障がい者(障害者)の求人転職情報・雇用支援サービス

  1. 障害者求人・雇用支援サービスTOP
  2. atGPしごとLABO
  3. お役立ち情報
  4. 障害別の働き方
  5. 慢性疲労症候群の症状や原因とは?仕事中に症状が続く場合の対策法

お役立ち情報

慢性疲労症候群の症状や原因とは?仕事中に症状が続く場合の対策法

更新日:2020年01月21日

慢性疲労症候群 その症状・原因・対策法

疲労感は、仕事や運動などをした後に誰もが感じるものです。この疲労感は、痛みや発熱とともに体の異常を知らせる三大アラームであるとされています。このように人間にとって重要な働きをする疲労感ですが、ほとんどの場合十分な休息を取ることにより回復することが可能です。しかし、中には一晩ぐっすり寝ても疲れが取れなったり、夕方になると疲れがどっと出て来たりというような体の不調を感じる人もいます。このような症状が進んで、疲労感が日常生活に支障をきたすようになることがあり、そのような状態が長期間続くことを「慢性疲労症候群」と呼びます。慢性疲労症候群は、1988年に診断基準ができたれっきとした病気です。ここでは、慢性疲労症候群という病気について解説していきます。

慢性疲労症候群とはどのような病気で、その原因や治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは慢性疲労症候群の代表的な症状や原因、治療法などについて詳しく解説していきます。

慢性疲労症候群とは?その代表的な症状

慢性疲労症候群は1980年代にアメリカで報告された病気で、日常生活に大きな支障をきたすほどの強い疲労状態に陥り、それが継続するという症状が出ます。

日本では20歳から50歳代の働き盛りの年代の人が多く、日本には現在30万人から40万人の患者がいると報告されています。

患者の男女比は1対2で女性のほうが多くなっています。

 

症状は強い疲労感に加えて頭痛や筋肉痛、のどのはれや微熱、不眠や過眠などがあります。

さらに集中力の欠如によりうっかりミスが増えたり、約束を忘れるといった症状が出ることもあります。

このような症状が数か月間続き、なかなか治らないという場合には、慢性疲労症候群の疑いがあります。

 

慢性疲労症候群の患者はこの病気を発症する以前には、通常の生活を営むことができており、機能的にもなんら問題がなかった人がほとんどです。

「慢性疲労」という言葉があるため、この慢性疲労が進んだ状態が慢性疲労症候群であると考える方もいらっしゃるかも知れませんが、それは誤りです。

慢性疲労症候群とは、病気です。休養を取るだけではなく、きちんと専門の医療機関を受診する必要があります。

慢性疲労症候群を放置しておくとさらにひどい倦怠感や疲労感に襲われ、椅子に座っているのも困難な状態になり、寝たきりになってしまうこともあります。

 

主な症状は疲労感を感じることですが、この疲労感一つをとっても、慢性疲労症候群を発症した場合には日常生活を送ることが困難になります。

さらに慢性疲労症候群の症状は、精神的ストレスを感じているときにさらに悪化するという報告もあります。

ここで解説したような症状が長期間続くようであれば、早めに病院を受診するようにしましょう。

慢性疲労症候群の原因は何?

慢性疲労症候群の原因とは一体何なのでしょうか?その原因については現在も研究が勧められていますが、まだよくわかっていません。

慢性疲労症候群の原因が、身体的な物なのか精神的な物なのかもまだよくわかっていませんが、いずれにしても多くの人がこの病気の症状に悩まされているのは事実です。

 

かつて、慢性疲労症候群の原因は、ウイルス感染である可能性があるといわれていました。しかし、近年ではその可能性は否定されています。

 

それ以外に、免疫システムの軽微な異常も原因ではないかと言われています。

ただし、どの免疫システムの異常もこの慢性疲労症候群の特有の特徴を示しているわけではないので、全ての慢性疲労症候群がこの免疫異常が原因であるとは考えられません。

 

また、軽いアレルギーが原因ではないかという説もあります。

そう考えられる理由としては、慢性疲労症候群の患者のうち約65%が何らかのアレルギーを持っているからです。

 

それ以外にも、家族性の病気なのではないかという考え方もあります。その理由は、同じ家族の間で発症する人が多いためです。

しかし、家族性の病気であると考えられる理由は遺伝のほかに、一つの家庭内で同じ環境、同じストレスにさらされていることが原因であるとも考えられるため、これもはっきりした原因であると言い切ることはできないのが現状です。

 

慢性疲労症候群の研究は今後も進んでいくと考えられますが、最終的には遺伝的要素や微生物、毒素、その他の身体的または精神的な要因など、複数の原因により発症することが明らかになるのではないかと言われています。

慢性疲労症候群にはどのような基準があるの?

臨床検査により慢性疲労症候群であるという診断を下す方法は、今のところありません。

しかし、臨床検査を行う必要がないというわけではありません。

医師は臨床検査を行い、貧血やリウマチ、電解質異常、腎不全、甲状腺や副腎の異常などがないことを判断する必要があります。

慢性疲労症候群の診断を下すためには、この病気と同じような症状があらわれる病気ではないことを臨床検査により確認しなければならないからです。

 

そのため、慢性疲労症候群の症状を感じたら、まず内科を受診しましょう。

内科で異常が見つからなかった場合には、次に精神科を受診し、うつ病や不安障害などがないかを確認し、心身共に異常がないにも関わらず強い疲労感が長期間続くといった症状が出ている場合に、はじめて慢性疲労症候群が疑われます。

近年では、慢性疲労症候群の専門外来があるため、そちらを受診しても良いでしょう。また、総合受診科でも慢性疲労症候群の診断を下してもらうことが可能です。

 

厚生労働省が定める慢性疲労症候群の診断基準には、

大基準として

 

1.生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、少なくとも6か月以上の期間持続ないし再発を繰り返す(50%以上の期間認められること)

 

2.病歴、身体所見、検査所見で貧血、糖尿病、ガン、甲状腺障害などの疾患を除外する。

 

小基準として

 

1.症状基準

微熱または悪寒、のどの痛み、頚部あるいは腋窩リンパ腫の腫脹、原因不明の筋力の低下、筋肉痛ないし不快感、軽い労作業の後に24時間以上続く全身倦怠感、頭痛、腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛、精神神経症状(光過敏、一過性暗転、物忘れ、易刺激性、混乱、集中力低下、思考力低下、抑うつなど)、過眠や不眠などの睡眠障害、発症時に主たる症状が数時間から数日の間に出現

 

2.身体所見基準

微熱、非浸出性咽頭炎、頚部または腋窩リンパ節の腫大・圧痛などの症状が少なくとも一か月異常の間隔をおいて2回以上医師が確認すること

となっています。

 

この大基準と小基準のうち、大基準の全てと小基準に定められた症状のうち8項目以上か、症状基準6項目に加えて身体基準2項目を満たす場合に慢性疲労症候群と診断されます。

また、大基準の全てに該当しても小基準で診断項目の数を満たさない場合には、慢性疲労症候群の疑いがあるとされます。

 

この診断基準は厚生労働省の研究班が平成7年に慢性疲労症候群の診断基準として定めたものですが、症状を訴える患者をふるいにかけるために作られたという側面が強いため、実際の医療現場での診断においては基準の緩和が必要であるという意見もあります。

慢性疲労症候群の治療法はあるの?

慢性疲労症候群の症状の多くは、時間の経過とともに改善していきます、しかし、それまでには年単位の時間が必要になり、全ての症状が良くなるとは限りません。

そのため放置せずに、適切な治療を行うことが大切です。

慢性疲労症候群は治療によって、免疫の働きや抗酸化作用を高め、脳の機能改善を行うことで回復します。

 

治療は主に「捕中益気湯」などの漢方薬を用いて体の免疫力を上げる薬物療法が中心となります。

このような漢方薬以外にも、ビタミンCを大量に服用して体内の活性酸素により細胞が傷つくことを防ぐ治療も同時に行われます。

それ以外にも、抗ウイルス薬や免疫調整剤が使われることもあり、これらの薬を投与することによって免疫系の回復を目指します。

また、抑うつ症状が出ている場合には、うつに作用する薬で症状が改善することもあります。

このような内科的な治療と合わせて、患者のストレスに対する対処法を医師と話し合うカウンセリングによる治療も有効です。

 

医療機関で慢性疲労症候群の治療を行い、症状に落ち着きが見られるようになったら、次は生活習慣の見直しによる治療に入ります。

生活習慣を見直し、整えるだけでも疲労感が軽減するケースもあるため、こちらもおろそかにすることはできません。

具体的には決まった時間に起床・就寝する、三食を規則正しくとる、間食を避ける、軽い運動を行うといったものです。

薬物治療やカウンセリングと平行して、日常生活の見直しを行うことが、慢性疲労症候群の治療法となります。

慢性疲労症候群の疑いがあり仕事に影響が出ている場合はどうしたらいい?

自分に慢性疲労症候群の疑いがあり、仕事に影響が出始めた場合にはどうすればよいのでしょうか。

慢性疲労症候群の症状が強く出ると、仕事はおろか満足に日常生活を送ることができなくなってしまいます。

 

慢性疲労症候群の疑いがある場合には、慢性疲労症候群の専門医に相談することをお勧めします。

しかし、慢性疲労症候群の専門医の数が少ないため、受診することが難しい場合には、内科を受診するようにしましょう。

 

慢性疲労症候群の症状が出た時に自分でできることは、病院を受診する以外に生活のリズムを整え、ストレス源から離れることです。

そのため、会社に事情を話し、慢性疲労症候群という病気への理解を得てから残業を無くしてもらったり、時短勤務に切り替えてもらったりといった方法をとることをお勧めします。

こうすることで、仕事から受けるストレスを軽減させるだけではなく、自分の生活のリズムを整えやすくなります。

そのため、強い疲労感を和らげることができる可能性が出てきます。

 

医師の診断が慢性疲労症候群であると確定したら、その医師に診断書を作成してもらいましょう。

この診断書を会社側に提示し、治療と休養のために休職することが一番望ましいと方法です。

会社を休職することで、仕事のストレスから完全に離れ、治療と休養に専念できるためです。

休職中は健康保険組合から傷病手当金を受け取ることができるため、こちらも忘れずに申請するようにしましょう。

慢性疲労症候群により今の会社を退職する場合にも、条件を満たせば傷病手当金を受け取ることができます。

傷病手当金については、加入している健康保険組合に、問い合わせてみることをおすすめします。

まとめ

ここまで、慢性疲労症候群について解説してきました。

慢性疲労症候群は未だに発症の原因が分かっていないこと、その治療法、慢性疲労症候群になってしまったときに仕事はどうすべきかといった点についてお分かりいただけたと思います。

 

慢性疲労症候群の治療法は、薬物療法と生活習慣の改善を平行して行っていきます。この二つに加えて精神科医のカウンセリングが必要なこともあります。

また、治療には大変長い期間を必要とするため、慢性疲労症候群の診断が下りたら可能であれば仕事を休職し、治療に専念することをお勧めします。

atGPエージェント

アバター画像

ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

このライターの記事一覧を見る

注目記事PICK UP!

対象から記事を探す

公式SNSはこちら

会員登録 無料

atGPトップ
各種サービス
求人を検索する 求人を紹介してもらう スカウトを受ける 就労支援サービス 就職・転職ノウハウ
お問い合わせ・よくある質問
お問い合わせ よくある質問