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発達障害の方のビジネススキル、「報連相(ホウ・レン・ソウ)」コミュニケーションのコツ

更新日:2019年02月13日

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発達障害の皆さん、職場の上司や先輩等から「ホウレンソウができていない!」と叱られた経験がある、あるいは、入社後の新人研修で「ホウレンソウ」という言葉を聞き、野菜のほうれん草を連想してしまい話の内容が良くわからなかった、という方は いらっしゃいませんか?そこで、ビジネススキルとして「報連相(ホウ・レン・ソウ)」とは何か、なぜそれが大事なのか、それを身に付け上手くできるようになるコツをご紹介します。

「報連相(ホウ・レン・ソウ)」とは

報連相とは、「報告・連絡・相談」の3つの単語のそれぞれ最初の漢字を組み合わせ、野菜のほうれん草に掛け合わせた言葉で、ビジネスシーンにおいて重要なフレームワーク(共通して用いられる考え方、意思決定などの事)です。

 

では、それぞれどんな意味なのかをご説明します。

 

報告

上司や業務の依頼主に対して業務の進捗状況などを伝える事です。

上司・先輩に仕事を依頼された際、納期の途中で仕事の進捗状況を報告する必要があります。

この場合、仕事の指示を出した上司・先輩に対して、直接報告を行う事が基本です。

 

連絡

上司や業務の依頼主に限らず、関係者に対しても知っておいてほしい情報を伝える事です。

上司や同僚と共有しておくべき事柄がある場合は、なるべく早く連絡をしま しょう。

例えば、〇月〇日有給休暇取得予定ということなど、事前に共有カレンダーやメール、口頭等の手段で共有しておくと良いでしょう。

 

相談

業務を円滑に進めるにあたり他の人の意見を求める事です。

疑問や心配事を抱えたままで 仕事を進めると、効率や質が低下します。

直属の上司や先輩に相談して、解決しましょう。

 

そこで、相談する時のポイントを3つ挙げてみます。

 

ポイント①

仕事を行う上で不明点があった際、すぐ上司・先輩に相談をするようにしましょう。わからないからといって、自己判断で進めることは避けた方が良いです。

 

ポイント②

相談をする場合も、相手の都合を確認してから相談を行います。

 

ポイント③

上司や先輩等の判断を仰ぐ場合、「どうすればいいですか」と伝えるよりも、「これについて私はこう考えますが、このように進めてもいいですか?」というように自分の意志を伝えるように心がけると、自分で考える能力が身に付きます。

なぜ発達障害の方は「報連相(ホウ・レン・ソウ)」が苦手なのか

発達障害を抱えている方の中には、「報連相」が苦手であったり、上手くできない、という方がいます。他人とのコミュニケーションがとりづらい、つまり相手に伝えるタイミングがとりづらい、同音異義語が解りづらい、なぜ報告・連絡・相談をしなければならないのかわからない等という方も多いと思います。

 

ここで実例を一つ見てみましょう。

 

 

実例 Aさん(20代半ば、女性、広汎性発達障害と診断されており、精神症状の二次的症状としてうつ病もある)の場合

 

Aさんは平成30年4月に障害者雇用で甲銀行の後方事務補助員の仕事に就きました。

入行して数か月後のある日の午前11時頃、取引先の乙会社から上司のBさんあての電話を受けました。

 

あいにく、Bさんは外勤に出ており不在でしたので、その旨を伝えると、先方の担当者から「忙しいのでBさんに伝言してほしい」と頼まれ伝言を受けました。

 

Aさんの退社時刻の午後5時になってもBさんは外勤から戻って来ませんでした。

Aさんは、翌日午前9時に出勤するとすぐにBさんに乙会社からの伝言を伝えましたが、Bさんから「どうしてすぐに連絡してくれなかったのか!昨日の午後2時までに決済しなければならなかったのに!」と叱られました。

 

Aさんは、なぜ自分がこれほど叱られるのかわかりませんでした。

乙会社からは「Bさんに伝えてほしい」と言われて、Bさんを待っていましたが、BさんはAさんの退社時刻までに戻って来なかったのです。

 

Aさんは「自分のした事の何が良くなかったのか」「あんなに叱られたら、もう職場へは戻れない」等と考え込み、気分も落ち込んでしまい、翌日から欠勤しました。

 

さて、皆さんはAさんの例を見てどのように感じたでしょうか?

「報連相(ホウ・レン・ソウ)」が大事なわけ

一般就労はもちろんの事、福祉的就労であっても、在宅ワークやテレワークであっても「報連相」は必要不可欠な事なのです。

 

つまり、「報連相」は仕事をスムーズに進めるための手段で、仕事に関する情報や進捗状況の確認を共有したり、重要事項等について自分一人で判断しないで上司(場合によっては取引先や仕事のパートナー等)の指示を仰ぐ事が大切なのです。

 

この「報連相」が上手くできないと仕事がスムーズに進まないどころか、実例Aさんのように、場合によっては取引先の大きな損失を招き、結果として勤務先に多大な迷惑をかける事にも繋がります。

発達障害の方が「報連相(ホウ・レン・ソウ)」のコミュニケーションスキルを身に付けるコツ

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「自分は、発達障害があるからできない」とあきらめてしまわないで下さい。

 

ではどうしたら良いのか?次に書いていきます。

 

 

①レポートライン

職場で「レポートライン」と相談相手を決めておくことをおススメします。

「レポートライン」という言葉を聞きなれない方もいらっしゃるかと思いますが、会社における「レポートライン」とは報連相を行う際の系統の事です。

例えば上司に重要な意思決定を求めること、部下は業務の進み具合などを報告する事、という上司・部下の間で意思疎通をするというものです。

 

まずは誰に報連相したらいいか?というレポートラインを事前に決めておく事が有効です。

ちょっとした事でも「誰に相談しよう?」と困って時間が経ってしまい大事に・・・とならないように、報告は誰に、連絡は誰に、相談は誰にすれば良いかを明確にしておくとスムーズに報連相ができるようになります。

 

ではどうやってそれを決めればいいのか?

 

まず、上司に「報連相をスムーズにしたいので、レポートラインを教えて頂きたいのですが」と相談してみましょう。

上司が話しづらいようでしたら人事に相談してみましょう。

それでも難しいという方は、支援機関の支援員に頼るのもテです。

 

また、レポートラインだけではなく相談役も決めておくと良いです。

 

「自分から話しかけるのが得意ではないので、ちょっとした事でも相談できる方を用意してほしい」と伝えてみましょう。

レポートラインと相談役が明確だと思った以上にすんなり安心して報連相ができると思います。

 

 

②メモ

緊張するならメモを書いて①~③の順番で報連相することも良いです。

他人とのコミュニケーションに過剰に反応してしまう、気を使いすぎてしまうという方は報連相の時もドキドキしてしまったりするのではないでしょうか?

 

緊張して上手く話せなかったらどうしよう!と思いタイミングを逃して結局後で怒られてしまうのは悪循環です。

そういう方は報連相の前に、まず何を伝えたいのかをメモ帳に書き出しましょう。

 

① それは報告なのか?連絡なのか?相談なのか?

② 結論として報連相したい事は何なのか?(一言で)

③ 報連相すべきと思った経緯はどうしてか?

 

この3つを書き出してみましょう。そして報連相の時にはメモを見ながら、①~③の順番に話してみましょう。

 

例えば、

 

「相談になりますが(①)、いまこの業務に苦戦しているのでアドバイスを頂けないかと思い伺いました(②)。この業務が滞ってしまうと明日のプレゼンに響いてしまいますので、早めに相談にきました(③)。」

 

こんな感じです。イメージはわきましたか?メモを見ながら話す事によって落ち着いて話せますし、このように順を追って話す事によって相手も理解しやすくなります。

 

 

③ 時間を決める

業務が滞っていたら時間を決めて素直に上司に相談に行くようにすると良いでしょう。

 

1つの業務に悩んで知らず知らずのうちに1時間が経ってしまっていた!なんて経験はありませんか?

そんな時は悩む時間を決めて、それ以上の時間が経ったら素直に相談に行くという事をおススメします。なぜなら貴重な業務時間を悩んで過ごしてしまうと、上司としては「もっと早く相談してくれれば他の業務に時間を使えたのに!」となるわけです。

 

業務が止まってしまうよりは、早めの相談をしてくれるほうがその悩みの種がどんなに些細なことでも相手にとっては有益なのです。

 

そんな時に必要なのは「〇分間業務が滞ったら上司に相談に行こう」と時間を決めてしまう事です。

例えば、「悩んでしまって15分間業務が滞っていたら相談に行こう」というように。後回し後回しにしてしまい、大きなトラブルになってしまう前にリスクを回避する事が何より大事です。

 

話が長くなる人は自分が話す時間は〇分と決めて話す習慣を身に付けると良いでしょう。

 

簡潔に要点を話せるのであれば問題はないのですが、発達障害の方の中には、自分が話したいと思う事がたくさんあって全部聞いてほしい!と話が長くなってしまう事はありませんか?

 

報連相をされる側もたくさん仕事を抱えていて、中々時間が取れない事が多いです。そんな時には「自分が話す時間は〇分だけ」と決めて報連相しに行くのが効果的です。

 

頭の中で話すことをまとめ、メモ帳に簡潔に書き出して、腕時計を見て「よし!〇分以内に話せそうだ!」と思ったら報連相しに行きましょう。

 

例えば、「3分以内に報告を終わらせるぞ。」と決めて、先ほどの①~③の順番で話を組み立て、報告に行きます。適宜腕時計で時間を見ながら話し過ぎていないかを確認し、なるべく決めた時間内で話を終えられるよう努力すると良いでしょう。

 

 

④ 付箋を貼る

「報連相が本当に苦手だ…上記に書いてある事もすぐには実践できそうにない」「あまりに些細なことなので報連相しづらい」という方もいるかもしれません。

そういう方は、まず報連相をされる側の方に向けて付箋を作りましょう。

 

①~③の順番を守って簡潔に、要点を押さえて文章を作ります。

それをペタッと相手のデスクに張り付けてみましょう。

もしできるのであれば、そのあとタイミングを見計らって相手が戻って来た時に一言添えに行く気持ちで席まで伺いましょう。

報連相を全くしないよりは、それだけでだいぶ違います。

 

 

⑤ 報連相チェックシートの活用

「まだ不安」という方や報連相を習慣付けたい方に、報連相チェックシートの活用をおススメします。

 

報連相チェックシートには、「督促される前に報告しているか」「確認はメモを見ながらしているか」「指示を受けた本人に直接報告しているか」「中間報告をしているか」「要点を整理してから伝えているか」「結論から先に、経緯説明は後にしているか」「事実と意見・推測を区別して伝えているか」「あいまいな表現は避けているか」「伝えるタイミングを考慮しているか」「ミスやトラブルなど悪い情報ほどすぐに伝えているか」「ケースや相手によって伝える方法を選んでいるか」「事前に自分なりの対策・答えを検討しているか」「質問が出ることを想定して伝えているか」「短く・はっきり・分かりやすくを心がけているか」「重要な事項は、確認を怠らないか」「ケースによって、資料・現物などを準備しているか」「疑問点・不明点があれば遠慮せず質問しているか」の17項目があり、定期的に自己チェックを行い、日付の欄に自己チェックした月日を記入します。

発達障害の方が「報連相(ホウ・レン・ソウ)」で使う言葉遣い

言葉遣いで 相手とのコミュニケーションが上手くいったり、いかなかったりする事があります。

 

「報連相」はビジネスシーンにおいて重要な事と書きました。その際の言葉遣いも大切です。

いくつか例を挙げてみます。

 

発達障害の方の中には、自分の頭の中に浮かんだ事柄や「これはすぐに伝えなければ」という思いが強くて、相手の都合を考えずに話し出す方もいらっしゃいます。

 

上司や先輩の方は(相手は皆)忙しい、という事を念頭に置いて、「今、お時間よろしいでしょうか」あるいは「今、お話してもよろしいでしょうか?」等と、まずは一言、相手の都合を確認した上で話を始めるようにしましょう。

 

内容に応じて、クッション言葉を使いましょう。

クッション言葉とは、相手に何かをお願いをしたり、お断りをしたり、異論を唱える場合などに、言葉の前に添えて使用する言葉です。

ビジネスシーンでは様々な状況で使われています。上手く活用する事で直接的な表現を避けられ、丁寧で優しい印象を相手に与える効果があります。

 

具体的には、「成功した」「失敗した」と報告する際には、「おかげさまで〇〇は成功しました。売上高は……です」「誠に残念ながら、●●は失敗に終わりました」といった話し出し方が相手に丁寧で優しい印象を与えます。

 

また、この「おかげさまで」や「誠に残念ながら」といった言葉を一言付け加えるだけで、報告を受ける側は、おおよその内容をすぐに把握できるという利点があります。

「報連相(ホウ・レン・ソウ)」をメールで行う場合

「報連相(ホウ・レン・ソウ)」をメールで行う場合の画像

仕事上、職場内や取引先等の外部の方と、または在宅ワークやテレワーク等でメールの送受信を行う事が多々あります。その場合に気を付けておきたいのが、メールを送信しただけで安心しない事です。

 

メールを送信した側は、「報告した」と思いがちですが、相手がメールを見て内容を理解し、了解するまでは、報告や連絡は終わっていない、という事です。

 

重要な事柄を緊急連絡する場合は、メッセージに、「重要度: 高」(フラグを付ける等)として、メッセージを設定します。

中々返信が無い場合は、確認のためのメールを送信してみましょう。

 

反対にメールを受信し、内容を確認し、了解した時は、すぐに返信しましょう。

 

また職場内で隣の席の人に報連相する時は、メールで伝えるのは避けましょう。

口頭で伝えたほうが早いですし、確実です。

「席が隣なのに、わざわざメールしてくるのは何かあるのかな?」と不思議に思われてしまいます。

 

ただし、発達障害の方の中でも場面緘黙の方は、事前に上司や職場内に障害特性を理解してもらい、伝達事項について、メールまたは書面、メモ等を用いる事を了解してもらうと良いでしょう。

 

ここまでいかがでしたでしょうか?

 

必要なのは「報連相をして最大のリスクを回避すること」だと記憶して下さい。

報連相をすることは後々皆さんを守る事になるのです。

これらのコミュニケーションのコツを使ってスムーズに業務を進めていきましょう!

atGPしごとLABO編集部

ライター:atGPしごとLABO編集部

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。メンバーの平均年齢が全社平均年齢よりちょっと高めなのは内緒。

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