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高次脳機能障害って何?高次脳機能障害の方に向いている仕事とは

更新日:2021年12月28日

高次脳機能障害は、別名「見えにくい障害」と呼ばれるほど外見からは障害があることに気付かれにくい障害です。障害のない人には難なくできることが高次脳機能障害をのある方にはできないことも多く、そのため学校や職場などで肩身が狭い思いをすることも珍しくありません。また、見た目で障害があると周囲の人に理解してもらいづらいという特性から、仕事を見つけ就職したり就職してからその職場で長く働き続けることが困難になってしまうケースもあります。ここでは、そのような高次脳機能障害の特性や職場で仕事をスムーズに進めるための工夫、就職先の見つけ方などについて解説していきます。

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、病気やケガによって脳に損傷を負ったことが原因となって知的な機能に障害が生じてしまい、日常生活や仕事や学校などの社会生活に支障をきたしてしまう障害のことを言います。

 

脳梗塞を発症した場合を例にとると、体のマヒはリハビリと治療によって改善することができても、失語症などの障害が出ることによって元のような生活を送ることができないなどというケースのことを言います。

 

このように、何らかの影響で脳に損傷を受けた場合にその後遺症として注意力や記憶力、社会行動などの認知機能が低下した状態のことを高次脳機能障害と言います。

高次脳機能障害の原因って何?

高次脳機能障害の原因となるのは脳梗塞、くも膜下出血、脳出血、モヤモヤ病などの脳血管疾患が全体の約80%を占めており、次いで頭部への外傷が約10%、残りの10%が脳炎や脳腫瘍、エイズ脳炎などの感染症、全身性エリテマトーデス、正常圧水頭症、神経ベーチェット病などの自己免疫疾患、薬物やアルコール中毒によるもの、多発性動脈硬化などさまざまな病気によって引き起こされます。

 

10代から20代の若い方の高次脳機能障害の原因は、圧倒的に頭部に外傷を負ったケースが多く、高齢になるにしたがって脳血管障害が原因となるケースが増えてきます。

 

そのため、高血圧などの生活習慣病を患っている方は薬をきちんと飲むことや、正しい食生活、運動を行うことを心がけることで、脳血管障害を引き起こすリスクを低く抑えることが重要になってきます。

高次脳機能障害の症状にはどのようなものがある?

高次脳機能障害には、どのようものがあるのでしょうか。

ここでは、高次脳機能障害の代表的な症状について解説していきます。

 

記憶障害

健常者の場合は「新たな経験を保存し、その経験を後になって意識や行動の中で再生させる」ことができます。

記憶の中には意味記憶やエピソード記憶、手続き記憶などの種類がありますが、高次脳機能障害の場合、エピソード記憶に障害が出ることがほとんどです。

新しいことを覚えることができないため、今見聞きしたことを忘れてしまうという症状が出てしまいます。

 

 

注意障害

注意障害とは外からの刺激に対して注意を向け、なおかつその注意を持続し続けたり、変換したり、また無関係の刺激を抑制したり、あるいは同時にいくつもの刺激に注意が向いてしまったりする障害のことを言います。

具体的には周囲の状況に気付かない、集中できない、落ち着かないなどといった症状が見られます。

 

 

遂行機能障害

遂行機能障害とは目的を持って一連の物事を行う場合に段取りを立て、手順を考えて効率よく行うことができなくなってしまうという障害です。

この機能を上手く働かせるためには、言語、思考、記憶、推理、判断などの機能を総合的に使いこなす必要がありますが、遂行機能障害のある方にはそれが上手くできません。

遂行機能障害の具体的な症状には、計画を立てることができない、自分から行動を開始することができないなどといったものがあります。

 

 

社会的行動障害

社会的行動障害とは、状況に適した行動を取ることができないというものです。

社会的行動障害の具体的な行動には、怒りっぽい、すぐにパニックになる、何もしようとしないといったものがあります。

高次脳機能障害の治療法は?

高次脳機能障害のある方に対しては、どのような治療を行うのでしょうか。

 

この障害のある方に対する治療は、社会生活や日常生活への適応能力を高めるためのリハビリテーションがメインとなります。

 

高次脳機能障害を発症してからはじめの半年程度は病院で医学的なリハビリテーションを行い、それ以降は施設などでの生活訓練プログラムや職業訓練プログラムなどを行い、合計で1年間程度のリハビリテーションを行います。

高次脳機能障害がある方が働きやすい職場や業界、職種とは

高次脳機能障害のある方にとって働きやすい職場や業界、職種などはあるのでしょうか。

ここでは、高次脳機能障害のある方が働きやすい仕事などのついて解説していきます。

 

働きやすい職場

高次脳機能障害の方は、働きやすい職場環境を整えてくれる職場を選ぶことで、長期就労に繋げることができます。

 

高次脳機能障害のある方にとって働きやすい職場環境とは、自身の障害の症状によって変わりますが、以下が挙げられます。

 

・こまめに休憩を取ることができる

・休憩時間など作業をする必要がない時に上司や同僚が声かけを日常的に行ってくれる

会社の中で与えられた役割をしっかりこなせていることをフィードバックするため、定期的に上司や人事の担当者との面談が行われる

・周囲の人が高次脳機能障害のある方の指導担当者や相談役などの役割を分担して行っている

 

高次脳機能障害のある方自身も自分の障害をしっかりと把握して、どのような配慮が必要であるかをしっかりと上司や同僚に伝えることも非常に重要になります。

 

 

おすすめの業界

高次脳機能障害を抱えている方は、他の人と密にコミュニケーションを取る必要がある業界はあまり向いていません。

一人でコツコツと作業を行う仕事が多い業界が向いています。

 

 

おすすめの職種

高次脳機能障害のある方におすすめの職種とは、臨機応変な対応や自分で判断を行う必要が少ない仕事がおすすめです。

周囲から指示してもらいながら行う仕事や、同じことを繰り返し行う仕事を選ぶとよいでしょう。

向いている仕事の具体例としてはオフィス内での事務作業、店舗の清掃やサポート業務、軽作業などがあります。

 

事務仕事は毎日繰り返しの業務が多く、上司など相談できる人がすぐそばにいるためするべきことを忘れてしまったときなどにすぐにサポートしてもらうことができます。

 

店舗の清掃やサポート業務は、覚えることが少なく、難しい判断が伴なわないため働きやすい職種です。

 

症状が重い場合や判断力を伴う仕事を苦痛に感じる高次脳機能障害のある方には、軽作業がおすすめです。

軽作業とは荷物の梱包や仕分け、組み立てや商品管理などさまざまな業務がありますが、このような業務の中から自分にとって苦痛にならない仕事を見つけるようにしましょう。

 

仕事でみられる高次脳機能障害の特性への対応策

仕事の際、高次脳機能障害の特性によって仕事を上手くできないケースがあります。

 

そのようなときには、さまざまな工夫を行うことによって「仕事のしにくさ」を克服することができます。

 

ここでは仕事を遂行しにくくする高次脳機能障害の特性と、その対応策について解説していきます。

 

 

仕事の手順を覚えられない

高次脳機能障害のある方は、仕事の手順を覚えられないことがあります。

 

そのような場合には、仕事の手順の全体の流れや現在の進行状況をスケジュール帳に書き出して「見える化」することで、思考や記憶を整理することができ、それによってそれ以降にするべき作業などを明確にすることができるようになります。

 

書き起こした仕事の流れをいつも目に見える場所に置いておくと、現在行っている作業に集中することができ、また議論にも集中することができます。

 

また仕事のチェックリストを作っておくことで、一日の進捗状況を落ち着いて振り返ることができ、明日の仕事に繋げることができるようになります。

 

 

口頭のみでの指示は理解しにくい

高次脳機能障害のある方には、口頭での指示のみでは内容を理解しにくいという特性があります。

 

このような場合には、マニュアルや指示書を用意してもらい口頭と書面の両方で指示の内容を明確にしてもらうとよいでしょう。

 

マニュアルや指示書を作成してもらうことで、高次脳機能障害のある方が指示の内容を忘れてしまった場合でも、何度も内容を聞き直すことなく書面化された内容を確認することができ、指示の内容を理解することができるようになります。

 

指示は1つずつ出してもらうことも大切です。

 

 

接客など臨機応変な対応は苦手で、コミュニケーションが図りにくい

 

接客など臨機用変な対応が苦手で、コミュニケーションが図りにくいといった悩みのある方も高次脳機能障害のある方の中には少なくありません。

 

接客などがメインの仕事に関して言えば、高次脳機能障害のある方には向いているとは言えないため、他の職種での就職をおすすめします。

 

高次脳機能障害のある方に向いている職場や職種であっても、上司や同僚とコミュニケーションを行う必要は必ずあります。

 

そのような場合には、静かで気が散るものが少ない落ち着いた環境で、お互いの顔が見える位置をとり、分かりやすい言葉を相手に選んで話してもらうようにしましょう。

 

高次脳機能障害の方の仕事の探し方

高次脳機能障害のある方には、どのような仕事探しの方法が有効なのでしょうか。

ここでは、高次脳機能障害のある方の仕事探しについて解説していきます。

 

ハローワーク

ハローワークは障害者枠の求人も専門の窓口を設けて取り扱っています。

このようなハローワークの障害者枠求人専門の窓口では、障害や疾患がある方に対する求人の紹介以外にも、就職に関する相談やカウンセリングも行っています。

 

 

障害者就業・生活支援センターなどの行政サービス

高次脳機能障害のある方は、障害者就業・生活支援センターで就業に関するサポートを受けることができます。

障害者就業・生活支援センターは、より身近な地域において保健福祉や教育、雇用などの連携拠点として就業と生活に関する相談支援を一体化して行っています。

 

 

障害者専用転職サービス

障害者専用の転職サービスとは、障害者の転職をサポートしてくれる民間の企業です。

このようなサービスを利用すると、障害者の就職や転職に関するプロにひとりひとりの特性に合った仕事を探すサポートしてくれます。

このような障害者専用転職サービスでは仕事探し以外にも、模擬面接や提出書類の添削、就職後の相談などに至るまで一貫したサポートを受けることができます。

 

atGP(アットジーピー)とは

atGPとは、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する各種障害者就職および転職支援サービスの総合ブランドです。

 

20年以上障害者の就職や転職の支援を行ってきた、日本の障害者雇用のパイオニアともいえる存在がatGPです。

 

atGP就職や転職に関するサービスは、無料で受けることができます。

 

障害や難病のある方に将来のビジョンも含めて、ひとりひとり異なる不安や悩みに関して専属のエージェントが二人三脚で寄り添い、サポートを行ってくれます。

 

高次脳機能障害のある方が就職や転職をしたいと思った場合には、atGPへの相談が転職への近道となるかもしれません。

 

atGPエージェント

まとめ

高次脳機能障害の原因や治療法、症状や仕事をしていくうえでの工夫、就職や転職を行う際に支援を受けることができる機関について解説していきました。

 

高次脳機能障害への理解を深めるとともに、その障害の特性に合った職種や職場環境の会社を選ぶことで就職や転職も不可能ではないことがお分かりいただけたと思います。

 

高次脳機能障害を抱えながら自分に合った仕事をしたいと思った場合には、自分一人で悩まずにここで紹介した機関に相談してみることをおすすめします。

 

atGPエージェント

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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