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やる気が出ないのは病気?原因と対策について

更新日:2025年11月14日

やる気が出ないことは誰にでもあることです。しかし、やる気が出ない状態が長く続いている、やる気が出ない以外に、精神的・身体的な症状がある場合には、病気が原因の可能性があります。本記事では、やる気が出ない原因ややる気が出ないことに関係する病気、やる気が出ない時の対処法などを紹介します。

やる気が出ないのは病気のせい?

何もしたくない、やる気が出ない原因は、一つではなく心理的要因や身体要因などいろいろと考えられます。主な要因には次のようなものがあります。

 

疲労や睡眠不足

精神的・身体的に疲れた時には、本能的に身体が休息を求めるため、やる気を出すことが難しくなります。また、睡眠不足も無気力の原因となります。特に慢性的な睡眠不足は、日中の眠気、意欲低下、記憶力の減退などにつながります。

 

栄養不足

しっかりと食事を摂らないと、栄養やエネルギーが不足して無気力になることがあります。

 

ストレス・ホルモンバランスの異常

就職転職、転居、結婚、妊娠出産、親の介護などの環境の変化は、ストレスとなって心身に悪影響を及ぼすことがあります。ストレスによってセロトニンというホルモンの分泌が減ると、無気力や集中力の低下が起こります。

やる気が出ないことと関連する精神的な病気

前章で述べた通り、疲労や睡眠不足、栄養不足などが原因でやる気が出ないことがあります。その他に、うつ病や不安障害などの精神的な病気が原因となっている場合も考えられます。

 

うつ病

「うつ病」は気分障害の一つで、次のような精神症状や身体症状が現れます。

 

・精神症状

□憂うつな気分や沈んだ気持ちがする

□気力・意欲の低下(何もする気がしない、おっくう)

□不安な気持ちでいらいらして落ち着かない

□生きていたくないと思う

□自分は価値がないといった考えが浮かぶ

□自分のせいだと考えて罪の意識を感じる

 

・身体的症状

□体がだるい、疲れやすい

□睡眠障害(眠れない、または眠り過ぎてしまう)

□食欲の増減(食欲がない、または逆に食欲が増す)

□頭痛、めまい、動悸、息切れ、体の痛み、下痢、便秘など

 

これらの症状がいくつもあって2週間以上続く場合には、うつ病の可能性があります。精神科や心療内科を受診しましょう。

 

不安障害

「不安障害」は、過度な不安や心配、恐怖といった感情が自分ではコントロールできなくなって、日常生活に支障をきたす精神疾患です。不安や心配、恐怖によって心身のエネルギーが消耗し行動を避けてしまうため、やる気が出ない状態になります。「不安障害」には種類がありますが、共通する症状には次のようなものがあります。

 

・精神症状

□特定の対象がない漠然とした不安が続く

□特定の状況や対象に対して強い恐怖を感じる

□不安や心配事に心がとらわれて集中できない

□些細なことでイライラする

□常に張り詰めたような緊張感があってリラックスできない

□不眠

 

・身体症状

□動悸、息切れ、過呼吸

□めまい、ふらつき

□吐き気、腹痛、下痢

□疲労感、倦怠感

□頭痛、肩こり、発汗

 

適応障害

「適応障害」は、ストレスが原因で心の不調や行動面の症状が現れて、日常生活に支障をきたす状態を指します。適応障害の症状は、精神面、身体面、行動面に現れます。適応障害の症状の中でも無気力(やる気が出ない)は、特徴的な症状で日常生活への影響が大きいため注意が必要です。

 

・精神症状

□不安、抑うつ、

□無気力、思考力や集中力の低下

□イライラ

□悲壮感、焦り

□神経の過敏 など

 

・身体症状

□全身の倦怠感

□不眠

□食欲不振

□動悸、過呼吸

□頭痛、肩こり、腹痛 など

やる気が出ないことと関連する身体的な病気

鉄欠乏性貧血

「鉄欠乏性貧血」は、体内の鉄分が不足して、赤血球細胞内の重要なタンパク質であるヘモグロビンが十分に作られなくなることで、全身に酸素を運ぶ能力が低下する病気です。

 

鉄が不足する主な原因は、鉄分の摂取不足・鉄分の吸収障害・ 鉄分の喪失・鉄分の需要の増加です。

 

・鉄分の摂取不足:偏った食生活や無理なダイエットがもとで鉄が不足する

・鉄分の吸収障害:消化管に異常があってうまく鉄分を吸収できない

・鉄分の喪失:出血が原因で鉄分が失われ食事からの補給が追い付かない場合

・鉄分の需要が増加:成長期や妊娠時、授乳時などは普段よりもたくさんの鉄が必要になり鉄分が不足することがあります

 

鉄欠乏性貧血でやる気が出ないと感じるのは、脳の酸素不足や、ドーパミンなどやる気に関わる神経伝達物質の合成に必要な鉄分が不足するためです。

 

甲状腺機能低下症

甲状腺では、甲状腺ホルモンを作っています。このホルモンは、全身の細胞に働きかけて、エネルギーの消費や新陳代謝を活発にする、非常に大切な働きをしています。 「甲状腺機能低下症」は、血中の甲状腺ホルモン作用が必要よりも低下する病気です。

 

主な症状には次のようなものがあります。

・倦怠感、疲労感

・顔や手足がむくみやすい、体重の増加

・気分が落ち込みやすい

・肌の乾燥、抜け毛

・以前よりも寒がりになった

 

甲状腺ホルモンは元気の源となるホルモンです。 「甲状腺機能低下症」によって甲状腺ホルモンが不足すると、心身ともに活力が失われてやる気が出なくなります。

 

睡眠時無呼吸症候群

「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。平均して1時間に5回以上、睡眠中に無呼吸(10秒以上息が止まる状態)がある場合は、「睡眠時無呼吸症候群」と診断されます。

 

「睡眠時無呼吸症候群」になると、睡眠の中断による睡眠不足と睡眠中の酸素不足によって、日中の強い眠気、やる気が出ない、集中力の低下、倦怠感などの症状が現れます。

 

更年期障害

「更年期障害」とは、加齢などによって女性ホルモンや男性ホルモンが減少して、心身のさまざまな不調が現れる病気です。更年期障害の症状は、人によってさまざまですが、主なものには次のようなものがあります。

 

・自律神経失調症状

ほてり、のぼせ、発汗、動悸、寒気、冷え、息苦しさ、頭痛、肩こり、めまい、疲労感

・精神的症状

情緒不安定、イライラ、怒りっぽくなる、抑うつ気分、不眠、意欲低下、不安感

・身体的症状

腰痛、関節、筋肉痛、手のこわばり、むくみ、しびれ、便秘下痢、吐き気、食欲不振、腹痛

 

更年期障害になると、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの分泌が低下して、やる気が出ない原因になります。

やる気が出ない原因を診断

一時的にやる気が出ないという状況は、誰にもあることです。しかし、以下のような状態に当てはまっている場合は、一度病院を受診して医師の診断や治療を受けた方が良いでしょう。

 

やる気が出ない状態が2週間以上続いている

やる気が出ない状態が2週間以上続いている場合は、うつ病や不安障害などの可能性があります。

 

日常生活や社会生活に支障が出ている

仕事や学校に行きたくない、家事が手につかないなど、これまでしていたことができなくなって、日常生活や社会生活に支障が出ている場合は専門家に相談しましょう。

 

精神的・身体的に不調を感じる

やる気が出ない以外にも、精神的・身体的に不調を感じている場合は、病気が原因の可能性があります。自分の症状に基づいて病院を受診しましょう。何科を受診するか判断する際には、次の症状を参考にしてください。

 

気分の落ち込みや強い不安:精神科・心療内科

体の不調(痛みや倦怠感など):内科

更年期障害かもしれない:女性は婦人科、男性は 泌尿器科や内科

 

症状が複合的に現れているケースなど、どの科を受診すればよいのか判断が難しい場合には、まずはかかりつけの病院や総合内科(総合診療科)を受診すると良いでしょう。

やる気が出ない時の対策

やる気が出ない時には、次のような対策をすると効果が期待できます。

 

生活リズムを整える

心や体の健康には、生活リズムを整えることが大切です。心身ともに健康であれば、自然とやる気が出ます。生活リズムを整えるには、規則正しい睡眠と起床時間、朝食を食べること、朝起きて日光を浴びる、適度な運動が大切です。特に、毎日同じ時間に起きて、朝食を食べ、朝日を浴びることで体内時計がリセットされやすくなります。

 

仕事や作業する環境を変えてみる

新しい環境に身を置くことで気分転換ができます。やる気が出ない時は、仕事や作業をする環境や場所を変えてみるのがおすすめです。

 

同じ場所であっても、部屋の中や机周りの整理整頓、照明の調整、机や椅子を変えてみるなどして、快適な環境を作ることでやる気が出ることがあります。好みの音楽を流すのも、ストレス解消や気分転換の効果があります。

 

作業を小分けにする

ゴールが見えないと人はやる気を出すのが難しいものです。作業をいくつかのステップに細分化して、小さな目標にしてみましょう。そしてToDoリストを作れば、目標を達成するための一つひとつのタスクが明確になります。また目標を達成した際に、自分へのご褒美を用意すると、目標達成のためのやる気が向上するでしょう。

精神的な病気でやる気が出ない方の就職や転職

先に説明した通り、うつ病や不安障害、適応障害などの精神的な病気が原因でやる気が出ないことがあります。これらの精神疾患を患っている方は、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を取得できる可能性があります。

 

障害者手帳を取得していると、障害者雇用枠での求人に応募することができます。障害者雇用枠を利用して就職転職すると、合理的配慮を受けやすい、周囲からの理解が得られやすいなどのメリットがあります。

 

「atGP(アットジーピー)」は、障害のある方の就職や転職を専門にサポートする求人転職情報・雇用支援サービスです。障害者雇用枠での求人の紹介だけでなく、障害に詳しいキャリアプランナーによる相談や応募書類の作成、面接の対策、企業との条件交渉まで一貫したサポートを受けられます。

まとめ

やる気が出ない原因には、さまざまなものが考えられます。やる気が出ない状態が長く続いていたり、やる気が出ないことで日常生活や社会生活に支障が出ている場合には、病院を受診することをおすすめします。まずは、かかりつけの病院や総合内科(総合診療科)に相談しましょう。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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