卒業生の声

難病(クローン病)のAさんの就職事例

見えない症状だからこそ、相手にわかりやすく伝える大切さ

難病(クローン病)Aさん(40代)
通所コース
難病コース
通所期間
6か月
就職先
商業施設の企画開発・運営管理を行う企業
決定職種
事務職(業務管理系)

「難病専門」のコースがあるので、atGPジョブトレへの通所を決めました!

atGPジョブトレ(難病コース)に通う前までの経緯を教えてください。

30年ほど前に発病して以来、小さな会社で働いていましたが、不況による業績悪化もあり、自主的に退職しようと考えていました。

そんな折、体調を崩して入院した時に身体障害者手帳の申請をしました。
それまでは障害者雇用について全く知らず、取得を機会に手帳を利用するのも1つの手段と考えるようになりました。

区の障害者就労支援センターの方から難病に特化した就労移行支援事業所があると紹介されて、見学に行きました。

atGPジョブトレ(難病コース)を選んだ理由を教えてください。

難病に特化した就労移行支援が国内初だと聞いて、興味を持ちました。
当時の施設長が、想いを熱く語ってくれたのも印象的でした。

もうすぐ50代を目の前にしていたので再就職は難しいかと考えていましたが、体調を崩した時にも安心して働ける働き方や、配慮のある企業に就職をしたいと思いました。

30年ほど勤めた会社はとても理解がある会社でしたが、そのような企業を見つけるのは大変だろうとも思いました。

atGPジョブトレ(難病コース)のここが良かったというところを教えてください。

私は手帳を取得していましたが、他の利用者の中には手帳がない方もいました。
難病の症状や病気の特性などを、相手に伝えることはとても難しく、言い方ひとつで印象が大きく変わります。
その伝え方の練習をatGPジョブトレで実践的にできたのが良かったです。

また、どうしたらストレスを貯めずに日々の生活を過ごしていけるかというストレスマネジメントのプログラムや、自己理解を深める症状理解研修も自分を客観的に見つめ、人にも伝えやすくなり、役立ちました。

意外と自分自身のことは、わからないものです。

自分自身を理解し、それを企業にうまく伝え、長く働けるための色々な方法も身につけました。就職後も当時書き込みをした資料を見直すことがあります。

atGPジョブトレ(難病コース)でのトレーニングが就職後も役立っています!

今の会社に就職を決めた決め手を教えてください。

実はatGPジョブトレを卒業した後に就職した企業からは転職し、今は別の企業で働いています。

最初の企業はatGPジョブトレで定期的に開催している事業所見学会で自己PRなどの発表を行い、その時に声をかけてくださった企業で1年と少し働きました。
社員の意識が非常に高く、スピード感もあり、業績も良い会社でしたが、私は半年間くらいで身体的・精神的にかなり参ってしまいました。
今までの経験上、無理をすると取り返しがつかなくなるので、体調維持の許容範囲を超えないように努めましたが、難しかったです。

ただ、それはやってみないとわからないことでした。

自分でどこまでできるかチャレンジすることが重要で、その企業で働いたことは何ものにも代えがたい良い経験になりました。
同僚は目的をもって働いている方が多く、自分もそれに刺激され再就職をしようという決意をしました。

そして、atGPジョブトレを卒業してから1年以上経っていましたが、当時のatGPジョブトレのスタッフの方に親身に相談に乗ってもらいました。
働きながら就職活動をするため、ゼネラルパートナーズが運営する、障害者の求人転職情報・雇用支援サービスのatGPに登録し、キャリアプランナーに転職支援をしてもらうことにし、2か月ほど就職活動をして内定が出ました。

現在の担当業務・仕事内容について教えてください。

現在は、商業施設の企画開発・運営管理をしている会社に勤めて約1年経ったところです。
業務管理部というところで、起案事項の整理や、公印業務、法改正などに対応した契約書等の改訂などに関わる業務をしています。

仕事量は多いですが、自分で在宅勤務などを決められる裁量労働制なので、自由度が高く、体調管理もしやすいです。
現在はチームでシフト制を組んで週3日出社して、2日在宅勤務をしています。

職場の雰囲気はどのような雰囲気ですか。

非常に落ち着いた雰囲気の職場です。障害者だからという接し方はなく、普通に接してくれます。
直属の上司には配慮事項等は伝えています。障害の有無に関わらず、個人個人を大事にしている雰囲気があります。
ある程度は、自主性に任せるというスタンスです。

入社後の体調はいかがですか、体調管理で工夫していることはありますか。

もうすぐ入社して1年になりますが、再発はしていません。
急に休むこともありませんし、非常に体調は安定しています。
手帳の取得後から始めた薬が劇的に良く効いていて、うまく症状を押さえてくれているので、存分に働いています(笑)。

会社自体の公休もあるので、通院のために有給休暇を使い切ってしまうこともありません。
また通勤時間も短く、身体的な負担は少ないです。

業務を行う際に気を付けていること、atGPジョブトレ(難病コース)のトレーニングが役だったことを教えてください。

仮に体調を崩してしまうと、2週間ほど入院して安静にしなければなりません。
そのため、体調の変化に早めに気づくように心掛けています。
やはりそういう意味でも、自分の症状を知り、それを他者に伝えることは非常に大事で、そこはatGPジョブトレで身につけました。

難病を含めて内部障害は見た目には分かり難いです。
見えない症状をいかにわかりやすく説明するかが大事です。

また働き方に緩急をつけてみる。
症状によって仕事がたくさんやれる時、やれない時と出てきますが、やれる時は頑張る。辛い時はセーブする。
自分の症状の波を把握して、能力を発揮できればベストです。

今後の目標と、このページをご覧になっている方へのアドバイスをお願いします!

今後の目標についてお聞かせください。

今は、 1年ごとの契約の嘱託社員です。
ステップアップをして、正社員を目指しています。

もうすぐ50歳なのであと10年間はしっかり働きたい。
そのために、会社にとって必要とされる人材となるには、どのように仕事をすればよいかを考えています。
目標は具体的な方がいいですから。

皆さんへのアドバイスをお願いします。

私も入院中や、自宅療養中には社会から疎外されている不安感がありました。
社会とどんな形でもいいから繋がりを持つ、社会のリソースに頼りながら、繋がりを維持する。

社会復帰や就職活動にはパワーがいるので、atGPジョブトレのように頼れる場所があることは大事です。
社会復帰したら、仕事もなるべく長く続ける、そうすると生活に張り合いが出てリズムが作れます。
体調にも良い影響が出て、好転していくと思います。

ただ決して、無理してはいけないと思います。体調不良時、それをどう相手に上手に伝えるか。
うまくアピールし、また、一方でオーバーアピールしないように(盛りすぎないように)加減する。
アピールが過ぎると、身構えられ相手に不安を与えてしまいます。

自分の症状や病気の特性を少し頭の片隅にでも置いてほしいというテクニック。プログラムでもやりました。
言い方一つで相手への自分の印象が変わることを覚えていてほしいです。

無理をすると取り返しがつかないので、体調維持の許容範囲は超えないようにする。
けれど、その範囲はやってみないとわからない、経験が何よりも大切で、失敗したら次にその失敗を活かせばいいのです。
これからは、応用力・対応力・柔軟性が試されます。
答えがない分野です!

Aさんありがとうございました!ますますのご活躍をお祈りしています!

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atGPジョブトレお茶の水(旧リドアーズ・ベネファイ)

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