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家族がうつ病になってしまったらどうすればいい?うつ病になった家族とのつき合い方とは

更新日:2022年08月29日

うつ病は誰がなってもおかしくない病気ですが、「うつ病になりやすいタイプの人」という人がいます。それはまじめで責任感が強く、人当たりが良くてストレスの発散が苦手な人です。このようなタイプの人は、肉体的または精神的な不調を感じても職場や家族に迷惑をかけたくないという思いから、誰にも自分の体調や精神状態について相談することができずに、うつ病を悪化させてしまいやすい傾向があります。うつ病は早めに通院を始めることが大切です。そしてうつ病になってしまった人の家族は、うつ病からの早期回復のためにうつ病という病気を正しく理解し、適切な接し方をしなければなりません。ここでは、うつ病の家族を支えるための正しい接し方などについて解説していきます。

うつ病とは

うつ病とは、気分が落ち込み憂鬱になる、やる気が出なくなるといった精神的な症状以外にも、不眠、倦怠感、疲労感、頭痛や肩こり、めまいをなどの身体的な症状が現れることもある病気のことをいい、気分障害のひとつです。

気分障害は大きく「うつ病性障害」と「双極性障害(躁鬱病)」に分けられ、ここでいううつ病というものは、うつ病性障害の中の「大うつ病性障害」のことです。

このうつ病の場合、気分の落ち込みややる気の著しい低下、不眠といった状態だけが見られるため、「単極性うつ病」と呼ばれることもありますが、一方の双極性障害はうつ状態とそう状態(軽躁状態)が繰り返し現れる病気です。

健康な人であっても日常生活を送る上で憂鬱な気分になったり、落ち込んだりすることはあります。

しかし、そのような場合でも気分転換を行うなどの方法で次第に癒されていきます。

うつ病になってしまった場合には、気分が落ち込む明らかな原因となる出来事が思い当たらないケースもあり、また問題が起っていてそれが解消された場合であっても症状が治まらず日常生活に大きな支障を生じさせてしまうこともあります。

うつ病の治療法

うつ病の治療方法には、以下のようなものがあります。

 

休養

うつ病を患っている方は、強いストレスに晒されているため身体的にも精神的にも非常に疲れている状態にあります。

そのため、心を落ち着かせるために十分な休養を取る必要があります。

一定の期間職場や学校などから離れて心と体を休めることで、症状が改善することもあるため、ストレスを感じにくい環境を作ってなるべくリラックスして過ごすようにします。

 

薬物治療

うつ病の人が抗うつ薬を服用することで、脳内の神経伝達物質のバランスが整い、うつ病が改善する可能性が高くなります。

抗うつ薬以外にも、気分安定剤や睡眠導入剤などうつ病を抱える方の症状に合わせた治療薬が処方されます。

しかし薬効には個人差があり、効果が出るまで薬を飲み始めてから数週間かかるケースもあるため、すぐに効果が現れなくても薬を飲み続ける必要があります。

 

認知行動療法

認知行動療法とは、辛くなったり不安を感じた時に悲観的な思考から脱却するための方法を身につける治療法のことをいいます。

しかし、ただ物事を楽観視すれば良いという訳ではなく、ポジティブとネガティブのバランスが整った思考癖を身につけることができるよう、専門家とともに訓練を行います。

 

精神療法

精神療法とは、ストレスへの対処法を学ぶうつ病の治療法のひとつです。

 

うつ病治療の流れ

うつ病は、一般的に急性期・回復期・再発防止期の3つの経過を段階的にたどっていきます。

ここでは、この3つの段階について解説していきます。

 

1.急性期

急性期とは、強いストレス環境にありうつ病の症状が最も出現している時期のことをいいます。

この急性期には、薬物治療をメインとして治療が行われますが一番重要なのはストレス環境から離れて休息をとることです。

個人個人の症状の度合いにもよりますが、改善傾向に向かうまでには時間がかかります。

この時期は焦らず、ゆっくりと治療を継続していく必要があります。

 

.回復期

治療を継続していくことで、徐々に症状が改善していき急性期から回復期へと移行していきます。

回復期には、体調が良い日と悪い日が交互に繰り返されます。

そのため、病状が安定してきたからといってその時点で治療を止めてしまうのは、非常に危険です。

また、可能であればこの回復期に「うつ病になった経緯」について見つめなおしてみましょう。

そして、徐々に社会復帰に向けた準備を始めます。

 

3.再発防止期

回復期を経て社会復帰できた場合でも、その後1年から2年の間は再発防止期として治療や観察を続けていく必要があります。

症状が軽快し社会復帰できたとしても、また再発してしまうケースも少なくありません。

社会復帰できた場合でも定期的に医師と相談し、自分の調子を整えていく必要があります。

この時期に、服薬の中止など治療終了に向けた取り組みを行うことになります。

家族がうつ病と診断されたら

家族がうつ病と相談されたら、どのように対応したら良いのでしょうか。

ここでは、家族がうつ病を患った際の対応方法について解説していきます。

 

病識を持ち、うつ病の症状などを正しく理解する

うつ病になってしまった人は、何もせずにネガティブなことばかりを言い続けたり、沈み込んでしまったりします。

そのような姿を間近で見ていると、つい「しっかりしろ」や「気にしすぎ」などといった言葉をかけたくなってしまうでしょう。

しかし、そのような言葉をうつ病になってしまった人がかけられてしまうと、家族や配偶者から理解されない苦しさが募り、言い争いになってしまうことも考えられます。

うつ病の人が思うように体を動かせなかったり、気力が出なかったりするのは「うつ病」という病気だからです。

そのため、家族はその人が病気のためにそのような状態になってしまっていることを正しく理解し、受け入れることが大切です。

 

日常生活の変化に気づく

本人がうつ病だと気づいていない場合でも、身体的または精神的な不調を繰り返し訴える、睡眠を十分にとれていないといった日常生活の変化が見られた場合には、家族が心療内科などの受診を進めることが大切です。

 

できれば休職などの方法で仕事から離れる

うつ病になってしまうと、症状に波があるため仕事や学校などを休みがちになったり、全く行けなくなってしまったりすることも考えられます。

このような状態で無理に社会生活を送ろうとすると、症状がさらに悪化してしまう可能性もあります。

症状の重さにもよりますが、軽度のうつ病の場合でも1か月程度、中等度の場合には3か月から半年程度、重度の場合には1年以上の期間休職して療養に専念する必要があります

 

励まさず、無理に特別なことをしない

うつ病の人はまじめで几帳面な人が多いため、「がんばれ」といった励まし方をしてしまうと、プレッシャーに感じてしまいうつ病が悪化するおそれもあるため、決してそのような言葉をかけてはいけません。

 

原因探しをしない

うつ病になってしまった人は、「うつ病になったのは自分が弱いからではないか」などといったように、自分を責めてしまうことも少なくありません。

なぜうつ病になってしまったのか、自分たちに問題があるのかなどの原因探しはなるべく行わずに、今回復するために何ができるかということを中心に考えていくことが大切です

 

大きな決断は回復するまでしない

うつ病になってしまった人は、自分を責め会社の人や家族に申し訳ないと思うあまり、退職や離婚を考えてしまうこともあります。

しかし、このような大きな決断はうつ病から回復したときにするべきなので、うつ病のさなかにある時点では、このような大きな決断をすることは避けましょう。

 

収入が途切れる場合は公的制度を活用する

うつ病により休職することで収入が途切れる場合には、公的な制度を利用しましょう。

うつ病の人が利用できる公的な制度には、医療費を助成する自立支援制度や重度心身障害者医療費助成制度、精神障害者保健福祉手帳の交付、収入や生活を保証する生活保護や特別障害手当、障害年金、特別障害者給付金制度、生活福祉資金(低利融資)といった制度があります。

このような制度を利用することで、金銭的な不安を軽減し治療に専念することができます。

 

医療機関やその他の専門機関を活用しよう

うつ病患者を抱える家庭では、うつ病の人と家族の関係が行き詰ってしまったり、家族の方も疲れ切ってしまったりすることが予想されます。

そのため、うつ病の診断が下りた早い段階から、医療機関やその他の専門機関を活用してうつ病の人の早い回復を目指しましょう。

活用できる機関には、以下のようなものがあります。

 

精神科、メンタルクリニック

精神科やメンタルクリニックでは、外来で医師の診察を受ける以外にも、回復に必要な薬の処方をしてもらうことができます。

 

カウンセラー

臨床心理学の専門性を持つカウンセラーがうつ病の人やその家族と話をし、抱えている悩みや問題点を整理して一緒に解決できるよう関わってくれます。

カウンセリングは精神科や心療内科、臨床心理士自身が解説しているカウンセリングルーム、オンラインのカウンセラーマッチングサービスなどを利用して受けることができます。

 

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターでは、心の悩みや精神疾患、障害に関するさまざまな相談を受けつけています。

うつ病の方本人が病院を受診していない場合や治療を拒否している場合、どうしたらいいのか分からない場合などにも相談することができます。

 

就労移行支援サービス

うつ病の人の病状が落ち着いてきたけれど、いきなり復職するにはまだハードルが高いという場合には、就労移行支援サービスの利用をおすすめします。

就労支援サービスの中には、障害者の就職・転職支援のパイオニアともいえる存在のatGPが運営するジョブトレというものもあります。

このジョブトレにはうつ病に特化したコースもあり、そのコースでは就職後に職場に長期定着することを目標として、自己理解や自己対処能力の向上を図るトレーニングを行います。

このような就労移行支援サービスを利用することで、社会復帰後も休職を繰り返すなどという悪いサイクルを繰り返すことなく働き続けることができるようになるでしょう。

まとめ

ここまで、家族がうつ病になってしまったらどうすればよいか、うつ病になってしまった本人とどのように関わっていけばよいかといったことについて解説してきました。

うつ病が治るまでには長い時間が必要となり、その間には家族のサポートが非常に重要であることがお分かりいただけたと思います。

家族がうつ病に対する正しい知識を持たないままうつ病の人と接してしまうと、うつ病の人に悪い影響を与えてしまう可能性もあります。

正しい知識を身につけ、必要があれば専門機関を利用しながらうつ病を抱えた家族に寄り添い、ともに回復を目指していくことが非常に重要です。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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