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「何のために働くのか?」それぞれにある障害者の就職・転職の目的

更新日:2019年01月09日

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働くことは労働権と言い、基本的人権の一つで、すべての国民が平等に持っている権利です。国は働く意思のある国民に労働の機会を提供する責務があります。そこには当然障害者も含まれ、近年、障害者の雇用政策も進んでいますが、そういう状況でこそ、「なんのために働くのか」という自分の目的をしっかりと持ちそれにあった就職・転職をすることが自己実現の大切な一歩になるではないでしょうか。

働くとはどういうことなのか

”幸福追求権”という言葉がありますが、日本のような民主主義社会では、ルールを守り、他者の権利を侵害しない限り、自分の幸せのために生きる権利があるということです。

そして、何が幸せなのかはその人の価値観によって様々でよいのです。

 

それは労働についても同じことで、どういう労働をどんな目的でどれだけしたいのか、そもそも自分が労働しなくてもよいという判断をするのであればそれもまた問題のない自己決定と言えるでしょう。

 

では、”働く”ということの社会的位置づけはどうなっているでしょうか。

 

これは社会参加と言って、社会を構成する集団組織や、個人と交わる活動の一つの形態に過ぎません。

ある特定のスポーツをすることでクラブ活動に所属する、山登りやボウリング、カラオケなどの趣味のサークルに所属する、映画鑑賞をする、街中で買い物をするなども広い意味での社会参加と言えるでしょう。

 

働くことも社会を構成する人の多くが普通にやる活動の一つですので、参加するしないは個人の自由ではありますが、参加したいときに老若男女、障害の有無を問わず、どんな人でも参加できるように社会のシステムを整えることが国の責務なのです。

働く目的を明らかにする

働く目的を明らかにするの画像

このように、働くことだけが社会参加ではありませんが、働くことには労働の対価として収入を得るという重要な側面がありますので、多くの人にとって就労しないという選択はしたくても出来ないものです。

 

しかし働く目的は必ずしも収入を得ることである必要はありません。

そしてその目的に合った就労形態や職種を選ぶことが楽しく、長く働き続ける要因となり、またそれにより人生も充実し、幸福の追求が可能となるではないでしょうか。

 

前述しましたとおり、人の価値観によって働く目的は様々ですが、ここでは障がい者総合研究所の調査結果(※働く目的に関するアンケート調査/2014)を基に「障害者の働く目的」を挙げていきます。

 

1.収入を得ることを目的とする
調査の結果、圧倒的に多かった回答は「収入を得るために働く」でした。

当然の結果と言えばそのとおりで、自分の生活にしても家族の養育にしても、労働以外の社会参加活動をするにしても何事もお金がかかります。

 

この点は障害者であってもそうでない人も同じこと言えます。

障害者としての年金や諸手当を給付されていても働かざるを得ない人もいたり、それらで生活は成り立つけれども、よりよい生活をするためには働いて収入を得たいという人もこの中に含まれています。

 

2.社会貢献を目的とする
次に多かったのは「社会貢献のために働く」でした。

何も働くだけが社会貢献ではありませんが、働くことによって社会経済の一端を担っていることが実感できる点はボランティア活動よりも上と言えるでしょう。

 

特に労働を含む障害者の社会参加の機会にまだまだ制限がある日本では、社会貢献をとおして自分が社会にとって役立つ有用な人間であるという確認ができる意味合いもあります。

ただし、一般の調査でも2位は社会貢献という結果になっていますので、障害者もそうでない人も社会に貢献したいという意識は大きいと言えます。

 

3.自分の能力や人間性を高めることを目的とする
よく「人生は一生が勉強」ということを言いますが、自分の能力や人間性を高めることが目的の第3位となっています。

 

確かに働くということは、自分に与えられた仕事をとおして適切な能力を磨き高め、また同僚や顧客、取引先との人間関係を良好に保っていく必要がありますので、自分を客観視し、協調性や指導やアドバイスを素直に受け入れることなどを身に付けざるを得ません。

 

この自分を高めるという目的も一般の調査で第3位と障害者への調査と同じですので、日本人の自己研鑽、自己の追求意欲の高さの表れと言っていいのかもしれません。

 

4.人間関係を豊かにすることを目的とする
働くことの目的の第4位は「人間関係を豊かにすること」でした。

言い換えれば、人とのつながりを求めて働くということです。

第4位といってもこの回答をした人は対象者の2%ほどですので、とても少数派です。

 

しかし回答の捉え方によっては普段の生活で人間関係が希薄で常に人とのつながりを必要としているのかもしれませんし、逆にすごく人とのつながりに積極的な社交的なタイプの人かもしれません。

自分の目的に合った働き方をする

自分の目的に合った働き方をするの画像

障がい者総合研究所の障害者の『働く目的に関するアンケート調査』の結果をご紹介しましたが、皆さんの働く目的と一致するものがあったでしょうか。

 

働く目的は動機付けとも言い換えられます。その働く動機は人それぞれでよいのです。

 

今回の調査で出なかったもっと少数の動機であったとしてもそれでも構わないでしょう。

 

ただし、これから就職活動、また転職するにあたって自分が何を目的に働くのかということは、当然ハローワークや求人を出している企業の採用試験でも聞かれることになりますし、また自分の目的にあった働き方ができる仕事、職場はどういうところなのかを整理するために明確にしておく必要があります。

 

働く目的の第1位だった「収入を得るために働く」ということは、多くの場合、一般の事業所で正社員としてフルタイムで働くことで、障害者雇用制度の範囲内で障害に対する配慮はあっても、基本的には職務内容や仕事に対する評価は逆に障害を持たない人と同等ということになります。

 

職務遂行の過程や業績に対してはそれなりの指導や評価があることを覚悟しなければなりませんので、何が何でも収入を得たいという強い意志、やる気は大事ですがそれだけでは採用されて継続していくことは難しいかもしれません。

 

一般の会社では正社員採用は社会適応力があるか、その分野への理解や知識はあるか、転職の場合は経験を問われることも多くなります。

 

次に働く目的が「社会貢献をするため」という場合、収入を得ることは第二義的で、自分のできる範囲で貢献する意味合いが強く、職種や雇用形態を気にしない人が多くなります。

 

どういう形でも、多少でも社会の役に立てているという満足感が大切なのです。社会貢献というと、ボランティア活動が思い浮かびますが、実際にボランティア活動をしている人というのは自分の生活に余裕があったり、定年を迎えたり、子育てが終わった60~70代の人が多く、実際に就労が可能な人は出来れば無償のボランティアよりも働いて収入を得たい人の方が多いようです。

お金があって困ることはないということでしょう。

 

第3位の「自分の能力や人間性を高めるため」という目的ですが、自分を高めることが働く動機の最初に挙げられる人というのは、資格などを伴う専門職に多くその傾向が見られます。

 

どのような専門職でも、一人前と呼ばれるには10~20年の経験が必要になり、どれだけ経験を積んでも”自分はまだまだ”というその仕事への飽くなき追求心、成長意欲があり、雇用者としては非常に信頼できるタイプと言えるでしょう。

 

第4位の「人とのつながりを豊かにする」という目的も、人間関係を作ることに意欲的と受け取ることができ、雇用する側もその点、安心できるでしょう。

しかし実際、障害特性上、難しい場合かえって自分の首を絞めることになりかねません。

 

また、人のつながりが実際に豊かになるような、連携やコミュニケーションが大事な職場なのかはしっかり調べて就職活動をする必要がありそうです。

自分の働く目的、価値観を見つめ直す

みなさんの働く目的、仕事の価値観は明確でしょうか。

上で挙げた働く目的は個人の価値観であってどれが正解とか不正解とかはありません。また、これら以外の目的でもよいでしょう。

 

究極的に「働かない」、「不労所得で生活したい」というのも価値観の一つです。

しかし、就職、転職する際には自分の中で働く目的が明確でないとどういう条件のどういう仕事を選ぶのかに方向性がなくなり、「なんでもいいから働きたい」という理由では雇用者側に熱意が伝わりません。

もしそれで採用されたとしても、”このために働く”という明確な目的がない状態で仕事を続けていくことは非常に難しいのです。

 

仕事や職場が合わなければ辞めることは簡単ですが、その後の自分の働く意欲を減退させたり、短期間での退職が多い経歴は一般的に雇用者側にマイナスのイメージを与えてしまいます。

 

働くこと以外でも、他者と交わる社会参加をする上では”自己覚知”は非常に重要です。

自分を知るということですが、自分の価値観、自分の性格や癖、出来ること出来ないこと、好きなこと嫌いなこと、障害特性など自分を客観的に分析し、どんな働き方、どんな仕事が自分に合っているのかしっかりと自己覚知し、自分の「働く」の原理・原則を見つめ直して就職・転職活動を始めてください。

入職後の「こんなはずじゃなかった」という後悔はなるべく避けたいところです。

atGPしごとLABO編集部

ライター:atGPしごとLABO編集部

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。メンバーの平均年齢が全社平均年齢よりちょっと高めなのは内緒。

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