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メニエール病の症状と原因とは?仕事への影響や休職のポイント

更新日:2020年01月23日

皆さんはメニエール病という病気をご存知ですか?一般的には「めまい」の症状がでる病気と思われているようです。しかし、メニエール病にはそれ以外の症状もあり、場合によっては寝込んでしまい、動けなくなるほどひどい症状に悩まされることもあります。このようなメニエール病は、めまい以外にも症状が出ることもあります。メニエール病はどのような原因で起こるのでしょうか?またメニエール病に治療法はあるのでしょうか?メニエール病の主な原因はストレスであると言われているため、仕事がストレスになっている場合に無理して働き続けると、さらなる症状の悪化を招いてしまうこともあるのです。ここでは、メニエール病を、さまざまな角度から解説していきます。また、メニエール病で休職する場合には手当がもらえたり、支援してくれる制度もあるので、これらの制度についても合わせて紹介していきます。

メニエール病とは?その代表的な症状について知ろう

メニエール病は、めまいが耳の病気により引き起こされることを最初に発見したとされるフランスの医師、メニエール氏にちなんで命名されました。

 

メニエール病の主な症状は、回転するようなめまいが突然発生するもので、それは日常生活に支障をきたすほど激しいものです。めまいと同時に耳鳴りや嘔吐感を感じ、実際に嘔吐することもあります。

 

このような回転性のめまいや嘔吐感などの症状は、1時間で治まることもあれば6時間続くこともあり、まれに丸一日続くという症例も報告されています。

 

メニエール病の発作の直前または最中に、原因となっているほうの耳の聞こえ方に変化が見られたり、閉塞感や圧迫感を感じる傾向があります。

 

この聴力の変化は難聴状態になるというもので、メニエール病の発作を何度もくり返すことによって聴力は徐々に衰えていきます。

さらに発作の最中には「キーン」といった耳鳴りがすることもあります。

 

ほとんどのメニエール病患者はこの状態を「めまいがする」と表現しますが、ふらつきなどのメニエール病以外の症状にも「めまい」という言葉を使うため、メニエール病であるという診断が下ることが遅くなることもあり、注意が必要です。

 

メニエール病は主に片方の耳に起こりますが、発作を何度も繰り返すことによって半年から10年程度の間にもう片方の耳にも症状が発生するケースも存在します。

 

メニエール病は何が原因で起こるの?

メニエール病はストレスや過労、睡眠不足などが引き金となり発症すると言われていますが、今のところ発症の確かな原因は分かっていません。気候や天候に発作が始まるきっかけがあるとも言われていますが、こちらもいまだにはっきり結論が出ていません。

統計上では20代から40代の女性に多い病気で、体型がやせ形で几帳面な性格の人がなりやすいという結果が出ています。

 

しかし、メニエール病の症状があらわれるメカニズムは解明されています。

めまいが主な症状としてあらわれるメニエール病は、脳の病気と思われがちですが実は耳の異常による病気です。

 

耳には、内耳と呼ばれる部分があり、その中に体の平衡感覚を保つ半規管と耳石器、鼓膜から振動として伝わってきた音を電気信号に変換して脳へ伝える蝸牛があります。

 

その蝸牛の中はさらに前庭階、蝸牛管、鼓室階に分かれているのですが、メニエール病の発症のメカニズムはこの前庭階を満たしている「内リンパ液」が過剰に溜まってしまうことにより、めまいなどの症状を引き起こしてしまいます。

 

このように前庭階を満たしている内リンパ液の生産と吸収のバランスが崩れ、内リンパ液が内耳に過剰に溜まった状態を「内リンパ水腫」といいます。内リンパ水腫の状態が起こってしまうと、膜の内圧の高まりにより神経が圧迫され、耳のつまり感や軽い難聴といった症状が起こります。

 

 

この状態が長期間続くと、耳の内部の膜迷路が破れてしまい、蝸牛管と鼓室階を満たす外リンパ液と内リンパ液が混ざって、感覚細胞が刺激を受けることによりメニエール病の症状であるめまいや難聴、耳鳴りといった症状が発生するのです。

 

内リンパ液がある程度流出し、内耳の内圧が下がり正常に戻るとと敗れた膜迷路が癒着してふさがるため症状が治まります。

 

メニエール病にはどのような治療法がある?

メニエール病を発症する原因は未だにはっきりしていないため、現在の時点では根本的な治療法は確立されていません。

症状に合わせた薬物による対症療法と、生活習慣の改善が主な治療法となります。

 

メニエール病の治療としての薬物療法

薬物療法の内容としては、内リンパ圧を下げ内リンパ水腫を改善するために利尿剤を用いることが有効です。それ以外にも血流改善剤やステロイド剤が効果的に症状を改善するケースもあります。

 

また、めまいが起こっている場合には異常な前庭反射を抑制するために鎮静剤を使うことで、症状を改善させる事が可能です。

 

メニエール病の治療としての生活習慣の改善

生活習慣の改善も、メニエール病の発作を抑えるために有効な手段です。

メニエール病の発作は、過度のストレスに長期間さらされたり、過労や睡眠不足が続いたりした場合に起こるとされています。

 

生活習慣を改善し、精神的にも肉体的にもゆとりのある生活を送ることで、メニエール病の発作が起こる事を抑えることができるのです。

 

メニエール病の治療としての外科手術

薬物療法と生活習慣の改善を行っても症状の改善が見られないときは、外科手術を行うといった方法もあります。

その外科手術は内リンパ嚢解放術、前庭神経切断術、迷路破壊術の三つがあります。

 

内リンパ嚢解放術は内リンパにかかる圧を減らすことを目的としたもので、長期的にめまいの発作を抑えることができ、その有効率は70%から80%です。

 

前庭神経切断術と迷路破壊術は、術前の診断が正確であった場合には極めて有効な方法で、95%以上の確率でメニエール病の主な症状であるめまいを止めることができます。

メニエール病が悪化して仕事に影響が出始めたらどうすればいい?

メニエール病は、ストレスが原因になるといわれることもあります。

 

仕事が多忙であったり、仕事上の人間関係などでストレスを溜めていると、メニエール病を発病してしまうきっかけになり、ストレスが溜まれば溜まるほど発作も起こりやすくなります。

そのためメニエール病を発症してしまい、症状が重くなると仕事に影響を及ぼしてしまうことも考えられるのです。

 

そのような状態になってしまった場合には、どのような対策を取ればよいのでしょうか。

 

仕事の量を調整する

仕事の量を調整してもらい定時に帰宅することができるようにしたり、時短勤務に切り替えてもらったりすることです。

 

仕事量を減らし、自宅でリラックスして過ごすことができる時間や睡眠時間を増やすことによって、メニエール病の発作が起こりにくくなる可能性があります。

 

休職する

定時上がりや時短勤務で働いていてもメニエール病の症状が治まらない場合、休職することも視野に入れましょう。

休職期間中にしっかりと休養を取り、生活習慣を整えることで症状を抑えることが可能になります。

休職して体調を整え、また徐々に社会復帰を行うという方法でメニエール病と上手に付き合っていくことができる可能性もあります。

 

仕事量の調整・休職のために医師と相談する

仕事量を減らしたり、休職したりする場合には医師の診断書が必要です。

必ず医師と相談して、今の自分の病状に合った休養の仕方を取るようにしましょう。

 

退職して治療に専念する

メニエール病の症状の改善が見られない場合には、退職し体調の回復に専念するという選択肢もあります。

メニエール病はただめまいがするだけの病気ではなく、仕事はおろか日常生活にも影響を及ぼす可能性がある病気です。

もちろん仕事にも影響が出ることも十分に考えられるため、そのような状態になったときのために、仕事に対してどのような選択肢があるかを知っておきましょう。

メニエール病で休職または退職する場合に受け取ることができる手当とは?

メニエール病になってしまい、やむなく休職や退職をする場合には、受け取ることができる手当があります。

 

休職の場合:傷病手当金

休職の場合は、会社が加入している健康保険組合から傷病手当金を支給してもらうことができます。

 

傷病手当金の支給条件は、病気などの療養のための休職であること、就労が不可能であること、連続する3日間を含み4日以上仕事につけなかったこと、休業した期間は給与の支払いが受けられないことの4点です。

 

この傷病手当は社会保険に加入している人のみが受けられる制度なので、国民健康保険に加入している人は受けることができない点に注意しましょう。

しかし、この傷病手当はいつまで受けることができるわけではありません。

最長1年6か月しか受けることができないので、この点も覚えておくようにしましょう。

 

退職の場合:傷病手当金

メニエール病により退職せざるを得ない時にも、条件によってはこの傷病手当を受給することができます。

その条件とは、退職する日までに1年以上健康保険に加入しており、退職前に傷病手当を受ける条件を満たしていることです。

詳しくは加入している、またはしていた健康保険組合や全国健康保険協会に問い合わせてみることをお勧めします。

その他のメニエール病の支援制度

メニエール病は2015年に国の難病指定を外れました。難病指定により受けられた医療費助成はありませんが、それ以外に受けることができる支援制度はあります。

 

それは、メニエール病による身体障害者手帳の交付です。

 

メニエール病でも、障害年金の受給を受けることができるケースがあります。

障害年金を受けることができるかどうかは、聴覚や平衡感覚に症状が出ている場合に、病状を総合的に判断して障害の等級が決まりますが、メニエール病の場合はその症状から3級または障害手当金に認定させるケースが多くなります。

 

メニエール病初診の時点で厚生年金に加入していた場合に3級に認定されると、障害者手当金の需給を受けることができますが、国民年金に加入していた場合には3級に認定されても手当金の需給を受けることはできません。

メニエール病の方は、自分が加入している年金の種類を、今一度確認しておくことをお勧めします。

 

また、メニエール病により退職してしまった人などに対して就職や再就職に向けての就労継続支援の制度を利用することもできます。

就労継続支援制度とは、通常の就労を行うことが困難な障害者や難病を持つ人に対して提供されるサービスの一つで、生産活動やその他の活動を行うことにより、その知識及び能力の向上を目指すために必要な訓練を行うことを言います。

この就労継続支援制度を利用し、就職や再就職を目指すメニエール病患者も存在します。

 
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まとめ

ここまで、メニエール病の代表的な症状や原因、治療法、メニエール病で休職や退職を余儀なくされた場合に受け取ることができる手当、その他のメニエール病患者への支援制度について解説してきました。

メニエール病は単なるめまいや耳の不調といった言葉で片づけることができる病気ではないことがお分かりいただけたと思います。

 

このメニエール病は症状の程度によりますが、障害者手帳の交付や障害年金の受給を受けたり、働いているまたは退職した場合でも条件によっては傷病手当金の需給を受けたりすることができます。

メニエールは病重症化すると仕事はおろか日常生活にも支障をきたす大変な病気です。

万が一メニエール病により仕事を続けることが困難になった場合に備えて、受けることができる支援制度をしっかりと把握しておきましょう。

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atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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