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自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)の特徴とセルフチェック

更新日:2025年11月07日

パーソナリティ障害は、思考や行動パターンに偏りがあって、それが原因で本人や周囲が苦しんでいる場合に診断される精神疾患です。パーソナリティ障害には、さまざまな種類がありますが、「自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)」は、誇大性・賞賛への欲求・共感性の欠如を特徴とするパーソナリティ障害です。本記事では、「自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)」の特徴や診断方法、自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)が疑われる人との接し方などについて解説します。
 

自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)の特徴とは

自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)は、自己の能力を過大に評価する、他者からの賞賛されたいという欲求、共感性の欠如を特徴とする精神疾患です。自己愛性パーソナリティ障害の方は、以下のような特徴が日常生活においてさまざまな言動として現れます。

 

誇大性

自己愛性パーソナリティ障害の方は、自分の能力を過大に評価して、自分の業績を誇張します。また、他の人より自分は優れている、独特である、特別であると考えています。自分の価値や業績の過大評価には、他の人の価値や業績を過小に評価することも含まれています。

 

賞賛への欲求

自己愛性パーソナリティ障害の方は、賞賛を受けないと気がすまないため、自尊心は他者からよく思われることに依存しています。賞賛が得られないと、不機嫌になったり怒ったりします。

 

共感性の欠如

他の人の感情を理解したり、それに寄り添ったりすることができない、あるいはしようとしないため、共感性が乏しい傾向があります。

自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害) チェックリスト

自己愛性パーソナリティ障害のチェックリスト(特徴や具体例)を紹介します。しかし、該当する項目が多かったとしても、必ずしも自己愛性パーソナリティ障害であるとは限りません。あくまでも参考程度に留めて、精神科や心療内科の専門医の診断を受けることが重要です。

 

自己愛性パーソナリティ障害の方の口癖や話し方の具体例

自己中心的で誇大な発言をする

・自分ほど〇〇について理解している人間はいない。

・あの程度のことは自分ならもっと簡単にできる。

・自分は特別な人間なので、普通のルールは当てはまらない。

 

他者を見下したり、批判的な発言をする

・あいつは全然能力がない。

・お前は何も分かってないな。

・お前はこんなこともできないのか。

 

責任を転嫁するような発言をする

・お前があんなことをしたから失敗したんだ。

・自分の責任じゃない、状況が悪すぎたんだ。

・お前がちゃんとやってくれないから、上手くいかなかったじゃないか。

 

事実を歪曲したり嘘をつく

・自分にとって都合の悪い事実についてねじ曲げて話す。

・明らかな証拠があるにも関わらず、自身の言動について否定する。

・ウソがばれそうになると、さらにウソを重ねる。

 

一貫性がない

・言うことがコロコロ変わる。

・自分がした発言を覚えていない。あるいは忘れたふりをする。

・相手によって発言や態度を変える。

 

自己愛性パーソナリティ障害の方の言動の特徴

・自分は特別な存在だと思っており、人より優れているという態度をとる。

・他人からの強い賞賛や注目を求め、得られないと不機嫌になったり怒ったりする。

・自分が権力を得たり、成功することを空想する。

・自分にとって都合が良いように他人を利用しようとする。

・他の人の気持ちや立場を理解しようとしない。

・他の人に強く嫉妬したり、自分が嫉妬されていると思い込む。

・傲慢な態度をとる。

・人を見下すような言動が多い。

・自分に対する少しの批判にも過剰に反応して、激しく怒ったり傷ついたりする。

・自分の失敗や間違いを絶対に認めず、他人のせいにする。

 

上記にあげた項目は、あくまでも自己愛性パーソナリティ障害の方に多く見られる言動の特徴です。複数あてはまった場合でも、必ずしも自己愛性パーソナリティ障害であるとは断定できません。正式な診断には、精神科や心療内科など専門医を受診する必要があります。

自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)障害の診断方法

通常、精神科や心療内科の医師は、米国精神医学会が発行する「DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)」の基準に基づいて、以下の9つの項目のうち、5つ以上に当てはまった場合に、自己愛性パーソナリティ障害の診断を下します。

 

・自分の重要性や才能について、誇大な、根拠のない感覚を抱いている。

・途方もない業績、影響力、権力、知能、美しさ、または素晴らしい恋という空想にとらわれている。

・自分が特別かつ独特であり、最も優れた人々とのみ付き合うべきであると信じている。

・無条件に賞賛されたいという欲求をもっている。

・特権意識をもっている。

・目標を達成するために他者を利用する。

・共感性に欠けている。

・他者を嫉妬しており、また他者が自分を嫉妬していると信じている。

・傲慢かつ横柄である。

自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)が疑われる人との接し方

自己愛性パーソナリティ障害の人、または疑われる人と関わる際に、知っておきたいのが接し方です。まずは相手の状況や特性を理解して、感情的にならないことが大切です。また、自己愛を尊重しつつも、理不尽や過度な要望に対しては、毅然とした態度で断ることも重要です。具体的には以下の点に注意すると良いでしょう。

 

理解と受容

・自己愛性パーソナリティ障害の人は、本人も苦しんでいることを理解する。

・欠点やミスを指摘すると、逆効果になるため避ける。

・本人を責めるような言葉や態度は、自己肯定感を低下させ、反発心を強める可能性がある。

 

具体的な対応

・理不尽な要求をされた場合には、対応できる範囲には応じるが、できないことはできないと明確に伝える。

・感情的に反論しない。

・相手の良い点も伝えるなど、プライドを傷つけない。

 

適切な距離感

・物理的、精神的な距離を保つ。

・必要であれば、関係を断つことも検討する

・自分自身のメンタルの健康を最優先に考える。

・周囲に相談し、一人で抱え込まない

自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)の原因と治療

自己愛性パーソナリティ障害の治療は、他のパーソナリティ障害に対するものと同じです。

 

 自己愛性パーソナリティ障害の原因

自己愛性パーソナリティ障害の発症には、遺伝子と環境要因が関わっている可能性があります。養育者が過度に批判的であったり、過度に賞賛したり甘やかしたりしていた場合に、自己愛性パーソナリティ障害を発症することがあり、ある仮説によると養育者が安定した自己感覚の発達につながらない形で、子どもと触れ合っていた可能性が示唆されています。

 

自己愛性パーソナリティ障害の人の中には、実際に特別な才能や能力があり、自己像を他の人からの賞賛や注目と結びつけるのに慣れている人もいます。

 

自己愛性パーソナリティ障害の治療

自己愛性パーソナリティ障害の治療では、精神療法(心理療法)が重要な役割を果たします。また、薬物療法も症状の一部を緩和する効果が期待されています。

 

●精神療法(心理療法)

精神療法は、言葉のやり取りや心理的な手段を用いて、患者の精神的な問題を解決したり、症状を改善したりする治療法で、対話療法とも呼ばれています。精神療法には、さまざまなアプローチの仕方があり、治療する症状や患者のニーズに応じて選択されます。主な療法の種類は次の通りです。

 

・認知行動療法

認知行動療法は、患者の否定的な思考や行動を変えることを目指した療法です。心の悩みやストレスを抱える人が、より楽に過ごせるように、考え方や行動を改善していくことを目指す療法です。

 

・精神分析療法

精神分析療法は、精神科医・精神分析学者のフロイトが考案した治療法で、無意識に抑圧していた感情や記憶を掘り下げて、意識化することで抑圧から起こっていた精神疾患の症状の改善を目指す療法です。

 

・対人関係療法

対人関係療法は、対人関係に焦点を当てて、感情や行動、関係を変化させることで、精神的な問題を解決したり、対処法を身につける療法です。

 

・支持的精神療法

支持的精神療法は、患者の感情や思考を理解し、共感的な態度で接することで、患者が抱えるストレスや不安を軽減し、自己肯定感を高めることを目指す療法です。

 

●薬物療法

パーソナリティ障害の方は、うつ病や不安障害などを合併しやすいため、その症状を緩和するために薬物療法が用いられることがあります。

自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)の方が就職活動で悩んだ時には

自己愛性パーソナリティ障害の方は、自己中心的で誇大な発言をしたり、他の人を見下したり、批判的な発言をするなどの特徴があるため、就職活動がなかなか上手くいかないケースがあります。そんな時には、一人で悩みを抱え込まずに専門家に相談しましょう。

 

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まとめ

自己愛性パーソナリティ障害は、誇大性・賞賛への欲求・共感性の欠如を特徴とする精神疾患です。本記事では、自己愛性パーソナリティ障害の特徴や具体例を示してチェックリストを紹介しましたが、あくまでも参考程度にとどめて、正式な診断は精神科や心療内科など専門医を受診する必要があります。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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