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「特例子会社」ってなに?

更新日:2019年02月13日

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実社会で働きたいと思う障害者が増えています。しかし、その受け皿である企業の数はまだまだ十分とは言えないようです。国は障害者の雇用を確保するため、法定雇用率(※)を定めて、企業に障害者雇用の促進を求めていますが、職域の多様性に欠けるなど問題点も多く指摘されています。そこで「特例子会社」の活用に注目が集まっています。

1、障害者雇用に特化した特例子会社の意味

「特例子会社」とは、障害者の雇用に特化した子会社のことで、平成29年6月1日現在 、全国で464社(厚生労働省調べ)設立されています。

 

障害者雇用が法令化されたことで、企業としては、さまざまな対応を求められていますが、なかなか理想には近づけない部分もあります。

 

日本国憲法では職業選択の自由を謳っていますが。障害者でも職業を自由に選ぶ権利は持っています。片や企業は以前に比べて障害者に門戸を開いているとはいえ、職域を幅広く設定することは難しく、それが障害者雇用の問題点の一つとなっています。

その解決策の一つが「特例子会社」の設立です。

 

これは企業が障害者の雇用に特別に配慮した子会社を設立することで、詳しくは「2、特例子会社の設立とその支援体」で説明しますが、職域を幅広く設定することを可能としています。

企業側にも大きなメリットがあります。「特例」として、その子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、その数を加えたうえで、法定雇用率(※)を維持できるのです。

 

それは、特例子会社を持つ親会社が、大きな企業グループを形成している場合にも適用されます。その全体の従業員に対して特例子会社が要件を満たしていれば問題ありません。これは企業に対して大きなメリットでもあります。

 

例えばグループ内に障害者が就労しやすい業務を行う子会社があれば、その会社で障害者雇用を進めることで、グループ全体での業務効率と障害者雇用を両立させることができるのです。

 

それでは以下に特例子会社認定の要件を記します。

 

特例子会社認定の要件(厚生労働省「特例子会社」制度の概要より)

 

(1)親会社の要件
親会社が、当該子会社の意思決定機関(株主総会等)を支配していること。 (具体的には、子会社の議決権の過半数を有すること等)

 

(2)子会社の要件
① 親会社との人的関係が緊密であること。 (具体的には、親会社からの役員派遣等)

② 雇用される障害者が5人以上で、全従業員に占める割合が20%以上であること。 また、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の割合 が30%以上であること。

③ 障害者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有していること。 (具体的には、障害者のための施設の改善、専任の指導員の配置等)

④ その他、障害者の雇用の促進及び安定が確実に達成されると認められること。

 

企業グループ算定特例認定の要件(厚生労働省「企業グループ算定特例」(関係子会社認定の概要)より)

 

(1)親会社の要件
① 親会社が、当該子会社の意思決定機関(株主総会等)を支配していること。 (具体的には、子会社の議決権の過半数を有すること等)

② 親会社が障害者雇用推進者を選任していること。

 

(2)関係子会社の要件
① 各子会社の規模に応じて、それぞれ常用労働者数に1.2%を乗じた数(小数点以下は切捨 て)以上の障害者を雇用していること。ただし、中小企業については、次に掲げる数以上の 障害者を雇用していること。

ア 常用労働者数167人未満 要件なし
イ 常用労働者数167人以上250人未満 障害者1人
ウ 常用労働者数250人以上300人以下 障害者2人

② 障害者の雇用管理を適正に行うことができると認められること(具体的には、障害者の ための施設の改善、選任の指導員の配置等)又は他の子会社が雇用する障害者の行う業務 に関し、人的関係若しくは営業上の関係が緊密であること。

③ その他、障害者の雇用の促進及び安定が確実に達成されると認められること。

2、特例子会社の設立とその支援体制

現在、多くは大手企業が「特例子会社」を設立しています。

 

福利厚生、給与や労働条件も、本社に準じた条件にしている場合もあり、障害者やその関係者からも歓迎されています。

 

障害者の受け入れに当たっては、それぞれの障害の特性に配慮した仕事の確保や職場環境の整備など、支援を充実させることも定められているため、バリアフリー化などの設備投資を集中化させることが可能です。

 

また、障害に配慮した短時間勤務をはじめ、フレックスタイムや半休制度などの充実、加えて、通院休暇制度を導入や、服薬や通院にも企業が配慮することも行われています。

 

加えて、障害者雇用に特化した管理体制を整えることで、能力発揮やキャリアアップのため、定期的な面談、相談の実施し、実習を充実させ、障害者の特性に合致した仕事ができるようにします。管理者側にも障害者が配置していることもあるので、働く障害者も安心が得られます。

 

業務内容も多様化も可能です。親会社と異なる労働条件を設定することで、これまでに想定されていなかった種類の雇用を創出することもができます。

 

例えば、清掃などの軽作業を中心にする特例子会社もあれば、経理代行や給与計算、名刺作成、データ入力、パンフレット作成、ダイレクトメール発送代行などといった事務系の業務を請け負うところなどもあります。

 

これらの要因は、引いては障害者自身の長期的な雇用につながることも。これまで障害者雇用の課題の一つだった職場定着率の低さも改善することができるため、さらなる生産性の向上が期待できます。これも障害者自身の安心材料のひとつです。

3、全国で増える特例子会社で働く障害者

3、全国で増える特例子会社で働く障害者の画像

障害者雇用に関する法律(正式名称「障害者の雇用の促進等に関する法律」)が施行されてから、すでに半世紀以上経ち、人々にも多く認知されるようになりました。

 

特例子会社は全国的に増えており、2004年には153件でしたが、昨年の調査では464件にも増加。そこで働く障害者は21,134人(いずれも厚生労働省調べ)にもなりました。

 

障害者雇用の義務として、これまでの身体障害者、知的障害者に加え、精神障害者も対象になりました。中でも精神障害者の雇用は3667.5人と一昨年(2888.5人)よりも増えています。これには発達障害なども含まれています。

 

また、最近では、大学の新卒採用に目を向ける企業も増えてきました。大学が障害者の就職者向けにイベントを開いたり、就職サイトの拡充も図られています。

 

このように求人数も以前に比べて増えており、今後は、より違った職域の「障害者雇用」も増えていくのではないでしょうか。

(※)法定雇用率とは

障害者が働く機会を増やすために、従業員45.5人以上の民間企業が雇用しなければいけない障害者の割合のことです。

 

その数は時代の変化とともに、定期的に見直しが行われています。

平成30(2018)年4月には、企業の障害者雇用率が、それまでの2.0% から2.2%に引き上げられました。

 

●「就業中の障害者の数+失業している障害者の数」を「就業中の労働者(健常者を含む)の数+失業者の数」で割り算をします。その答えが障害者の法定雇用率です。

 

この法律は民間企業ばかりでなく、国や地方の公共団体などにも適用されます。参考までに記しておくと、一般の民間企業の障害者雇用率を下回らない率が定められ、国、地方の公共団体は2.5%(それまでは2.3%)、都道府県等の教育委員会は2.4%(それまでは2.2%)です。

 

今後、2021年3月までにはさらに0.1%引き上げられる予定です。

すなわち、民間企業で2.3%、国、地方の公共団体は2.6%、都道府県等の教育委員会は2.5%となります。

atGPしごとLABO編集部

ライター:atGPしごとLABO編集部

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。メンバーの平均年齢が全社平均年齢よりちょっと高めなのは内緒。

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