うつ病で休職する時の給料や期間は?診断書は必要?手続きと過ごし方
更新日:2026年01月15日

うつ病などを患ってしまい働き続けることが難しくなってしまった場合に、退職ではなくまずは休職して療養に専念することを考えてみてはいかがでしょうか。しかし、休職するにあたっては知らないことが多くて、不安を感じることも多いと思います、一体どれぐらいの期間休職できるのか、休職するのにどのような手続きが必要なのかなど、分からないことだらけだと思います。また、休職期間中はどのように過ごせば回復が早まるのかといった点も、気になるところだと思います。さらに、休職中の生活費をどうすれば良いのかといった点も大きな問題となるでしょう。ここでは、そのような休職に関する疑問を詳しく解説していきます。
目次
うつ病で休職中の給与、手当、保険について

休職中の給与は企業規定により異なり、一般的には無給となるケースが多いです。まずは自社の就業規則で支払い条件を確認しましょう。社会保険加入者であれば、無給の場合でも以下の支援制度を受けられる可能性があります。
| ● 傷病手当金
● 自立支援医療 ● 精神障害者保健福祉手帳 |
なお、無給時も社会保険料の支払いは発生するため、手当の活用と併せて、事前の資金確認が不可欠です。
傷害手当金が支給される条件
傷病手当金は、以下の4つの条件をすべて満たす場合に支給されます。
| ● 業務外の病気や怪我による休業であること
● 働くことができない(労務不能)状態であること ● 連続3日を含む4日以上仕事ができないこと ● 休業期間中の給与が支払われないこと |
この四点のうち、給与の支給を一部のみ受けている場合には傷病手当金から給与支給額を差し引いた金額を受け取ることが可能です。
また、このように傷病手当金の支給を受けている場合であっても、社会保険料の自己負担分は免除されず支払い続ける必要がある点に注意しましょう。
待期期間について
支給開始には、最初の3日間連続して休む「待期」の完成が不可欠です。待期には有給休暇や公休日も含めますが、途中で1日でも出勤すると待期は成立せず、4日目からの支給も受けられません。まずは「連続して3日間休むこと」が受給の必須条件となります。

うつ病の休職期間はどのくらい?
休職期間の上限は企業の就業規則により異なりますが、一般的には「6ヶ月〜1年」程度に設定されているケースが多いです。実際の期間は、医師の診断に基づき症状に合わせて柔軟に判断されます。
症状別の休職期間の目安は以下の通りです。
| ● 軽度:1ヶ月程度(憂鬱や不眠等があるが、何とか働ける状態)
● 中等度:3〜6ヶ月程度(遅刻や早退が増え、業務に支障が出る状態) ● 重度:1年程度(欠勤を繰り返し、長期の療養が必要な状態) |
まずは自社の規定を確認し、主治医と相談しながら自分に合った療養期間を検討しましょう。
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うつ病で休職することになったらどのような手続きが必要?

1.医師に相談し診断書をもらう
休職を検討する際は、まず専門医や専門機関へ相談し、「診断書」を取得しましょう。会社へ休職を正式に申し出るには、医師による客観的な証明が不可欠だからです。
心療内科や精神科を受診し、現在の体調では仕事を続けるのが困難であることを正確に伝えてください。診断書の発行には時間がかかる場合もあるため、早めの行動が大切です。かかりつけ医がいない場合は、勤務先の産業医に相談するのも有効です。適切な医療機関の紹介や、労働環境の調整について助言が得られます。
また、就労支援機関の活用も有効です。専門医の診断により、原因が仕事の進め方や体調管理にあると判明した場合、適切な助言や指導が受けられます。中には会社との間に入って、業務量や勤務時間などの労働環境の調整を行ってくれる機関もあるため、積極的に活用しましょう。
家族の理解も得つつ、専門機関のサポートを最大限に利用して、安心して療養に専念できる環境を整えてください。
2.会社の休職制度を確認する
専門医から診断書を発行してもらった後、最も重要なステップは「勤務先の就業規則(ルール)」を正確に把握することです。
休職制度は法律で一律に定められたものではなく、会社が福利厚生の一環として任意で設けているものです。そのため、内容を勘違いしていると、休職中の生活設計が狂ってしまうリスクがあります。特に重要なのは以下の4点です。
| ● 給与と手当 休職中は無給が一般的です。健保から支給される「傷病手当金(給与の約3分の2)」の受給条件を把握しましょう。 ● 期間
● 社会保険
● 復職条件 |
休職は、心身をしっかりと休めるための大切な権利です。お金や期間の不安を事前に解消しておくことで、治療に専念できる環境を整えましょう。
3.休職中の会社との連絡手段を決める
休職に入る前に、会社との「連絡手段」と「頻度」を明確に決めておきましょう。うつ病などの療養中は、電話やメールへの返信すら負担になる時期があるためです。ルールを事前に定めることで、不定期な連絡によるストレスを防ぎ、療養に専念できます。
確認のポイントは以下の3点です。
| ● 窓口の一本化 複数の担当者ではなく、特定の一人に絞ることで心理的負担を軽減します。 ● 手段の選択
● 頻度の設定 |
あらかじめ心づもりをしておくことが、心身の負担を抑える大切な備えとなります。
休職制度について
休職とは、うつ病等で就労が不適当と判断された際、雇用関係を維持したまま労務を免除・禁止される制度です。厚生労働省のモデル就業規則に定義はありますが、労働基準法で一律に定められたものではありません。
そのため、期間や復職条件などは各企業の「就業規則」に委ねられており、会社によって対応が異なります。自身の雇用形態で制度が適用されるかを含め、まずは社内規定を正しく把握することが重要です。
休職期間中はどのように過ごすべきか
ここまで解説してきたとおりに休職と傷病手当の手続きを終え、安心して会社を休める状態になった場合に、どのようにして過ごすべきなのでしょうか。
うつ病の場合、まずは心と体を十分に休めることが一番重要になってきます。この間も、医師に指定されたペースで通院することを忘れないようにしましょう。
きちんと医師の指示通りに通院していくことで、医師から「もう少し休養が必要」、「そろそろ外出しても構わない」といった的確なアドバイスを受けることができます。
外出の許可が下りたら、家の周囲を散歩するなどの軽い運動を行い、夜寝て昼起きるという生活リズムを作りましょう。また、一日三食バランスの取れた食事を取ることも大切です。
このようにして、生活リズムを整えていきましょう。
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この休職期間中に、復職のことを考えておく必要があるのですが、その点も自分で考えるとともに医師に相談してみましょう。
もし、どうしても復職することが難しいと感じる場合は、転職の準備をしておく必要があります。このような場合には、自分がストレスなく働くためにはどのような職場が向いているかといった点についてよく考えておくようにしましょう。
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会社に休職制度がない時の対応
会社に休職制度がない場合でも、病気やケガですぐに退職する必要はありません。法律上、休職制度の設置は義務ではありませんが、労働者には守られるべき法的権利があります。
ここでは、主な対応策である「有給休暇の活用」と「労災申請」を中心に解説します。
有給休暇の活用
会社独自の休職制度がなくても、法律で定められた「有給休暇」は労働者の正当な権利として利用可能です。有給休暇を利用すれば、欠勤期間中も給与が100%支払われるため、経済的な不安を最小限に抑えて療養に専念できます。
この権利行使に会社の許可は不要であり、原則として労働者の意思で取得できるため、まずは残日数をすべて消化して療養期間を確保しましょう。
ただし、有給には日数制限があるため、使い切った後は欠勤扱いとなります。その際は、健康保険から給与の約3分の2が支給される「傷病手当金」の申請も併せて検討してください。
労災申請(仕事が原因の場合)
病気やケガの原因が業務や通勤にある場合は、会社の制度に関わらず「労災保険」を申請できます。労災として認定された場合、労働基準法によって強力な「解雇制限」が適用されます。
具体的には、療養のための休業期間およびその後30日間は、会社は労働者を解雇することができません。これは、たとえ就業規則に休職規定がない会社であっても適用される法的保護です。
さらに、休業4日目からは給与の約8割相当が「休業補償給付」として支給されるため、長期の療養でも生活を維持しやすくなります。
制度がないことによる即時解雇は可能か?
休職制度がないからといって、病気になった瞬間に解雇することは、多くの場合で「解雇権の濫用」とみなされます。
裁判例では、会社側は「他の軽い業務への配置転換」や「回復の見込み」を十分に検討する義務があるとされています。これらを怠った解雇は不当解雇となる可能性が高いため、安易に退職勧奨に応じる必要はありません。
もし不当な扱いを受けた場合は、弁護士や労働基準監督署などの専門機関へ相談することをお勧めします。
復職する時のポイント
休職期間を経て復職を目指す際、最も大切なのは「焦らず、再発を防ぐための準備を整えること」です。体調が回復したと感じても、即座に以前と同じパフォーマンスを発揮しようとすると、心身に大きな負荷がかかり再休職に至るリスクがあります。
以下に、復職を成功させるための重要なポイントを4つのステップで解説します。
1. 生活リズムの立て直しと「通勤」のシミュレーション
復職の前提条件は、会社の始業時間に合わせて起床し、決まった時間に活動できる「生活リズム」が整っていることです。 まずは、毎日決まった時間に起きて日光を浴び、バランスの良い食事を摂る習慣を取り戻しましょう。また、体力の回復を確認するために、実際の通勤時間に合わせて外出したり、図書館やカフェなどで数時間過ごしたりする「模擬出勤」を行うことも有効です。これにより、移動による疲労感や集中力の持続時間を客観的に把握できます。
2. 主治医による客観的な判断と診断書
自分の感覚だけで「もう大丈夫」と判断するのは危険です。必ず主治医に相談し、医学的な見地から「復職可能」という判断を仰いでください。 診断書を書いてもらう際には、単に「就業可能」とするだけでなく、「残業の制限」や「短時間勤務の必要性」など、復職にあたって配慮すべき事項を具体的に盛り込んでもらうよう相談しましょう。
3. 会社側との事前面談と「合理的配慮」の調整
復職前に、上司や人事担当者、産業医と面談を行い、復職後の働き方を詳細に打ち合わせます。
| ● 業務内容の調整 責任の重い仕事や多忙な部署から一時的に離れるなどの配慮。
● 勤務時間の調整
● 通院の確保 |
これらは、労働者が安定して働き続けるために必要な「合理的配慮」として、会社側と合意形成しておくことが再発防止に直結します。
4. 復職直後の「6割」を目指すマインドセット
復職直後は、周囲への申し訳なさから「早く遅れを取り戻したい」と無理をしてしまいがちです。しかし、まずは「欠勤せずに職場へ行き続けること」を第一目標にしてください。 仕事の完成度は100%を目指さず、まずは6割程度で十分と考え、余力を残して帰宅することを意識しましょう。疲れを感じたら早めに周囲に相談し、周囲のサポートを適切に受けることも大切なスキルです。







