障がい者(障害者)の求人転職情報・雇用支援サービス

  1. 障害者求人・雇用支援サービスTOP
  2. atGPしごとLABO
  3. お仕事ノウハウ
  4. メンタルヘルス
  5. ストレスマネジメントの方法や効果は?職場に導入する際の進め方を紹介

お仕事ノウハウ

ストレスマネジメントの方法や効果は?職場に導入する際の進め方を紹介

更新日:2022年09月26日

私たちは、日頃の生活や仕事でさまざまなストレスを感じています。生きていく上で、すべてのストレスを避けることはできませんが、過度なストレスは身体や心の健康に悪影響を与えることがあるため、自分でストレスを管理することが大切です。そこで最近注目されているのが、ストレスを予防したり適切に対処するためのストレスマネジメントです。

ストレスマネジメントとは

 

どんな人でも日常生活を送る中で多少のストレスを感じるものです。しかし、中にはストレスによって身体的や心理的にさまざまな症状が出たり、問題行動を引き起こす原因となることがあります。

 

このような身体や心に悪い影響を与えるストレスに対して、自分でどのように向き合って対処するかを考えることを「ストレスマネジメント」と言います。ストレスによる心身の不調を防ぐには、ストレスを感じた時の適切な対処法を理解してストレスと上手に付き合うことが大切です。

ストレスとは

ストレスとは外部から刺激を受けた時に、心や身体に生じる緊張状態のことを指します。外部からの刺激には、悩みや不安、体の不調、病気、人間関係、天候などのさまざまな要因があります。このストレスの原因となる刺激を「ストレッサー」と言います。

ストレスを軽減するには、ストレスの原因であるストレッサーの環境を改善することが必要です。ストレッサーによる刺激が続けば心身が不調になることがあります。この心身の変化が「ストレス反応」です。主なストレッサーやストレス反応には次のようなものがあります。

 

主なストレッサー

 

主なストレッサーには次のようなものがあります。

 

物理的ストレッサー

「物理的ストレッサー」は、温度や光、音など物理的な環境の刺激のことです。職場では、部屋の温度が暑すぎるまたは寒すぎる、日差しや照明が眩し過ぎる、室内が暗すぎる、工事や自動車、飛行機などの音がうるさいなどが、ストレスの要因となります。

 

化学的ストレッサー

「化学的ストレッサー」とは、化学物質や薬物、金属、アルコール、タバコなどが要因の刺激のことです。これらの要因による目や鼻、のど、皮膚への刺激の他、ニオイ、空調環境(酸素欠乏)などもストレッサーとなります。

 

心理・社会的ストレッサー

「心理・社会的ストレッサー」は、人間関係や仕事上の問題、家庭の問題など、日常生活や社会生活を送る上で、直面するストレッサーです。普段、私たちがストレスと呼んでいるものの多くは、この「心理・社会的ストレッサー」が要因となっています。職場では、上司や同僚との人間関係や、仕事の量や質などさまざまなものがストレスの要因になります。

 

身体的ストレッサー

体調不良や病気、ケガ、疲労、睡眠不足などが「身体的ストレッサー」です。

 

「物理的ストレッサー」と「化学的ストレッサー」は外部環境や社会環境を要因としていることから「外的ストレッサー」、「心理・社会的ストレッサー」と「身体的ストレッサー」は、個人的な心身の状況の変化を要因としているので「内的ストレッサー」と分類されることがあります。

主なストレス反応

ストレッサーによって引き起こされる主なストレス反応は、身体面、心理面、行動面の3つに分けることができます。主なストレス反応には、次のようなものがあります。

 

身体的反応

疲労、だるさ、頭痛、肩こり、腰痛、体のふしぶしの痛み、目の疲れ、動悸や息切れ、めまい、胃痛、食欲低下、過食、便秘や下痢、不眠などさまざまな症状があります。

 

心理的反応

集中力や気力の低下、イライラ、不安、気分の落ち込み、興味・関心の低下、物忘れなどがあります。

 

行動的反応

日常生活の乱れ、飲酒量や喫煙量の増加、仕事でのミスや事故、暴言暴力などがあります。

これらのストレス反応が長く続く時には、過剰なストレスを感じている可能性があります。ストレスマネジメントによって、ストレスに対処することが必要です。

ストレスマネジメントがもたらす効果

ストレスマネジメントを行うことで期待できる効果について紹介します。

 

精神面の健康を保てる

ストレスによる心的反応には、不安や気分の落ち込みなどがあり、ストレスが蓄積するとうつ病や自律神経失調症などの病気を引き起こすことがあります。もし、病気になれば最悪の場合には、休業や離職となってしまいます。

 

ストレスマネジメントによって、ストレスと上手く付き合うことができれば、従業員のメンタルヘルスを健康に保つことができます。メンタルヘルスを健康に保つことで、従業員は生き生きと活躍することができ、生産性の向上が期待できます。

 

職場環境の改善

物理的ストレッサーや化学的ストレッサーといった外的なストレス要因を改善することで、働きやすい職場環境を整備できます。職場環境の改善は、従業員のモチベーションや生産性の向上につながり、結果的に離職を防ぐ効果もあります。

 

ハラスメントの防止

職場でのストレスには、人間関係が要因となっている場合もあります。従業員がストレスマネジメントを実施することで、ストレスについての理解が進みます。職場でのストレスで大きな問題になっているものには、パワハラやセクハラといったハラスメントがあります。

 

従業員が心理的や社会的なストレス要因を理解することで、ハラスメントの発生を防ぐ効果が期待できます。

ストレスマネジメントの方法

この章では、職場にストレスマネジメントを導入する方法を紹介します。

 

①セルフケア

自分自身でストレスに気づいて、ストレスを予防したり解消することを「セルフケア」と言います。職場でのストレスの要因になっているストレッサーについては、自分だけでは改善できないことが多いことから、セルフケアでは自分のストレスの状態を把握することに重点が置かれています

 

ストレスの状態を把握するには、ストレッサーに対するストレス反応や心の健康状態についても理解することが必要です。

 

また企業は、ストレスを予防できるように「レスト(Rest):休息、休養、睡眠」「レクリエーション(Recreation):運動や旅行、趣味、娯楽」「リラックス(Relax):ストレッチ、瞑想や音楽」の「3R」を取り入れられるように、従業員に促すことも大切です。

 

ラインケア

上司やチームリーダーなど管理職の人が、部下のストレスマネジメントを行うことを「ラインケア」と言います。

 

「セルフケア」では、ストレスがあることに本人が気づかないケースもあります。ラインケアで大切なのは、部下の変化にいち早く気づくことです。遅刻や無断欠勤をしていないか、仕事の効率が落ちたりミスが多くなっていないか、落ち込んでいたり元気がなかったりしていないかなど、しっかりと部下とコミュニケーションを取って、普段と違うことがないか観察しましょう。

 

また、部下がストレスによる心身の不調に気づいた時には、気軽に相談できる雰囲気や環境を整えておくことも大切です。

 

③社内のストレスマネジメント体制の構築

職場でストレスマネジメントを実施する際には、「ストレスマネジメントの導入や実施案の企画立案」、「労働条件や労働環境の改善」「事業所内でのストレスマネジメントの推進」など担当を決めて、社内の推進・定着体制を構築する必要があります。それらの担当者が中心となって、従業員や管理職の支援を行うことが大切です。

 

④社外の専門家との連携

社内でストレスマネジメントをすべて行うのは、人材に余裕がない中小企業では難しいのではないでしょうか。そのような場合には、社外の専門家や専門機関と連携して、情報提供や助言を受けるなど、積極的に社外のリソースを活用しましょう。

 

全国47の都道府県に設置されている「産業保健推進センター」では、ストレスチェック制度の導入やメンタルヘルス不調の予防、休職からの職場復帰支援までメンタルヘルス対策全般についての相談を行っています。

まとめ

過度なストレスは身体や心の不調を引き起こします。しかし、日常生活や職業生活を送る上で、すべてのストレスを避けることができません。従業員の身体や心の健康を保つには、セルフケアだけでなく、職場ぐるみでのストレスマネジメントが必要です。

 

ストレスマネジメントには、従業員の健康を保つだけでなく、職場環境の改善による生産性の向上や、ハラスメントの防止など、さまざまな効果が期待できます。「産業保健推進センター」などの専門機関に相談するなどして、積極的にストレスマネジメントに取り組みましょう。

 

アバター画像

ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

このライターの記事一覧を見る

注目記事PICK UP!

対象から記事を探す

公式SNSはこちら

会員登録 無料

atGPトップ
各種サービス
求人を検索する 求人を紹介してもらう スカウトを受ける 就労支援サービス 就職・転職ノウハウ
お問い合わせ・よくある質問
お問い合わせ よくある質問