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発達障害のある私の就職活動記と活動で大切な4つのポイント

更新日:2019年02月12日

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昔は耳にしなかった「発達障害」という言葉。ここ数年でメディアに取り上げられるようになりました。理由は、発達障害と診断される方が増えていることに加え、発達障害当事者は仕事が続かないなど、生き辛さを感じているからです。発達障害の正式名称は「広汎性発達障害」。自閉症スペクトラムの総称のことを言います。今回この記事では発達障害当事者の体験を元に、就職活動のポイントについて書かせていただきます。

広汎性発達障害の当事者が語る就職活動記

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■ASDのGさんの場合

ASD当事者のGさんは、学生時代はよく「不思議ちゃん」、「空気読まないよね~」とは言われていました。

ですが自分を理解してくれる仲間にも恵まれ特に問題なく学生時代を過ごしてきました。

 

新卒での就職活動は、当時は診断も出ておらず、一般雇用での就職活動。

 

書類選考は通過するのですが、面接では全くうまくいきませんでした。

自分では言いたいことをしっかり伝えることが出来たつもりになって満足して終わるのですが、なぜか落ちてしまう、ということが続きました。50社近くの面接は受けたとのことです。

 

その中で一次通過したのは2社くらいです。Gさんはその中からようやく1社内定が出た建設系の会社の総務事務職に就職することになりました。

 

比較的簡単そうにみえた総務の仕事。これがことごとくうまくいきませんでした。

 

その建設会社の総務事務職での仕事はひとつの仕事を1日中やる仕事とは真逆で、複数の仕事を効率よくこなしていく仕事でした。

 

Gさんはタスク管理ができず、先輩から「自分でいい塩梅でやって」と言われても全然うまくいかなかったのです。

 

「自分の興味のある業務があると他の業務をそっちのけで没頭してしまう」、とも上司や先輩から指摘されていました。

 

休憩時間の同僚との雑談などもうまくいきませんでした。

理由は、思ったことを平気で口にして相手に不快な思いをさせてしまっていたためです。

 

困ったら上司や同僚に相談すればよいものの、Gさんは混乱し相談すらできず、結果、一日に終わらせるべき仕事が終えられなく、叱責されることが増え、居心地が悪くなり、その建設会社の総務事務職は自己退職することになりました。

 

職場で上手くいかなかったことのストレスからなのか、同時に気分の落ち込みもあり心療内科医を受診し、ことの経緯を相談すると発達障害(ASD)と診断されたのです。

 

Gさんは診断を受けたことで、ほっとしている自分に気が付きました。

今までは仕事でうまくいかない原因が分からず自分を責めていましたが、原因がはっきりしたことで自分を責める気持ちが和らいただためです。

 

Gさんは発達障害(ASD)の診断を受けてから障害者雇用での就職について色々と調べました。

すると世の中には障害者雇用で就職している人がたくさんいることを知ることが出来たのです。

 

Gさんは、次の就職は失敗しないで長く働き続けたいと思っていました。それには自分の障害特性を知ることが大事ということも、障害者雇用について調べ、学んでいくうちに分かってくるようになりました。

 

さらに調べるうちに、自己理解を深めるために就労移行支援事業所という福祉サービスがあることをネットで知りました。

Gさんは障害者雇用で就職する為の第一歩として就労移行支援事業所に通うことに決めたのです。

 

Gさんは発達障害のある人に特化した就労移行支援事業所を選択しました。

 

そこで自分の特性理解(会話の行間をよむ、相手の意図を想像することが苦手。

自分の好きなことに気がいってしまい目の前のやるべきことが抜けてしまいがち)を深めました。

 

障害者雇用で就職するには、自分の発達障害の特性を知り、その特性を企業に伝えていくことが大切だと教わったので、自分の特性を言語化することを事業所内で職員の支援を仰ぎながら実施しました。

 

職員との面談も大いに自分自身の理解へつながっていきました。

 

しかし就職準備は整いましたが、ASDの最大の壁、「面接」がGさんを待ち受けていました。

 

事業所では面接対策を実施しました。

 

事業所の職員からは「質問への回答にズレがある」「聞いていないことを話し始める。そしてとまらない」「話が長くなりがち」などとアドバイスを受けました。

 

最初は簡単にはうまくいきませんでしたが、何度も何度も面接対策をしてもらうことで特性をカバー出来るようになってきました。

 

また、障害者雇用での就職の応募書類を書く際、障害特性として、相手の意図に気づきづらい、一方的に会話を進めてしまう傾向があることを正直にかつ誤解を与えないような表現で記載しました。

加えて特性に応じた配慮として会話にズレが生じた場合はその場でご指摘いただきたいことも記入しました。

 

職場体験実習には4社ほど参加しました。

 

実習先の企業担当の方からの実習後フィードバックでは、「自己判断で作業を進めてしまいがち」「集中しすぎて周囲に注意がむけられていない傾向がある」などとご指摘をいただきました。

 

Gさんは指摘をしっかりと受け止め、次の実習の課題として取り組むなど自分なりに努力していきました。

 

その結果、4社目の実習先の企業にて、障害者雇用の一般事務職で就職することになったのです。

 

主な業務は入力業務。複数の業務をマルチタスク的にこなすのではなく、一つの業務に集中してとりくめるのは混乱もなくとてもありがたかったとのことです。

 

雑談の際などは、時々自分が話し終わった後にシーンとなっているような気もしますが、皆さん発達障害の特性を理解し接してくれているので、今では充実した職業生活を送ることが出来ています。

 

 

■ADHDのIさんの場合

Iさんは子供のころから集団生活が苦手でした。

 

授業もじっと座って聞いていることが苦手。忘れ物が多く自分でも困っていました。

 

周りの子たちともうまくなじめていなかったと思うとのことです。

 

IさんがADHDと診断されたのは学生時代のことです。

 

Iさんは学校を卒業した後はアルバイトを転々としていました。ですが、なぜかどのアルバイトも長続きしませんでした。

 

コンビニのアルバイトでは、先輩社員から仕事を教わるのですが、次から次へと指示があり覚えることが出来ない。

 

品出しひとつとっても何から進めればよいのか分からずに混乱してしまう始末。

 

途中でお客様に呼ばれたりすると、更に混乱し業務に集中できず、完遂できなくて困っていました。

 

Iさんは正社員で就職をしなくてもアルバイトで食いつないでいければよいと思っていました。

 

ですが、どうにか生活を安定させてほしいと願う親が就労移行支援事業所を見つけてきました。

 

以上の理由からIさんは就労移行支援事業所に通い、安定就労を目指すことにしたのです。

 

就労移行支援事業所では、沢山の模擬職場的なトレーニングを行いました。

 

その体験が自分の得意不得意、好き嫌いを理解することにつながりました。

且つ、自分自身を知るための「自己探求研修」で発達障害の自分の特性、困りごとも理解するに至ったのです。

 

就職活動では、職務経験がないので、職務経歴書に代わるものとして「自己紹介書」として自分の障害の特性や、得意なことなどを書きました

なかでも障害特性は就労移行支援事業所での気づきがとても役に立ちました。

 

就労移行支援事業所での体験を通して、いくつもの指示を同時にうけると混乱するという特性がわかっていたので、そのことを伝えました。

 

自分の特性だけでなく、苦手なことへの対処法もしっかり伝えました

 

「一度に複数の指示は苦手です」ではなく「一度に複数の指示を受けると混乱しやすいため、可能でしたら一つ一つご指示いただけると理解しやすいです。また、メモをとらせていただくことで理解につながります」といった具合に、具体的に伝えたのです。

 

Iさんは、苦手だから「配慮してほしい」と求めるだけではなく、自分の努力で工夫できることも伝えることが大事とのことを理解していたからです。

 

そしてIさんは8社応募して2社内定を獲得し、そのうちの1社へ就職が決まりました。

 

「障害を理解していただきながら自分でできることを模索していくスタイルは今も大事にしています。そのおかげか、職場の仲間や上司とも良い関係を構築することが出来ています。今はとても充実した生活を送ることが出来ており、前向きになれました。」

 

Iさんは笑顔で答えました。

指導員が語る広汎性発達障害者の就職活動の現状と大切なポイント

次に、発達障害の支援を行っている支援員の、発達障害者の就職についての意見を紹介します。

 

■一般雇用か障害者雇用か

発達障害者は見た目には分かりません。それ故、発達障害であることを隠してクローズで一般雇用での就職活動を行う方もいます。

障害者雇用での就職は給与が低いから、といった金銭的な理由からです。

 

一般雇用、障害者雇用にはそれぞれにメリット・デメリットがあります。

 

【障害者雇用でのメリット・デメリット】

障害者雇用の大きなメリットは、障害をオープンにし、自分自身の特性を事前にお伝えできることが最大のメリットです。それにより、配慮、理解をいただきながら働くことができるためです。

 

デメリットはやはり給与が低いということが挙げられます。背景には、配慮により業務内容や役割の調整を行っていることが影響しています。

給与を高めていくためにも、障害特性に応じた対処法を多く見つけ活躍の場を広げていくことが必要です。

 

【一般雇用でのメリット・デメリット】

一般雇用でのメリットは待遇面がよく、キャリアアップのチャンスがあることです。

また、仕事の中には、障害特性と相性のいい業務もあります。

 

運よく、そうした業務に配属されれば、昇進し、高く評価されるスキルを身に付けることができます。

これが、一般雇用枠での最大のメリットでしょう。

 

デメリットは、一般雇用社員同等の成果を出すことが求められます。

コミュニケーションが苦手という障害の特性を抱えていると、適応するのにかなりの努力が求められ場合があります。

その結果、ストレスがたまり、結局、適応できずに退職にいたるケースも少なくありません。

 

自分が障害者雇用枠で就職するのか、一般雇用で就職したほうがいいのかは何に視点をおくかがポイントになるでしょう。

 

■雇用形態について

正社員での就職を希望される方が多いですが、障害者雇用では非正規雇用で就職されることが多いようです

 

しかしこれはあくまでも入社時の雇用形態。就職後に正社員登用となるケースも多く見受けられます

 

最初から「正社員」にこだわりなかなか内定を獲得できない方も多いですが、まずは「契約社員」から就職し、就職後に正社員に登用される道も選択肢のひとつです。

 

注意点としては、正社員登用制度の有無が挙げられます。

面接時にはしっかりと、非正規雇用で入社しても頑張り次第で正社員になることが出来るのかどうかを確認しておきましょう。

 

例え入社時に制度が整っていなくても、将来的に制度が整備されるかもしれません。

可能性は自ら狭めず就職活動をしましょう。

 

■自分の特性を知ること

障害者に限らず、就職活動を行う際には自分の得意なこと苦手なこと、好きなこと嫌いなことが何かをしっかりと把握することが大切です

 

自分はこれが出来ない、これが得意だという主観での思い込みは危険です。

自分の強みや弱みなどの特性を把握するには、客観的な指摘や気づきが大切です

 

例えば、どうやって客観的な指摘や気づきを得るのかというと、発達障害専門の就労移行支援事業所などに通所することで、仲間との出会いや仲間の体験談を聞く研修や、職場体験、職員との面談などを通じて客観的な視点で自己理解を深めていく、といった方法があります。

 

自己理解を深めると、それが自分にあった企業選びや職種選びにつながります。

且つ、障害者雇用では必ず面接時に聞かれる「特性」についても、納得感や説得力のある説明ができる様になるので、就職活動がしやすく、採用もされやすくなります。

 

面接時に「配慮事項」を聞かれた際に納得感や説得力のある説明ができることはとても大切です

配慮内容が具体性に欠けていたり、配慮が必要な理由がわかりづらいと、企業側も不安になり内定につながりません。

 

客観的な視点での情報を集めた上で自己理解を深め、自分の障害の特性や配慮事項について話せるようになっておきましょう。

 

■適職発見

発達障害の方は得意なこと苦手なことがはっきりしているという特性があります。

しかし、自分が苦手なことを仕事にし、上手くいかずに悩んでいる方はとても多いです。

 

それは、自己理解がまだまだ足りないからだと考えられます。

 

それ故、自己理解を深め、自分の適職が何なのかを発見し、自分に向いた仕事を探し、就職する必要があります

 

では、どうやって自分の適職を探せば良いのでしょうか。

 

例えば、就労移行支援事業所で沢山の模擬職場を経験することで自身の得意不得意に気づき、自分の適職を見つけるという方法があります。

 

就労移行支援事業所で沢山の模擬職場を経験することは、苦手を克服し強みをいかすことにつながるからです。

 

取り敢えず目先のお金が必要だからと安易に何でも目の前の仕事に飛びつくと、結局長続きしない、ということになりかねません

 

仕事を長続きさせるためにも、自分の適職を見つけるようにしましょう。

発達障害のある私の就職活動記とポイント まとめ

ここまで、発達障害のある私の就職活動記と活動にあたり大切な4つのポイントについて書いてきました。

 

GさんやIさんの体験談は皆さんが就職活動をする上でとても参考になる内容だと思います。

 

障害者雇用での就職活動のポイントをまとめると、

 

>>一般雇用か障害者雇用か

それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分が障害者雇用枠で就職するのか、一般雇用枠で就職したほうがいいのかは何に視点をおくかがポイント。

 

>>雇用形態について

「正社員」にこだわりなかなか内定を獲得できない方も多いですが、まずは「契約社員」から就職し、就職後に正社員に登用される道も選択肢のひとつ。

 

入社時に制度が整っていなくても、将来的に制度が整備されるかもしれない。可能性は自ら狭めない就職活動をする。

 

>>自分の特性を知ること

就職活動を行う際には自分の得意なこと苦手なこと、好きなこと嫌いなことが何かをしっかりと把握することが大切。

 

客観的な視点からの自己理解を深め、自分の障害の特性や配慮事項について話せるようになっておく。

 

>>適職発見

就労移行支援事業所で沢山の模擬職場を経験することは、苦手を克服し強みをいかすことにつながる。

 

取り敢えず目先のお金が必要だからと安易に何でも目の前の仕事に飛びつくと、結局長続きしない、という事態になりかねないので仕事を長続きさせるためにも、自分の適職を見つける。

 

といったことが挙げられます。

 

就職がゴールではありません。

就職後に長く安定して働き続けるために、自分にあった就職先をみつけましょう。

atGPしごとLABO編集部

ライター:atGPしごとLABO編集部

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。メンバーの平均年齢が全社平均年齢よりちょっと高めなのは内緒。

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