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吃音でコミュニケーションが不安という人に抑えてもらえたいポイント

更新日:2023年08月01日

吃音(きつおん)は一昔前までは”どもり”と表現され、さほど珍しいものではなく、100人に1人ほどは吃音のある人がいると言われています。身近ではありますが、一般的には障害という認識は薄く、からかわれたり、社会的な差別を受けることもあります。しかし、発達障害の研究や認知が進んだ21世紀になると、日本でも発達障害者支援法下で支援の対象になっており、環境の調整やトレーニングにより緩和できることもわかっています。まだまだ治療法は確立されていませんが、ここでは主に吃音がある方が他者とコミュニケーションを取るうえでのポイントをご紹介していきます。

吃音とは

吃音(きつおん)は、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。吃音は一般的に、最初の言葉につまって何回か繰り返すイメージですが、実際には、よく知られている音や言葉の繰り返しをする「連発」の他に、言葉をひきのばす「伸発」、言葉がつまってうまくでてこない「難発」の3種類があります。

 

連発:最初の音を何回か繰り返してしまう 「き、き、き、昨日のことだけど」

 

伸発:最初の音や語尾の音を長く伸ばしてしまう 「きーーーのうのことだけど」

 

難発:なかなか言葉が出てこない 「・・・・・昨日の・・・・こと・・・だけど」

 

このような吃音は、子どもに多くみられる症状で、コミュニケーション能力の発達とともに緩和しますが、大人になっても症状が続いているケースも珍しくはありません。

吃音の原因

吃音には、発達性吃音という「体質的要因」「発達的要因」「環境要因」が互いに影響し合って発症するものと、「神経学的疾患」「脳損傷」「心的なストレス」によって発症する獲得性吃音があります。

 

発達性吃音

幼児期に発症し、他の発達障害と併発することもみられる。先天的な要因が大きい。吃音の大半はこの発達性吃音と言われている。

 

獲得性吃音

十代後半以降に発症する吃音。神経や脳機能の障害以外にも不安障害などの精神疾患が原因となっていることもある。

 

症状に早く気づき、話す際に工夫をしていくとそれが固定化して自然に治るケースが多いが、症状が長く続くことで不安や不満を感じ、楽に話せなくなったり、言葉がつまってしまう傾向があります。

吃音の治療

吃音には確立した治療法はなく、症状を和らげる対処法を行っていくことが大切になります。対処法としては主に以下の3つがあります。

 

1.環境調整

業務に支障が出る場合に、別の業務への変更や上司など周りに相談をして自分が働きやすい環境に整える

 

2.発話訓練

リハビリテーション科のある病院や耳鼻咽喉科で、言語聴覚士による言葉の訓練を行う

 

3.支援機関の活用

発達性吃音は発達障害者支援法の対象疾患となっているため、医師の診断によっては障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の取得が可能となり、自治体が設置する障害者の就労や生活を支援する機関や障害者総合支援法上のサービスが利用できます。

障害者手帳を取得すると障害者枠での就職が可能となり、会社から合理的配慮を受けやすくなり、障害への理解や適切な環境づくりについても会社との話し合いの中で進めていけるので、仕事が長く続けやすくなります。

 

また、手帳を取得することで、障害者総合支援法の福祉・医療サービスや、市町村独自の障害者支援施策も利用できますので、就労面だけではなく経済面、交通面、様々な施設の利用など社会生活全般が充実する可能性があります。

吃音がある方のコミュニケーションのコツ

「話す」ことよりも「伝える」ことを意識する

・吃音の症状があるとどうしても「うまく話す」ことに意識が向いてしまうため、「相手に伝える」ことを意識するように心がけます

・言葉のみで伝えるのではなく、図や写真、ジェスチャーなどを取り入れる

・重要な話の場合は、あらかじめ文章にまとめておき、相手に渡すとよい

 

会話だけがコミュニケーションの手段ではないことを念頭に置きましょう。相手に伝わればよいと考えられればその方法は意外とあるものです。特に、現在ではインターネットの普及により、パソコンはもちろんスマホも身近なコミュニケーションツールであり、コロナ禍以降、一層これらの活用はビジネスでも進んでいます。実際に文章を書いたり、入力することで考えがより一層深まり、記録として残ることで別の相手に送ったり、証拠として残すことができるというメリットもあります。

 

苦手な言葉は別の言葉に置き換える

・言いにくい言葉や発音がある場合は、別の言葉に置き換えて話す

特定の音が発音しにくい傾向がある場合、特に普段の生活やビジネス上使用頻度が高いものは、例えば「会議」は「ミーティング」、「スケジュール」は「予定」などに置き換えられるようにしておくとよいでしょう。

 

発話に慣れる

・吃音を隠そうとしたり、話す機会を避けたりすることが、社会参加やコミュニケーションの妨げになってしまうため発話訓練などを行って発話に慣れていくことが症状の改善につながりやすいです

 

・リハビリテーション施設などでの訓練の他、よく話す機会のある言葉や内容(自己紹介など)を繰り返し人前で話すことで慣らしていくきます

 

吃音は発話や会話において緊張が増すと余計にひどくなる傾向があるため、改善のためには発話を避けず、慣れていくこと、そして自分の発語に自信が持てることが重要ですので、医師や言語聴覚士の協力を得てトレーニングをすることも重要です。

 

周囲に吃音の症状やコミュニケーションについてあらかじめ話しておく

・どんな状況だと吃音の症状が出やすいのか、発音が苦手な言葉や、コミュニケーションの際の対処法などについてあらかじめ周りに伝えておくと、お互いに心理的負担も少なくなるため楽に話しやすい

 

相手にどう思われるかというのは、吃音の症状に大きな影響があります。事前に伝えることで相手も驚かず、自分の不安も少なくなるというメリットがあります。

 

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まとめ

吃音がある場合、どうしても他者との会話はストレスになり、より一層症状が出てしまうものです。吃音がある方はコミュニケーションのポイントとして、①話すより伝えることを意識する ②吃音になる言葉は他の言葉に置き換える ③発話を避けず慣れていく ④吃音があることを周囲にあらかじめ理解してもらう これら全部ではなく、一つでも二つでも可能になれば他者とのコミュニケーションの不安は少しでも解消されるはずです。是非、取り組んでみてはどうでしょうか。

 

幼少のころから吃音にお悩みの方は発達性吃音と考えられます。発達性吃音の場合、発達障害として精神障害者福祉手帳を取得できる可能性がありますので、まだの方は一度、専門医の受診をしてみるとよいでしょう。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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