービス受給者証」の申請をします。

 

必要書類は、市区町村役場によって異なりますが、基本的には「専門医による診断書」が必要となるので、事前に準備しておきましょう。申請の仕方に不安がある人は、利用する就労移行支援事業所に相談すると、書類の書き方や提出方法など、詳しく教えてくれます。

 

障害者福祉サービス受給者証が発行されたら、診断書と受給者証を事業所へ提出して利用契約を交わします。

 

利用開始

就労移行支援事業所の利用が決まったら、事業所のスタッフが利用者と相談しながら、支援メニューやプログラムの計画を記載した「個別支援計画」を作成します。「個別支援計画」は、およそ3か月~6か月で見直しが行われます。

 

なお、就労移行支援事業所の利用期間は、利用開始から就職が決まるまでで、原則2年以内です。2年を超えて利用するには、市区町村に申請して審査で必要性が認められる必要があります。また、2年以内であれば、就労移行支援事業所の再利用が可能なケースもあります。こちらも市区町村の判断となります。

まとめ

就職を目指す身体障害者には、障害ゆえの困難や苦労があるかと思います。

 

就労移行支援事業所は、就職に必要な知識やスキルなどを習得できるだけでなく、就職後の職場定着もサポートしてくれます。

 

身体障害者が、自身の能力を最大限に発揮して働くには、職場の理解や協力が必要です。

 

就労移行支援事業所では、入社後も担当者が定期的に職場を訪問してくれるので、働きにくいと感じた時には相談することができます。就労移行支援事業所は全国に約3,300か所あり、支援内容やプログラムがそれぞれ異なります。

 

中には特定の障害に特化した事業所もあるので、利用する際には、自身に合った事業所を選ぶことが大切です。

 

atGPエージェント

atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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