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心臓病・心機能障害がある人の仕事の探し方

更新日:2021年12月06日

心臓病(心機能障害)がある人が、転職や再就職を目指して仕事を探す際には、「仕事と治療の両立はできるのだろうか」「心臓病(心機能障害)があっても応募できる求人が見つかるだろうか」「就職ができたとしても無理なく働き続けることができるのだろうか」など、さまざまな不安を感じるのではないでしょうか。心臓病(心機能障害)といっても、人によって症状はさまざまですが、職場の理解や配慮を得ながら働いている人はたくさんいます。今回は心臓病(心機能障害)のある方の仕事の探し方について解説します。

心臓病とは?

心臓病は、心臓の機能や働き、構造上の異常により生じる病気の総称です。心臓病は、心臓そのものの病気と、心臓につながっている血管の病気とに大きく2つに分類されます。

 

心臓の病気

心臓そのものの病気には、心臓を構成する弁、心筋、心房中隔の病気と心臓機能の不調があります。

 

心臓弁膜症:心臓にある4つの弁のいずれか(または複数)の弁の機能が損なわれる病気です。

心房中隔欠損症:右心房と左心房の間にある心房中隔に、生まれつき穴が開いている病気です。

心筋症:心臓の筋肉の異常で、心機能が低下する病気です。

不整脈:心臓の拍動の回数やリズムの異常により、心臓のポンプ機能が低下する病気です。

 

 

血管の病気

狭心症:冠動脈の内側がなんらかの理由で狭くなる病気です。

心筋梗塞:冠動脈が詰まって血液が流れなくなってしまう病気です。

胸部大動脈瘤:動脈硬化などで弱くなった大動脈に瘤(こぶ)状のふくらみができる病気です。

 

上記に挙げたような、心血管や心臓の病気によって心臓にペースメーカーを植え込みや人工弁移植を行った場合には、心臓機能障害として、障害者手帳が交付されます。

 

心臓病の方が働く上でのハードル

仕事や通勤による過度な負担やストレスは、心臓に大きな負荷がかかることがあります。そのため、心臓病の方が働く際には、さまざまなハードルを感じているようです。仕事と治療を両立させるためには、通院のために時間の工夫も必要となり、他にも次のような点がハードルとなります。

 

 体調が安定しないことで長時間労働が難しい

心臓病の症状は、病気の種類やその人によってさまざまですが、心臓の働きが低下することで、運動機能やからだを調節する機能も低下してしまいます。心臓病の方は、とても疲れやすく無理をすると体調を崩しがちです。そのため、重い物を持つなど心臓や体への負荷が大きい業務や長時間の勤務は難しくなります。

 

症状を理解してもらえないことが多い

心臓病による体のだるさや息切れなどの症状や仕事への影響は、外見上はわかりにくいため周囲の人たちから理解してもらえないケースが多くあります。障害や病気があると他の人には見えないため、仕事を怠けているやサボっていると誤解されることがあります。

 

心臓病の方が働きやすい職場・業界・職種とは

心臓病を抱えながら働いている人は多くいます。では、心臓病のある方が働きやすい職場や業界、職種はあるのでしょうか?

 

働きやすい職場とは

心臓病の治療には、検査や服薬などのため定期的な通院が欠かせません。治療と仕事を両立させるには、職場が心臓病について理解があり、通院に関しての配慮があることが重要です。

 

通院のための休みや早退、遅刻など勤務時間について柔軟に対応してくれる職場は、働きやすい環境と言えるでしょう。反対に仕事を休むことができず通院できないという状況では、就職・転職しても長く勤務することは難しくなります。

 

心臓病の方は外見上でそのつらさがわかりにくいため、周囲の人に理解してもらえないことが、働く上での大きな悩みとなっています。重い物を持つなど体に負担がかかる業務は他の人が代わってくれる、体調が悪かったり疲れた時には休憩が取れるなど、業務内容や体調について、上司や同僚が配慮してくれる職場は、心臓病の方でも安心して働くことができます。

 

 

おすすめの業界

心臓病のある方が働く際に最も重要なことは、自分の今の症状について把握することです。動悸や息切れ、むくみ、めまい・ふらつき、胸痛、疲れやすいなどの症状の有無や運動や自動車の運転の制限、してはいけない作業など医師から制限されている事項について整理しましょう。症状に関わる情報を上司や同僚に説明しておくことで、心臓病への理解が得られやすく、職場での配慮が得られやすくなります。

 

職種や業務内容によって異なるため、全ての企業が心臓病の方が働きやすい業界というのはありませんが、一般的には医療関係や介護・福祉関係は、心臓病や障害のある方に対する理解が深い業界と言えます。

 

 

おすすめの職種

心臓病の方の症状はさまざまですが、医師から仕事や作業の制限を指示される場合があります。

 

心臓のポンプ機能が低下している人は、心臓の能力を超える作業をすると心不全症状の悪化や不整脈の発作などを起こす可能性があるため、心機能に応じた作業制限が必要となります。

 

ペースメーカーや除細動器を植え込んだ人は、高電圧配線や配電盤、溶接機などの強力な電磁波を発生する機器がある環境では、電磁干渉によってデバイスの機能不全や不適切な作動を生じる恐れがあり、これらの機器を使用する作業や区域への立ち入り制限が必要になる場合があります。

 

以上のように、心臓病の方はまず医師にどのような仕事や作業をしてはいけないのか相談することが大切です。職場環境によっても異なりますが、心臓病のある方には体への負担やストレスが少ない仕事が向いていると考えられます。オフィスで仕事できる事務職や在宅勤務できるような職種がおすすめです。

 

心臓病の方の転職活動のポイント

病気や障害のない人と比べて、心臓病の方が就職や転職活動をする際には、戸惑いや悩みが多いのではないでしょうか。この章では心臓病の方が転職・再就職をする際のポイントについて紹介します。

 

心臓病の方が転職・再就職する際のコツ

転職・再就職の際には、キャリアの棚卸しを行って、自身のスキルや実績、どのような姿勢で仕事に取り組んできたのかを振り返ることが大切です。そして自分ができることや得意なことを把握して、応募企業にアピールしましょう。

 

併せて、心臓病の方は現在の症状や病気による制限についても整理しておく必要があります。働く際には、心臓病による症状や治療による影響で、これまでには無かったような問題が起きる可能性があります。完全に問題を避けることは難しくても、働きやすい環境の職場を選んだり、周囲の理解や配慮、サポートによってスムーズに仕事が行えます。

 

動悸や息切れ、疲れやすいなどの症状や自動車の運転や作業・業務の制限について整理した上で、応募する企業に説明しておくと理解が得られやすく、職場での配慮につながります。

 

 

心臓病でも働きやすい仕事を選ぶ

心臓病によって障害者手帳を取得している方は、「一般雇用」か「障害者雇用」のどちらの求人にも応募することができます。

 

一般雇用は、心臓病による障害があることを会社に伝えずに勤務することです。障害者雇用枠に比べて多くの求人があるため業界や職種など応募する選択肢は広がりますが、職場での理解や配慮を期待できません。

 

一方で、障害者雇用は心臓病があることを伝えて応募するため、周囲の理解や配慮を得られやすいですが、そもそも一般雇用と比べると求人数が少なく、業務内容が限られていたり、給与水準が低いなどのケースがあります。

 

一般雇用と障害者雇用のどちらを選ぶにしても、心臓病でも働きやすい企業や仕事を選ぶことが転職・再就職を成功させる最大のポイントです。

 

 

就職先の障害配慮に関する取り組みを確認

転職・再就職においては自分の症状やできることとできないこと、得意なことなどを企業に正確に伝えることと併せて、企業についてもしっかりと知っておくことが大切です。

 

応募する企業が、障害者や病気がある人に対してどのような配慮をしているのか、その取り組みについてホームページなどで確認してみましょう。

 

実際に働いてみたら予想していたより業務が大変だったり、職場の雰囲気が自分には合わないといったケースもあります。入社後のミスマッチを防ぐためには、職場見学や職場体験で、実際に働く現場の雰囲気を確認することも大切です。また、わからない点や疑問に思う点は人事担当者に、納得できるまで確認するようにしましょう。

 

 

心臓病に合った仕事に就くにはエージェントサービスなどの利用がおすすめ

ここまで心臓病のある方の転職活動のポイントについて紹介してきましたが、それでも自分に合った求人がなかなか見つけられない、何社にも応募しているが採用に至らないといった人もいるかもしれません。そのような場合には、転職活動をサポートしてくれるエージェントサービスを利用するのもおすすめです。

 

エージェントサービスとは、民間企業が運営する人材紹介サービスです。無料で利用することができ、登録すると専任の担当者が希望に合った求人を紹介してくれます。エージェントサービスでは、企業が障害や病気がある人にどのような配慮を行っているなど、ホームページや求人票では確認できないような情報も把握しているため、心臓病の方でも働きやすい仕事の紹介が期待できます。

 

心臓機能障害の方を採用した実績のある企業様も多数いらっしゃいますので、是非求人を見てみてくださいね。

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心臓病の方の職探しに利用したいサービス

エージェントサービス以外にも、心臓病の方が求人を探す際に利用できるサービスはあります。

 

ハローワーク

ハローワークは正式名称を公共職業安定所といい、厚生労働省が所管している公的な職業紹介サービスです。ハローワークには障害者窓口が設置されていて、障害や病気がある人の障害者雇用に詳しい専門の職員や相談員が配置されています。公的機関のため誰でも無料で利用することができ、求人の紹介から応募書類の書き方といった就職指導、就職後の悩みや困りごとの相談まで一貫して行っています。求人の紹介は障害者雇用枠だけでなく、一般雇用の求人も紹介してくれます。相談の際には障害者手帳や医師の診断書、意見書が必要なこともあるので、用意できる人は持参するようにしましょう。

 

障害者専用転職サービス

先ほど紹介したエージェントサービス以外にも、障害のある方に特化した転職情報サイトなどのサービスがあります。転職情報サイトも無料で利用することができ、雇用形態や職種、勤務地、待遇などさまざまな条件を入力して、自分の希望に合った求人を検索することができます。

 

 

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まとめ

今回は、心臓病(心機能障害)のある方の仕事の探し方について紹介しました。障害や病気がある人が、安心して働くためには職場の上司や同僚の理解や配慮が必要です。心臓病(心機能障害)のある方は、体への負担やストレスがあまりない仕事を選ぶことが、転職や再就職を成功させるポイントです。

 

自分だけでの転職活動が不安な人は、ハローワークの障害者窓口、障害者の就職に特化したエージェントサービスを利用して相談してみましょう。

 

心臓機能障害の方を採用した実績のある企業様も多数いらっしゃいますので、是非求人を見てみてくださいね。

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なお、本ページの運営元「atGP(アットジーピー)」は、障害者の求人転職情報・雇用支援サービスです。障害者の就職や転職に詳しいキャリアプランナーが、あなたの希望にマッチした求人探しのお手伝いをします。無料で利用できるので、心臓病(心機能障害)のある方で、転職活動をしている方は登録してはいかがでしょうか。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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