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自閉症の方向けのスケジュール管理方法・工夫

更新日:2023年04月12日

自閉症の特性を持つ障害は、かつて典型的な自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害などに分類されていました。これらの障害は、対人関係の苦手さやこだわりの強さといった共通点があります。そこで、これらを別々の障害としてではなく、多様な特性を持つ一つの集合体として「ASD(自閉スペクトラム症)」と考えるようになりました。ASDの人が日常生活を円滑に送るためには、個々の特性を理解したサポートが必要です。ここで、ASDの人のスケジュール管理方法やアイデアを紹介します。
 

ASDの特性

ASDの方には、以下のような特性があります。

 

特定の物や場所に強い興味やこだわりを持つ

ASDの方は子どものころから特定のルールや物事に強いこだわりを示し、好き嫌いが極端になる傾向があります。

自分の関心ややり方、ペースを維持することを最優先にしたいという志向が強く見られるため、ある一部分への興味や関心が強くなったりその領域では良い結果を出すことができても、興味や関心がない分野では全く結果を出すことができなくなってしまいます。

 

対人関係が苦手

ASDの方は、他人に対する関心が弱いため、他人との関わり方やコミュニケーションの取り方に独特のスタイルがあります。

相手の気持ちや現在の状況など曖昧なことを理解するのが苦手なため、事実や理屈に基づいた行動をとる傾向が多くなります。

そのため臨機応変な対応を行うことが難しく、人格を誤解されてしまうことも少なくありません。

対人関係に関するこのような傾向は幼少期から見られ、年齢とともに現れ方が変化していきます。

 

感覚過敏や感覚鈍麻がある

ASDの方は、周囲の人と同じ感覚情報を受け取っても、脳が異なる捉え方をすることがあります。

そのうち感覚過敏とは受けた感覚情報を脳が過敏に受け取ってしまうことで、それが些細な刺激であるにも関わらず、日常生活に支障を来してしまうほどの苦痛を感じてしまうことを言います。

逆に感覚に著しい鈍感さがある場合を感覚鈍麻と呼び、極端な例では骨折をしても傷みに気付かないというケースもあります。

 

二次障害で他の発達障害や精神疾患を合併しているケースもある

ASDによる二次障害とは、本人が受け取る過剰なストレスやトラウマが引き金となって生じます。ASDがあることによって、親や教師から過剰に叱られ続けたり、同世代の子どもたちから仲間外れにされたり、からかわれたり、学校の勉強についていけなかったりなどの生活の中で失敗したと感じるリスクが高くなります。

このようなことから、自分自身に対する自信を失ってしまい腹痛や頭痛、食欲不振やチックなどの身体症状や、不安、うつ、緊張、興奮しやすいなどの精神症状が現れ、不登校や引きこもり、暴言や暴力、自傷行為に発展してしまう可能性があります。

ASDの方がスケジュール管理を難しいと感じる理由

ASDの方がスケジュール管理を難しいと感じてしまう理由には、以下のようなものがあります。

予定外の出来事や小さな変化に苦痛を感じる

ASDの方は、自分のルールややり方に執着してしまうという特性があります。

その特性により、組んだスケジュールと異なる予定外の出来事や小さな変化にうまく対応できないため、スケジュールを組むのが苦手になってしまいます。

 

先の見通しが立たないことにストレスを感じる

ASDの方は、先の見通しが立たないことに強いストレスを感じてしまうため、上手にスケジュールを組むことを苦手に感じる人も少なくありません。

次に何が起こるのかといったことや、何か嫌なことが起こるのではないかという不安を抱えてしまうことも多いため、あらかじめ全体のスケジュールを決めておく必要があります。

 

時間の感覚を身に付けることが難しい

ASDの方は、一つの物事に対してどれぐらいの時間が必要になるのかといった「時間の経過」に関する認識が乏しく、約束の時間に間に合う・間に合わないなどの予測が立てづらい傾向があります。

ASDの方がスケジュール管理を上手に行うためのポイント

ASDの方がスケジュール管理を上手に行うためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

ここでは、そのポイントについて解説していきます。

 

時間を構造化しスケジュールを明確にする

時間の構造化とは、いつ・何をするかというスケジュールや、特定の場所で行う構造を文字やイラスト、写真などを用いて表記することです。

これを行うことにより、作業の見通しが立てやすくなったり、何度も確認することでASDの方の安心感を促すことを狙いにしています。

ASDの方は、先の見通しが立たないことで次に何が起こるのかといったことや何か嫌なことが起こるのではないかという予感から、イライラや不安を案じることが多くなります。

しかし、時間を構造化してスケジュールを明確にすることで、先の予測が立てやすくなり安心感につながります。

 

タイマーを活用する

ASDの方は、時間の感覚を身に付けることが難しいという特性があります。

そのため一つの作業に没頭しすぎるなどの理由から、時間を管理することができなくなってしまうこともあります。

このような事態を回避するためには、一つの仕事にかける時間を決めておき、タイマーを使用して残り時間を把握したり、終了の時間をすぐに知ることができるようにするとよいでしょう。

また、その仕事にどれくらいの時間がかかったかを記録しておくことで、次の仕事のスケジュールが立てやすくなります。

 

タスク管理を可視化することで管理能力をアップさせる

タスク管理の可視化とは、実際の業務でとるべき行動やこれからすべきことをリスト化するというものです。

タスク管理の理想的な可視化は、記載事項を淡々と実行していくだけで目標達成や課題解決に至るという状態に持っていくことです。

実際に仕事が終わったら、その項目をラインで塗りつぶしたり、末尾に「済み」などのしるしを記入し、ステータスの管理を行うことが大切です。

このようにタスク管理を可視化することで、仕事の進捗状況を把握することができるようになるだけではなく、達成感を得ることもできるようになるためモチベーションも上がりやすくなります。

 
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困ったことが起きた時には状況整理を行うことを意識する

ASDの方は、予定外の出来事が起こることで不安になったり次に何をすればいいのか分からなくなったりするなどの困りごとが起こることがあります。

そのような場合には、もう一度スケジュールを確認・整理し現在の状況を理解するようにしましょう。

ASDの方は不安感からパニックを起こしてしまうこともありますが、それを回避するためには常に現在の状況を整理しながらスケジュールを作成することをおすすめします。

 

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ASDの特性により上手にスケジュール管理ができないということで悩んでいる場合には、atGPに相談することを念頭に置いておくことをおすすめします。
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まとめ

ここまで、ASDの方がスケジュール管理が苦手な理由や、それを克服するための工夫などについて解説していきました。

ASDの方でもスケジュールの立て方や管理の仕方を工夫することにより、不安感やパニックにならずに仕事に取り組むことができることがお分かりいただけたと思います。

ASDだから出来なくても仕方がないと考えずに、自分の特性に対して有効な工夫を見つけ、仕事に活かすようにしましょう。

ライター:shigotolabo2

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